著者
和氣 典二 河本 健一郎 和氣 洋美 張 善俊 斎田 真也 葭田 貴子 葭田 貴子 大森 馨子 宮崎 由樹
出版者
神奈川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

1)変化検出課題や二重課題による注意やパタン知覚の研究や触覚と視覚の比較研究を行った。変化検出課題を視野狭窄が生じている緑内障や網膜色素変性の眼球運動は人為的に視野を制限したときの4゜から8゜の場合と類似していることや変化を検出するときの反応時間は視力に影響されずに加齢や視野の障害の程度に依存することを明らかにした。触覚で変化検出課題を行うと、触覚の反応時間は視覚より顕著に長くなる。この知見から手の触野を視野で表すと、約0.5゜に相当する。二重課題では偏心度を変えたときの輝度コントラストと色コントラストを検討し、偏心度が増すと、感度が著しく低下することを示した。また、輝度コントラスト感度に差がなくても、色コントラスト感度では高齢者は顕著に若年者より低下する。パタン知覚の場合、先天盲や先天的ロービジョンは3次元情報を触覚で報告できないが、後天盲ではそれが可能である。2)応用的観点から、地下空間の快適性・安全/安心に大きな影響を与えるものに視認性や視覚的注意があることを指摘し、それを踏まえた空間の評価法を提案した。また、画像処理の応用面として、電子透かし技術の実用化をはかった。
著者
河本 健作 北村 泰彦 Tijerino Yuri
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.429, pp.67-72, 2008-01-14

Wikiとは,ネットワーク上の不特定多数の人間同士がブラウザを介して協調しながら編集活動を行うこと,Webサイトを共同で制作するためのシステムである.エージェントがWiki上の情報を理解し,Wiki上の編集活動に参加することができれば,整合性のとれたコンテンツの作成,Web情報とWiki情報の統合など,従来のWikiでは不可能であった効果が期待できる.本論文では,Semantic Webを共通の情報表現として,エージェントと人間の協調を実現した新たなWikiシステムを提案する.
著者
河本 健一郎 和氣 典二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.393-399, 2007-03-01 (Released:2009-09-18)
参考文献数
13
被引用文献数
1

We carried out a categorical color naming experiment using young adults and elderly people as observers.The experiment was designed to investigate the effects of mode of color appearance (surface and aperture modes) ,and illuminants (four types of fluorescent:D-EDL-D65,N-EDL,EX-L and W) .The experiment used a series of Munsell chips which were presented separately,and the observers were asked to categorize them into one of 11 categories (red,pink,orange,yellow,green,blue,purple,brown,white,gray,and black) .The constancy of the categorization results was high for the young adults but not for the elderly observers.The elderly observers categorization constancy was poor for chips with hues RP,R,YR,and Y.Illuminants did not affect the categorization for the young adults very much but had a relatively large effect on the elderly observers.The color appearance mode had a slight affect on the categorization constancy of both groups of observers.
著者
北村 泰彦 河本 健作 川崎 琢磨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.325, pp.51-56, 2008-11-20

情報通信技術は現代社会に深く浸透しているが,利便性の一方で,その障害によって大きな社会問題を引き起こすこともある.このような問題に対処する一つの枠組は,人工物と人間利用者がうまく共存できる共生コンピューティングであると考えている.本稿では共生コンピューティングへの一つのアプローチとして,人工物であるエージェントと人間利用者が協調して,Webコンテンツを作り上げるSemantic Wikiを取り上げる.Semantic Wikiのプロトタイプとして開発したKawa Wikiと,コンテンツの整合性維持の機能ついて議論する.