著者
甲田 雅一 福原 淳子 竹内 美香 大川原 正文 松崎 廣子 遠井 初子 古畑 紀子 丸山 美樹 佐々木 希実 沢辺 悦子 池田 昭 鈴木 ツル 佐藤 仁美 高橋 一郎 木村 冨美子 野村 久子 小野 恵美
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.458-468, 1999

<I>Pseudomonas aeruginosa</I>に対する各種抗生物質の抗菌力は分離施設の使用抗生物質の種類や量により影響されることが多く, ある施設で有効とされる抗生物質が他の施設でも有効とは限らない。真に抗菌力に優れる抗生物質とはMICが低く, 薬剤耐性が進行し難い薬剤であり, そのような抗生物質こそ, どの施設からの分離菌に対しても有効と言えるであろう。著者らは薬剤耐性が進行し易い抗生物質ではMICの施設間差が大きいと考え, 6施設から分離した<I>P.aeruginosa</I>に対する各種抗生物質のMICとMICの施設間差を調査し, その結果をスコア化して, 総合的に抗菌力を評価する試みを行った。その結果, 真に<I>P.aeruginosa</I>に対する抗菌力に優れる抗生物質はimipenem, cefozopran, ceftazidime, cefsulodin, amikacinなどであると考えられた。本報告で提案した解析方法は, 入院患者の細菌感染症に対する優れた抗生物質の評価のための一方法になり得ると考える。
著者
神作 愛 今井 崇雄 高橋 一郎 澤田 茂樹 山内 美智子 長谷川 英美 石井 和浩 米重 成人
出版者
Japanese Society of Psychosomatic Dentistry
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.29-35, 1997-06-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15

The effects of the traditional Chinese (Kampo) medicines, Hochu-ekki-to, Yoku-kansan and Saiko-ka-ryukotsu-borei-to, were compared to those of imipramine, a tricyclic antidepressant, in a mouse model of despair. Mice were placed in a water tank, from which there was no escape, for 15 min. The tank contained a water-wheel and the number of wheel rotations counted as escape attempts and, in accord with previous reports, imipramine (10 mg/kg i.p.), given either acutely or daily for 3 days 10 min before testing, markedly increased the number of wheel rotations. The Kampo medicines were administered for 14 consecutive days in the drinking water prior to testing. Hochu-ekki-to (60, 150 and 300 mg/kg/day) also increased wheel rotations but the effect was not dose-dependent. Yoku-kan-san markedly increased the number of wheel rotations at lower doses (60, 150 mg/kg/day), but decreased the number at the highest dose (300 mg/kg/day). Saiko-ka-ryukotsu-borei-to also increased the number of wheel rotations at the lowest dose (60 mg/kg/day), but decreased the number of rotations at higher doses (150, 300 mg/kg/day). These results suggest that these Kampo medicines, like imipramine, may ameliorate despair in mice.
著者
高橋 一郎
出版者
宝塚造形芸術大学
雑誌
Artes : bulletin of Takarazuka University of Art and Design : 宝塚造形芸術大学紀要 (ISSN:09147543)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.87-101, 2007-03-31

映画「フランドン農学校の尾崎さん」を自主製作した。大阪府豊野郡能勢町で有機農業をする尾崎零さんの一年を取材したドキュメンタリーである。尾崎さんは1978年にサラリーマンをやめ、家族と共に能勢町へ移り有機農業を始めた。現在は年間70種類を超える作物を作り消費者と直接取引きをする。尾崎さんは有機農業の世界では先駆者的な存在であり、エコロジーを基調としながら、生命を大切にする社会を作りたいと考えている。映画は尾崎さんの畑を中心としながら、社会的にも活発に活動する姿を捉えた。
著者
古賀 のり子 都留 寛治 戸井田 力 高橋 一郎 石川 邦夫
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
日本歯科理工学会誌 (ISSN:18844421)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, 2014-09-20

Effect of treatment condition on carbonation of calcium hydroxide compact was examined. The result indicated that 100% relative humidity was quite effective for carbonation of calcium hydroxide compact. When calcium hydroxide compact was prepared under high compaction pressure, the calcite block with high mechanical property could be obtained after the carbonation although it took longer time to transform to calcite. High temperature more than 200℃ could enhance the carbonation, however, the heating more than 600℃ facilitated calcium oxide formation which caused lower mechanical property.
著者
神作 愛 今井 崇雄 高橋 一郎 澤田 茂樹 山内 美智子 長谷川 英美 五十川 光俊 米重 成人
出版者
Japanese Society of Psychosomatic Dentistry
雑誌
日本歯科心身医学会雑誌 (ISSN:09136681)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.37-41, 1997-06-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
12

Antinociceptive effects of the traditional Chinese (Kampo) medicines, Hochu-ekki-to, Yoku-kan-san and Saiko-ka-ryukotsu-borei-to, were studied on acetic acid-induced writhing in mice. The number of writhings observed was counted in consecutive 5 min periods for 60 min after intraperitoneal injection of 0.6% acetic acid. Kampo medicines were administered for 14 consecutive days, prior to testing, in the drinking water. Oral administration of Hochu-ekki-to (60, 150 and 300 mg/kg/day) dose-dependently reduced the number of acetic acid-induced writhings. Yoku-kan-san (60, 150 and 300mg/kg/day) tended to inhibit the writhing response to acetic acid in a dose-related manner. Saiko-ka-ryukotsu-borei-to (60, 150 and 300 mg/kg/day) markedly reduced the number of acetic acid-induced writhings but its effects were not dose-dependent. These results suggest that these Kampo medicines may have antinociceptive properties.
著者
高橋 一郎
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. IV, 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.11-23, 2002-09

本稿では, 漫画家手塚治虫を育てた, 家庭・地域・教育について考察することを通じて, 近代日本の文化と教育の, ある一つの, 重要なルーツについて明かにしたい。漫画家手塚治虫は, 大阪北部近郊地域で生まれ, 育った。この地域は, 阪急沿線地域とも呼ばれ, わが国の戦前期において, 最も早い時期に新中間層が住んだ地域であった。この地域の特徴の多くは, 阪急電鉄の経営者, 小林一三によって産み出されたものである。手塚の家庭は, 戦前期の典型的な新中間層であった。そして, 彼の通った大阪府池田師範附属小学校は, この地域の新中間層の子弟が多く通った学校であった。後年の手塚の作品は, この地域の文化に多くの影響を受けていると考えられる。This paper tries to search for important roots of modern Japanese culture and education, taking account of the area, the home and the education by which the famous Japanese cartoonist, Osamu Tezuka was brought up. Tezuka was born and raised in the northern outskirts of Osaka. This area was called the Hankyu railway strips, where new middle classes began to inhabit earlier than any other places in the period of pre-war Japan. Most features of this living area were intentionally formed by the founder of Hankyu railway company, Ichizo Kobayashi. The Tezukas was one of the typical new middle-class families in the pre-war Japan, and he studied at the elementary school attached to Osaka prefecture normal school at Ikeda, where a lot of middle-class children from the area attended. Tezuka's later works were considered to be much influenced by the culture of this region.
著者
高橋 一郎
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 4 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.135-149, 2004-09

本論文の目的は, 「少年犯罪が凶悪化している」という通念を批判的に検討することにある。とりわけ,犯罪の「質」の問題に焦点を当てることにより, この通念に対する反論をおこなう。現在, この通念は, 社会一般に広く信じられているものである。しかし, この通念が必ずしも少年犯罪の実態を反映したものでないことは, 多くの研究者が指摘している。例えば, 犯罪統計で見る限り, わが国の少年凶悪犯罪の数は, 1950〜60年代には現在よりもずっと多かったのであり, この時期に比べれば, 現在の数値はおおむね低い水準で推移している。しかし, このような統計データに基づく議論には,一定の限界がある。「少年犯罪が凶葺化している」という主張がなされる場合, 犯罪の量的な増加だけでなく, 犯罪の質的な変化についてもしばしば言及されているからだ。すなわち, 近年の少年凶悪犯罪は, その手口や動機において, かつての少年犯罪にはなかった「凶悪な」特徴が見いだせる,というものである。この主張に対して, 統計データに依拠する従来の犯罪研究は, 十分に反論しえない, と思われる。以上のような状況をふまえ, 本論文では, 1950〜60年代のわが国における代表的な少年犯罪の事例をとりあげ, その内容について検討をおこなう。そして, その検討により, かってはなかったとされる少年犯罪の特徴の多くが, 1950〜60年代においてすでに存在していたことを明らかにする。これにより, 「少年犯罪が凶悪化している」という通念が, 質的変化の観点からも妥当ではないことを示す。
著者
谷口 孚幸 並木 裕 高橋 一郎
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.19-31, 1981-02-25
被引用文献数
1

本研究は,事務所建物における必要衛生器具数を使用者の"許容待ち時間"から算出する方法を提示したものであり,1)業務内容別の衛生器具使用状況アンケート調査と,2)許容待ち時間に関するアンケート調査の結果からGPSS(General Purpose Simulation System)による衛生器具使用シミュレーションモデルを作成し,男子小便器を例にとり,衛生器具使用の待ち時間を"あふれの割合"と対応させ,既往の算定値との比較・検討を行ったものである.本研究により各計画対象階の計画人員数が同じでも,業務内容が異なると衛生器具使用頻度のピーク発生時とその値は異なり,衛生器具使用時の待ち時間を一定に保つサービスを行うためには各階の必要器具数は,かなりの差を生じることが明らかになった.
著者
高橋 一郎 宇佐美 三郎 中門 公明 宮田 寛 志田 茂
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1076, pp.186-194, 1985-04-01
被引用文献数
26 18

各種の微小欠陥を付加したSi<sub>3</sub>N<sub>4</sub>とSiCの強度試験を行うとともに, 他の実験結果も併せて整理し, 欠陥寸法, 切欠き半径と強度の関係を求めた. その結果, 実際の機械部品で対象とするような100μm程度以下の微小な欠陥では, 破壊靱性値<i>K</i><sub>IC</sub>を一定とする線形破壊力学による評価結果は非安全側を与え, この傾向は結晶粒径の大きい材料ほど大であることが明らかとなった. 表面加工傷, 空孔, 人工欠陥等の各種の欠陥についての実験結果は, その形状効果を補正した等価き裂長さを用いることによって, 欠陥寸法と強度の関係は同一に取り扱うことができた. また, 各種セラミックスについての強度試験結果を, 等価き裂長さと平均結晶粒径の比<i>a</i><sub>e</sub>/<i>d</i>と小さいき裂と大きいき裂の臨界応力拡大係数の比<i>K</i><sub>C</sub>/<i>K</i><sub>IC</sub>の関係で整理すると, 材料の種類によらずほぼ同一の関係となることが明らかになった. この関係は本報で提案した結晶破壊モデルから導かれる関係式で比較的よく説明され, 更に平滑材における結晶粒径と強度の関係及び切欠き半径と強度の関係についても, 本モデルによる関係式で実験値の傾向は良く表された.
著者
萩原 剛 新井 盛夫 山中 晃 藤田 進 高橋 一郎 川田 和秀 大石 毅 鈴木 隆史 天野 景裕 福武 勝幸
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 = The Journal of Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.337-344, 2003-08-01

ハイレスポンダーインヒビター保有血友病Aおよび血友病B患者に起きた3回の重症出血に対し, 凝固因子製剤の大量投与でインヒビターを中和し, 引き続き持続投与によって充分な血漿凝固因子活性を維持し, 止血に成功した. 症例1は第VIII因子インヒビター保有血友病A患者. 38歳時に小脳出血で緊急入院した. 2. 1ベセスダ単位(BU)/m<I>l</I> の第VIII因子インヒビターに対し, 第VIII因子製剤5, 000Uのボーラス投与に続き, 3. 8U/kg/hrの持続投与を行った. 血漿第VIII因子活性は4日間0. 9~1.44U/m<I>l</I> を維持し血腫は縮小した. 40歳時には, 外傷性頭頂葉皮質出血をきたし, バイパス療法を行ったが, 新たに右硬膜下血腫を認めたためインヒビター中和療法を施行した. 10BU/m<I>l</I> の第VIII因子インヒビターに対し, 第VIII因子製剤12, 000Uのボーラス投与に続き, 4~6U/kg/hrの持続投与を行った. 血漿第VIII因子活性は, 5日間0.54~2.04U/m<I>l</I> を維持し血腫は縮小した. 症例2は4歳の第IX因子インヒビター保有血友病B患者. 右足背部の打撲により大きな皮下血腫を生じた. 連日のバイパス療法でも改善せず, インヒビター中和療法に変更した. 2.1BU/m<I>l</I> の第IX因子インヒビターに対し, 第IX因子製剤2, 000Uのボーラス投与に続き, 13U/kg/hrの持続投与を開始した. 血漿第IX因子活性は1. 0~1.3U/m<I>l</I> を維持し, 血腫は速やかに縮小した.