16 0 0 0 HPV感染症

著者
江川 清文
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.121, no.7, pp.1401-1407, 2011-06-20 (Released:2014-11-13)

ヒトパピローマウイルス(HPV)により伝播する性感染症としては古くから尖圭コンジローマが知られて来たが,子宮頸癌からHPV16/18が発見されたのを契機に,ボーエン様丘疹症や外陰部や手指のボーエン病にも同様のHPVが検出されることが分かり,これらは性行為あるいはその類似行為により伝播されるHPV感染症と考えられるようになった.一方で,HPVに不顕性感染が多いこともわかり,無症候性キャリアーの問題が浮かび上がって来た.本稿では,原因のHPVと肛門・性器に発症することの多いHPV関連疾患について概説した.
著者
江川 清文
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.14, pp.3149-3156, 2014-12-20 (Released:2014-12-25)
参考文献数
43

粘膜型HPV感染症は性感染症の一つであるが,病因・病態論的多様性と共に不顕性感染の多いことが分かり,無症候性キャリアーの問題が出て来ている.したがって粘膜型HPV感染症は,顕性病変である尖圭コンジローマやボーエン様丘疹症等“clinical infections”の他に,通常では病変を認めない“subclinical infections”や“latent infections”を念頭に考える必要がある.本稿では,粘膜型HPV感染症の多様性,診断・治療面でのトピックスや性感染症としての最近の動向と問題について述べた.
著者
江川 清文
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.393-394, 2021-10-01 (Released:2021-10-20)
参考文献数
3

患者:70 歳,女性初診:2020 年 5 月中旬主訴:左上背部の瘙痒を伴う落屑性紅斑既往歴:右第 1 指と左第 1 趾爪白癬の診断で治療中現病歴:左上背部の“こり”に対し,ピップエレキバン®(以下エレキバン)を約 20 日間貼付したままにしたところ瘙痒を伴う紅斑が出現した。“かぶれ”の自己診断で副腎皮質ホルモン(OTC 薬)を外用したが,約 1 カ月経過しても治癒しないため受診した。現症:左上背部に,径約 5 cm の漿液性丘疹と鱗屑を付した浮腫性紅斑の環状配列を認める(図 1 a,b)。検査:ズームブルー®(久光製薬,鳥栖市)を用いた KOH 鏡検で菌糸性菌要素陽性(図 2 )。診断:体部白癬治療および経過:ルリコナゾール外用にて,1 週間後には色素沈着を残すのみとなった。
著者
今石 元久 吉田 則夫 佐藤 亮一 桐谷 滋 江川 清 井上 史雄
出版者
広島女子大学
雑誌
総合研究(B)
巻号頁・発行日
1993

交付金により、研究会合を重ねるとともに、平成5年10月22日(金)10時〜15時10分広島市中区中電大ホールにて「新しい日本語社会」「日本語習得の基盤を考える」と題して公開講演とシンポジウムを開催した。全国から多数の参会者があって、盛会に行われた。シンポジウムではメンバーの江川清・土岐哲・佐藤亮一・吉田則夫・真田信治の各氏とNHKの西橋アナウンサーに登壇いただいた。「日本語の習得と話言葉」のテーマの下、それぞれの立場からの提言と討議が行われた。午後から演題「日本語習得の基盤と社会言語学」井上史雄、演題「日本語の習得基盤と音声言語情報処理」桐谷滋各氏の講演があった。その成果を受けて、研究課題「国際化する日本語社会における音声言語の実態とその教育に関する総合的研究」により平成6年度総合研究(A)の申請をした。その内容はつぎの通りである。(1)国際化の進行している日本語社会における音声言語の実態を把握し、有効な教育方策を提案すること。(2)言語理論並びに高度情報処理技術等により、日本語社会における音声言語の教育に効果的な科学的方法を導入すること。この研究目的を、次の6事項に絞って期間内に達成する。A【.encircled1.】日本語社会における音声言語の多様性と標準、【.encircled2.】日本語社会における談話行動の習得過程、B【.encircled1.】日本語教育における学習活動が音声言語の習得に及ぼす効果、【.encircled2.】日本語社会における帰国子女・外国人子弟等の音声言語の習得、C【.encircled1.】日本語社会における音声言語の習得支援システムの開発、【.encircled2.】日本語社会における音声言語の教育用データーベース今年度の成果として、公開シンポジウムと公開講演を冊子にまとめ、研究機関や日本語教育関係機関等に配布した。
著者
江川 清文
出版者
協和企画
巻号頁・発行日
pp.656, 2021-07-01

“みずいぼ”にみられる「軟属腫小体」「軟属腫反応」と比較的新しい概念(用語)である「BOTEサイン」について述べる.いずれも“みずいぼ”の病態に深く関わるもので,よりよい“みずいぼ”診療を目指すにあたり必要な知識である. “みずいぼ”は伝染性軟属腫の俗称で,ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスの感染により生じる.中心臍窩を有する表面平滑な小丘疹を臨床的特徴とし,小児の体幹や四肢に多発することが多い.ピンセットで内容を圧出する“みずいぼとり”が治療の主なものであるが,本法が疼痛や出血を伴うことや,“みずいぼ”が基本的に自然治癒する疾患であることから,随伴症状に対する以外特段の治療なしで経過をみることもある.“みずいぼとり”では粥状物が圧出されるが,この中に含まれる多量のウイルスの直接・関接接触や自家接種が他者への感染伝搬や悪化(多発)の原因になる.

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著者
江川清文編集企画
出版者
全日本病院出版会
巻号頁・発行日
2012
著者
水谷 修 米田 正人 甲斐 睦朗 賀集 寛 平野 健一郎 江川 清
出版者
国立国語研究所
雑誌
創成的基礎研究費
巻号頁・発行日
1994

総括班:国際シンポジウム(「国際社会の日本語」,1998年12月16,17日於国連大学と総括班会議(3月18日)を実施した。研究班1(センサス):「日本語観国際センサス」の第3次調査を実施した(日本)。また,調査デー夕の整理,分析を行い,一部集計結果を国際シンポジウムおよび学会等で発表した。また,事例調査として「北米日系人社会と日本語新聞」,「海外マスメディア広告における日本語研究」に関して調査および研究会を継続して行い報告書を刊行した。「災害時言語対・策に関する研究」について調査,研究会を継続した。研究班2(文化摩擦):1. 理論研究 「多言語状況と日本語:」研究会の例会で,日本語の歴史的更新と多言語状況のなかでの変容について共同考察を進めてきた。日本語についてグループ特有の理解を得,「駒場『日本語』宣言」としてまとめた。2. 社会言語学研究社会言語語学・対照言語学的観点から行ってきた,日本語母語話者と日本語非母語話者の言語行動的接触の実態,及び国内における日本人の言語行動の特徴について,補充調査を行うとともに,得られたデータの分析に報告書の執筆にあたった。研究班3(実験言語):1. 文字言語研究 「朝日新聞」記事約11万件(延べ字数5500万)と,そのCD-ROMを対象に,電子メディアにおける漢字実態を明らかにする計量言語学的な資料が得られ,新聞社の著作権使用許可を得て本邦初公開した。2. 音声言語研究 99年3月19日に東京外国語大学において研究成果発表会・ワークショップを開催した。日本語韻律習得を支援するためのパソコンソフトのCD-ROMを参加者に配布した。3. 計算機実験研究 分類語彙表の増補用語数を訳9万語までに増補した。第二言語作文・翻訳にみられる第一言語の影響という視点で作文を調査分析し,研究報告書を作成し,データを公開した。研究班4(情報発信):1. 同時通訳技法の体系化 放送通訳・2か国語放送の場面で,日本語の「組み立て]がどのように影響するのか,外国人の理解を妨げているのは何か,などを探るにあたっての前提となる基礎的研究としてグループインタビュー(対象者14人)と在日外国人に対する質問紙調査(有効回答数218件)を実施し,考察を行った。2. コーパスの作成 雑誌『太陽』の15冊文を入力した。これで目標の4分の3に達したことになる。漢字の包摂基準について,報告書をまとめた。さらに1冊分だけ,ふりがなについて調べ,字音表記の傾向をつかんだ。3. 漢字コードの考察 漢字符号に設定する機能を構造の要素と構造及び構造間の関係を使い表現する方法の妥当性を核にするため,中国:語(簡体字・繁体字),日本語,韓国語の三カ国語を処理する漢字入力プログラムを作成し,実験結果を最終報告にまとめた。4. 言語教育方法の確立 第3次段階調査研究のまとめとして以下の事項を行った。(1)新学習指導要領策定に資する基礎資料作成(2)国語教育・日本語教育に関する質問紙調査(3)学校教科書に関する分析(4)基本語彙研究に関する分析(5)公開研究会の開催(6)ホームページで資料公開(http://www.kokken.go.jp/jsl)(7)報告書作成