著者
永橋 為介 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.213-216, 1995-03-29 (Released:2011-07-19)
参考文献数
10
被引用文献数
3 4

わが国でも都心部の公園は野宿者の生活場所として利用されており, 公園管理者との間に摩擦を生じている。本稿は, この事例として大阪市天王寺公園を取り上げ, 都心部における野宿者と都市公園管理に関わる問題を整理, 把握し検討することを目的とした。同公園に関する野宿者への聞き取り調査を実施し, 同公園の野宿者に関する管理方法を公文書, 新聞などから概観し, 1990年の有料化が野宿者排除に与えた影響を考察した。その結果, 同公園の管理方法は野宿者問題と公園を切り離すことには成功したが, 排除された野宿者は外周柵の外に多く存在し, 依然として同公園周辺地域の問題として現存していることが明らかになった。
著者
永橋 為介 土肥 真人
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.213-216, 1996-03-29
被引用文献数
2 4

わが国でも都心部の公園は野宿者の生活場所として利用されており, 公園管理者との間に摩擦を生じている。本稿は, この事例として大阪市天王寺公園を取り上げ, 都心部における野宿者と都市公園管理に関わる問題を整理, 把握し検討することを目的とした。同公園に関する野宿者への聞き取り調査を実施し, 同公園の野宿者に関する管理方法を公文書, 新聞などから概観し, 1990年の有料化が野宿者排除に与えた影響を考察した。その結果, 同公園の管理方法は野宿者問題と公園を切り離すことには成功したが, 排除された野宿者は外周柵の外に多く存在し, 依然として同公園周辺地域の問題として現存していることが明らかになった。
著者
朝倉 真一 永橋 為介 野嶋 政和
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.103-108, 2001-10-25 (Released:2017-12-01)
参考文献数
65

The purpose of this paper is to figure out historically and theoretically the character of public retail and wholesale center in around the 1920s in Kyoto by focusing on the context of modern commercial and distributive policy change and the context of modern city management and planning. It could be concluded as follows; (1)Public retail was set first as the one of social work programs for the poor in down town, but the character was getting pilot of a good modern retail, and was set strategically around developing suburb in Kyoto. (2)Particularly, after wholesale center was set in 1927, not only public retail but also private retail and wholesale places were all organized and governed in modern hierarchical system of both modern commercial and distributive policy and city management. (3)This change of commercial and distributive policy was related to and supported by the modern city management policy and new city planning in Kyoto.
著者
永橋 為介
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.405-408, 1996-03-28 (Released:2011-07-19)
参考文献数
21

1910年代後半から30年代前半にかけての大阪では人口稠密化, 煤煙問題, 不況による失業者の増大などの都市社会問題が顕在化していた。本稿では社会状況を踏まえ, 空間政策, 社会政策の専門分野で展開された公園論に注目し, 当時の公園が果たそうとした, もしくは果たさざるを得なかった意味と機能を構造的に捉える。当時の公園論は社会政策的な空間装置として公園を位置づけていながらも, 大阪市社会部の公園論には, 利用者像として「無宿者」の存在を想定し得ない言説構造が内在化されていた。しかし, 当時の状況下においては, 公園は社会構造から生じる「無宿者」のとりあえずの居場所としての機能を果たさざるを得なかった。