著者
小倉 俊郎 古賀 光
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

当大学2012年度新入生2,257名の甲状腺疾患の既往,甲状腺ホルモン,自己抗体および甲状腺腫のスクリーニング検査を行った。甲状腺疾患の既往は0.4%で,女子がほとんどであった。甲状腺腫は,男子0.8%,女子4.6%に認め,そのうち3名に甲状腺乳頭癌が発見された。自己抗体陽性は男子に比して,女子で高頻度(5.1%)であった。検査より女性2名でバセドウ病再発例と新規例が発見された。甲状腺ホルモン低下例はなく,高値例が半数以上を占めた。若年者の甲状腺異常は自覚症状のない潜在例が多く,早期発見のためには頚部触診,血液検査のスクリーニング,甲状腺超音波検査などを積極的に行うべきと考えられた。
著者
國本 あゆみ 菊永 茂司 岡崎 勘造 天野 勝弘 佐川 和則 新宅 幸憲 積山 敬経 井上 裕美子 成山 公一 山崎 先也 岡本 啓 石井 信子 田子 孝仁 土岡 大介 福田 隆 林 恭輔 小倉 俊郎 東條 光彦 三村 由香里 松枝 睦美 上村 弘子 津島 愛子 加賀 勝 酒向 治子 土井 真由 鈴木 久雄
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.74-84, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
35

目的:本研究は大学生男女個々および交互,相互におけるBMIと体型不満の関連について検討することを目的とした.方法:対象は全国14大学に在籍する18-22歳の男性学生4,118名,女性学生2,677名であり,体組成測定およびボディーイメージに関する質問紙調査を用いた横断研究を行った.体組成は健康診断の結果もしくは実測した.結果:対象の平均(SD)BMIは男性21.7(3.3)kg/m2,女性は20.9(2.7)kg/m2であった.BMIが18.5未満の者の割合は男性11.1%,女性14.6%であり,BMIが18.5-24.9の範囲の者の割合は男性76.1%,女性78.9%であった.BMIに対する理想不満度(理想のシルエット-現在のシルエット)と健康不満度(健康的なシルエット-現在のシルエット)の間に男性は交互作用が認められなかったけれども,女性では有意な差が認められた(p<0.001).魅力的な男性のシルエット値は,男女間に有意な差はみられなかった(t=1.231,p=0.218,d=0.04).一方,男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均4.65,女性が思う男性からみた魅力的な女性のシルエット値は平均3.97であり,女性は男性に比べ有意に低い値を示した(t=25.08,p<0.001,d=0.70).結論:女性大学生の考える健康的な体型は理想体型より太い体型であった.魅力的な男性のシルエットは男女間に差がみられなかった.しかしながら,魅力的な女性のシルエットは男性より女性においてより細い体型と考えていることが示唆された.
著者
守田 吉孝 槇野 博史 太田 康介 和田 淳 四方 賢一 柏原 直樹 池田 修二 小倉 俊郎 太田 善介
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.832-838, 1994 (Released:2011-07-04)
参考文献数
16

Effect of heparin and low-molecular-weight heparin (LMWH) were evaluated on 15 patients with proliferative glomerulonephritis with various degrees of sclerosing legion. Five cases were subcutaneously administered with 7000 to 11000 units of heparin for 4 weeks. Ten cases were administered with 60 unit/kg of LMWH by drip infusion for 4 weeks. Eleven cases were treated with prednisolone and all cases were treated with anti-platelet agent as well. Urinary protein excretion reduced from 3.0±1.8 to 1.8±0.6g/day in the heparin-treated group and from 2.4±1.9 to 1.8±1.4g/day in the LMWH-treated group, respectively. There were no remarkable changes in the renal functions of both groups. In one case, both heparin and LMWH brought about reduction of proteinuria. Therefore, LMWH reduced urinary protein excretion by the same mechanism as heparin. The LMWH has an advantage over heparin in that the former has less risk of causing bleeding. We conclude that heparin and LMWH reduce proteinuria in some patients with proliferative glomerulonephritis. The LMWH is beneficial in the treatment of proliferative glomerulonephritis with a sclerosing lesion.