著者
守田 吉孝 槇野 博史 太田 康介 和田 淳 四方 賢一 柏原 直樹 池田 修二 小倉 俊郎 太田 善介
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.832-838, 1994 (Released:2011-07-04)
参考文献数
16

Effect of heparin and low-molecular-weight heparin (LMWH) were evaluated on 15 patients with proliferative glomerulonephritis with various degrees of sclerosing legion. Five cases were subcutaneously administered with 7000 to 11000 units of heparin for 4 weeks. Ten cases were administered with 60 unit/kg of LMWH by drip infusion for 4 weeks. Eleven cases were treated with prednisolone and all cases were treated with anti-platelet agent as well. Urinary protein excretion reduced from 3.0±1.8 to 1.8±0.6g/day in the heparin-treated group and from 2.4±1.9 to 1.8±1.4g/day in the LMWH-treated group, respectively. There were no remarkable changes in the renal functions of both groups. In one case, both heparin and LMWH brought about reduction of proteinuria. Therefore, LMWH reduced urinary protein excretion by the same mechanism as heparin. The LMWH has an advantage over heparin in that the former has less risk of causing bleeding. We conclude that heparin and LMWH reduce proteinuria in some patients with proliferative glomerulonephritis. The LMWH is beneficial in the treatment of proliferative glomerulonephritis with a sclerosing lesion.
著者
三池田 修
出版者
東京都立翔陽高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

高等学校「化学基礎」におけるイオンの学習では、電気泳動を観察するとイオンを理解しやすくなる。従来の教材では実験時間やイオンの種類、電源装置などに難点があり、イオンの性質を生徒の視覚に訴えかけるのが難しかった。本研究では専用の電源装置の開発と植物染色の応用により「イオンが目に見えて動く」と生徒にその場で実感させ、イオンの性質を理解させる教材を作成することができた。さらにこの実験方法が電気分解の学習にも利用できることを見出した。電気泳動の電源装置は、商用電源から700V直流(20W)を出力するものを設計・製作した。最終的には、回路はハーフブリッジコンバータとし、一次側と二次側を絶縁するトランスを用い、最終段で6倍圧整流するものとした。電気的には出力を大地と絶縁させ、感電の危険を抑えた。この装置により11㎝のろ紙上でのイオンの電気泳動を1~3分間で目視で観察できるようになり、少人数授業では生徒に直接観察させ、教室授業では教材提示装置で指導することができるようになった。陽イオンの電気泳動では、植物染色の媒染法を応用するとIII (HDイオン、銅(II)イオン、アルミニウムイオンなど学習上基本的な陽イオンの泳動を鮮明に観察できることがわかった。すなわち紅茶、スオウ、ログウッドなどで染めたろ紙を食酢希釈液または薄い炭酸水素ナトリウム水溶液で濡らし、そこへ上述のイオンを含ませたろ紙片を乗せて実験した。さらに染色したろ紙を用い、電極に鉄、銅、アルミニウムなどを用いて電気分解を行うと、電極の酸化で生成したイオンの泳動が観察でき、イオンの生成や電気分解の学習にも有効なこともわかった。開発した装置と実験の追試験を他校教員に依頼した結果、高速で鮮明な電気泳動が再確認され、イオンの性質や電気分解の反応の学習に効果的なことが支持された。
著者
池田 修
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.288-290, 1967
被引用文献数
1

1966年に横浜港で調査した外航貨物船舶45隻のうち5隻から, X. cheopis 1種のみを検出した.なお検査ネズミ数1, 099頭で採集したX. cheopis数は64匹であつた.採集できた船舶はいずれもアジア地域からのものであり, 同方面からの来航船舶27隻中5隻(18.5%)から採集した.ノミを保有したネズミは船内各区劃から見られ, R. rattusと同様M. musculusにも多数のX. cheopisの寄生が認められた.
著者
平尾 一郎 三井 雅雄 池田 修司 森山 圭
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

A-TとG-Cの塩基対に人工の塩基対を加えることにより、遺伝情報を拡張し、RNAやタンパク質中に新たな構成成分を部位特異的に導入する技術の創出を目指して、生物のシステム(複製・転写・翻訳)で機能する人工塩基対の開発研究を進めた。申請者は、既に、転写と翻訳で機能する人工塩基対(s-y塩基対)を開発しているので、その知見に基づいて、複製においても機能する人工塩基対の開発に挑戦した。その結果、ユニークな性質を示す種々の人工塩基対(v-y、s-z、s-Paなどの塩基対)を開発することができ、最終的に、複製と転写において相補的に機能する人工塩基対(Ds-Pa塩基対)を作り出すことができた。すなわち、このDs-Pa塩基対を含むDNAをPCRで増幅することもでき、また、どちらの人工塩基(DsとPa)もRNA中に転写で取り込ませることができる。さらに、申請者らが開発したyやPaなどの人工塩基に機能性の置換基(蛍光色素、ビオチン、ヨウ素、アミノ基など)を結合させた転写用の基質を合成し、人工塩基対による転写系でこれらの基質をRNA中に取り込ませ、種々の機能性RNAを作り出し、本技術の応用化の可能性を示した。以上のように、申請者は、従来の遺伝子操作技術に代わる遺伝情報拡張技術を可能とする人工塩基対の開発に世界に先駆けて成功した。今後は、この人工塩基対システムを幅広い分野に利用したベンチャー企業を設立し、本技術の普及を図ると共に医療に役立つ技術と製品を社会に提供したい。