著者
渡邊 智也 楠見 孝
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
pp.2020.045, (Released:2020-12-15)
参考文献数
52

In this study, the effects of a theatrical activity on social abilities were examined. The participants (N = 40) were randomly assigned to an experimental or control group. While the experimental group read a playscript, planned a performance, and performed, the control group read a playscript and summarized the content of the story. All the participants completed three social ability measures, namely, Reading the Mind in the Eyes Test, Yoni Test, and Situational Test of Emotional Understanding as well as a questionnaire, namely, Interpersonal Reactivity Index on three occasions: pre, post, and followup measurement. Moreover, they completed the Narrative Transportation Scale immediately after the intervention, which assessed the psychological state of immersion into the narrative world. It was predicted that the extent of narrative transportation the participants experience would moderate the effect of theatrical activity. The results revealed that highly transported participants in the experimental group scored significantly higher than those in the control group on various scales including Reading the Mind in the Eyes Test, Yoni Test, and the Interpersonal Reactivity Index Empathic Concern scale. Furthermore, after the intervention, the extent of transportation predicted these social abilities in the experimental group.
著者
安田 大典 久保 高明 益満 美寿 岩下 佳弘 渡邊 智 石澤 太市 綱川 光男 谷野 伸吾 飯山 準一
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.341-352, 2015-10-27 (Released:2015-11-12)
参考文献数
28
被引用文献数
1

目的:本研究の目的は、大学生の入浴スタイルの違いが、睡眠と作業効率に及ぼす影響を検討すること。さらに、保温増強が作業効率に及ぼす影響を検討することである。方法:対象は、普段シャワー浴のみの健常学生18名とした(19.6±0.7歳、平均年齢±SD)。41°Cの浴槽に肩まで浸漬し10分間入浴する群(保温無群:BB)と、入浴後に保温シートと寝袋にて身体を被覆し30分間保温する群(保温群:BBW)について、各々を2週間で実施するcrossover研究を行った。なおWash-out(シャワー浴)期間は2週間とし、平成24年11月〜12月の6週間実施した。測定した項目は、起床時の起床時睡眠感(Oguri-Shirakawa-Azumi sleep inventory MA version; OSA-MA)、主観的入浴効果(Visual Analog Scale; VAS)、作業効率検査(パデューペグボードのアセンブリー課題)の3項目について測定を実施した。起床時の主観的評価は6週間毎朝記載してもらった。作業効率検査は2週間ごとに4回行った。結果:OSA-MAのBBおよびBBWは、シャワー浴と比較して有意差はなかった。VASの結果は、BBおよびBBWは、シャワー浴と比較して、熟睡感、身体疲労感、身体の軽快感が有意に高値を示した。パデューペグボードテストは、BBおよびBBWはシャワー浴に比べて有意に高値を示した。考察:シャワー浴からバスタブ浴へ入浴スタイルを変えることで睡眠の質が良好となり疲労回復がなされ、その結果、パデューペグボードの作業効率が向上したと考えられる。
著者
渡邊 智 石澤 太市 綱川 光男
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.121-131, 2020-02-20 (Released:2020-07-28)
参考文献数
51

入浴剤は,温泉,薬用植物の二つを主なルーツとし,基本的な効果は,入浴そのものによって得られる温浴効果(身体を温める,痛みを和らげる,等)と清浄効果(汚れを落とす,皮膚を清浄にする, 等)を高めることであり,この考え方を基本に,医薬品医療機器等法で効能効果が定められている.主な特長として,炭酸ガス系は血行促進効果,無機塩類系は保温効果,スキンケア系は皮膚の保湿作用,清涼系は爽快感 等が得られる.香りはリラックス感,リフレッシュ感をもたらし,疲労感をやわらげ,睡眠感にも良好にはたらくことが期待されている.本稿では,入浴剤,入浴に関連する近年のトピックス,先行研究も含めて報告する.
著者
渡邊 智也 楠見 孝
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.122-138, 2020 (Released:2021-03-15)
参考文献数
52

In this study, the effects of a theatrical activity on social abilities were examined. The participants (N = 40) were randomly assigned to an experimental or control group. While the experimental group read a playscript, planned a performance, and performed, the control group read a playscript and summarized the content of the story. All the participants completed three social ability measures, namely, Reading the Mind in the Eyes Test, Yoni Test, and Situational Test of Emotional Understanding as well as a questionnaire, namely, Interpersonal Reactivity Index on three occasions: pre, post, and followup measurement. Moreover, they completed the Narrative Transportation Scale immediately after the intervention, which assessed the psychological state of immersion into the narrative world. It was predicted that the extent of narrative transportation the participants experience would moderate the effect of theatrical activity. The results revealed that highly transported participants in the experimental group scored significantly higher than those in the control group on various scales including Reading the Mind in the Eyes Test, Yoni Test, and the Interpersonal Reactivity Index Empathic Concern scale. Furthermore, after the intervention, the extent of transportation predicted these social abilities in the experimental group.
著者
杉崎 幸子 渡邊 智子 村松 芳多子 内藤 準哉 土橋 昇
出版者
千葉県立衛生短期大学
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.17-21, 2001

衛生管理を施した太巻き寿司に衛生基準を下回る量ではあるが大腸菌群が検出されたことに着目し,その原因食品を把握するためその素材の付着菌数について検討した。1.一般細菌は各素材から検出され,海苔(平均1.9×10^3個/g),桜でんぶ(平均1.8×10^3個/g),野沢菜漬(平均6.4×10^2個/g),山ごぼう(平均1.1×10^2個/g),紅生姜(平均1.5×10^1個/g),卵焼き・寿司飯(平均1.0×10^0個/g)の順に多かった。2.大腸菌群は野沢菜漬の10試料中5試料から平均2.0×10^2個/g検出されたが,他の素材からは全く検出されなかった。3.販売形態別に付着細菌をみると,「量り売り」,「袋入り(工場詰め)」のいずれからも細菌が検出され,5.0×10^1個/g以上の一般細菌の検出率は,「量り売り」では90%,「袋入り(工場詰め)」では50%であった。以上のことから,使用に当たっては洗浄や加熱による細菌の付着抑制を行う等の対応が考えられる。
著者
村松 芳多子 鈴木 亜夕帆 寺嶋 芳江 土橋 昇 渡邊 智子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.725-732, 2004-09-15
被引用文献数
1

Although, mushrooms have low nutritional value and are not easily digested, it is desirable to include them in the diet since they are rich in dietary fiber and vitamin D. This study evaluates the awareness of dietary habit and nutritional value among students studying nutrition and their families, with the objective of increasing the consumption of mushrooms and improving healthful dietary habits. Sixty percent of both the students and their families reported that they liked mushrooms, the orders of preference being shiitake, bunashimeji, maitake, and winter mushrooms (enokitake). Seventy percent of the students and their families ate mushrooms at least once a week. Tempura cooking style was least preferred the students. Both the students and their families value freshness and price when buying mushrooms, and purchase mushrooms because of their good taste. They also perceive mushrooms as being expensive.
著者
久保 高明 安田 大典 渡邊 智 石澤 太市 綱川 光男 谷野 伸吾 飯山 準一
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.124-134, 2017-10-31 (Released:2017-12-21)
参考文献数
49

背景:頻回のバスタブ浴を行う日本の中高年者は,睡眠の質やメンタル面が良好であるとの諸家の報告がある.  目的:本研究の目的は,大学生の入浴スタイル(シャワー浴,バスタブ浴,無機塩類含有炭酸ガス入浴剤添加浴)の違いが,睡眠と気分・感情に及ぼす影響を検討することである.  対象と方法:普段シャワー浴のみの健常学生20名(平均年齢20.3±2.1歳)を対象とし,41℃の浴槽に肩まで浸漬し10分間入浴する群(BB)と,前述の浴槽に無機塩類含有炭酸ガス入浴剤常用量30gを添加し入浴する群(BBK)について,各々を2週間で実施するcrossover研究を行った.なおwashout期間を2週間とし,研究開始の1週間前からのアンケート調査を含めて,計7週間の研究を2015年10~12月に実施した.計測項目は睡眠に関するものはOSA睡眠感調査票MA版(OSA-MA)および1ch式ポータブル睡眠脳波計(EEG)で,OSA-MAは毎朝記載させ,EEGは毎就寝中に計測した.気分・感情に関するものは日本語版Profile of Mood States短縮版(POMS),うつ病自己評価尺度(SDS),やる気スコア(AS)で2週間ごとの計4回記載させた.  結果:睡眠について,OSA-MAの「起床時眠気」と「疲労回復」はシャワー浴に比べBBKで有意差を認めた.EEGについては有意差を認めなかった.気分・感情について,POMSのT得点は,シャワー浴に比べBBで活気(V)が有意に値が高かった.そしてシャワー浴に比べBBKで活気(V)が有意に値が高く,疲労(F)で有意に値が低かった.POMSのtotal mood disturbance (TMD)スコアは,シャワー浴に比べ,BBおよびBBKで有意に値が低かった.SDSスコアはシャワー浴に比べBBKで有意に値が低かった.ASはシャワー浴に比べBBおよびBBKで有意に値が低かった.  考察:睡眠については,BBKでは炭酸ガスによる血管拡張作用や無機塩類による浴後保温持続効果,そして香りや色調による疲労軽減・活力低下予防効果がOSA-MAの主観的評価に影響を及ぼしたと考えた.気分・感情については,睡眠脳波では有意な差を認めなかったため,睡眠とは独立した因子,すなわち温熱暴露習慣が気分や感情に関する中枢神経機能に影響を及ぼしたものと考えた.  結論:シャワー浴習慣からバスタブ浴習慣に行動変容することは,健常学生のメンタルヘルスを向上させる.
著者
石澤 太市 渡邊 智 谷野 伸吾 油田 正樹 宮本 謙一 尾島 俊之 早坂 信哉
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.227-237, 2012 (Released:2013-10-23)
参考文献数
30
被引用文献数
5

背景:入浴は、身体を清潔に保つための重要な行為であり、生活習慣の一つである。入浴に対する意識は、疲れを取る、リフレッシュ、健康のため、睡眠をよく取るため等であり、健康維持と捉えることができる。しかし、これまで家庭での入浴習慣と健康状態との関係はほとんど研究されていない。目的:本研究は家庭における日々の入浴と身体的・心理的健康状態との関係を明らかにすることを目的とした。方法:健康成人男女 198 名を対象として調査を行った。入浴習慣の調査項目は、被験者の性別・年齢、浴槽浴頻度、入浴剤使用頻度、浴槽浴時湯温、浴槽浴時間、浴槽浴時水位について調査した。健康状態の調査項目は、気分プロフィール検査である POMS(Profile of Mood States)を用い、主観的健康感および睡眠の質については VAS(Visual Analogue Scale)を用いて評価した。結果:浴槽浴頻度の高い群において、「緊張不安」および「抑うつ・落込み」が有意に低く、主観的健康感が有意に高かった。また、入浴剤使用頻度の高い群では、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。全身浴群においては、「疲労感」が有意に低く、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。結論:入浴習慣と身体・心理状況との関連が、健康成人男女を対象として行った研究により明らかになった。全身浴による浴槽浴頻度および入浴剤使用頻度が高い入浴習慣は、中壮年の身体的・心理的健康状態を高めたと考えられた。
著者
松本 万里 渡邊 智子 松本 信二 安井 明美
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.255-264, 2020 (Released:2020-12-26)
参考文献数
21

目的: 組成に基づく成分値を基礎とした食品のエネルギー値 (アミノ酸組成, 脂肪酸組成, 炭水化物組成などを用いたFAOが提唱する方法, 組成エネルギー値) と従来法によるエネルギー値の相違を明らかにすることを目的とした。方法: 日本食品標準成分表2015年版 (七訂) の収載食品を対象に可食部100 g当たりの組成エネルギー値を算出し, 既収載のエネルギー値 (既収載値) と比較した。さらに, 平成26年国民健康・栄養調査の食品別摂取量から, 組成エネルギー値および既収載値を用いてエネルギー摂取量を算出し, 両者を比較した。結果: 可食部100 g当たりの組成エネルギー値 (a) と既収載値 (b) との一致率 (a/b×100) は, 126±24% (藻類) から76±20% (野菜類) の範囲であった。一致率が100%未満の食品群は14群であり, 全食品の一致率は91±17%であった。一致率80‐100%の範囲に対象食品の68%が含まれ, 一致率60‐80%に対象食品の13%が, 一致率100‐120%に対象食品の12%が含まれていた。国民健康・栄養調査の食品別摂取量を基に, 組成エネルギー値を用いて算出した総エネルギー摂取量と, 既収載値を用いて算出した総エネルギー摂取量との一致率は, 92%であった。
著者
米田 英嗣 市村 賢士郎 西山 慧 西口 美穂 渡邊 智也
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

物語を読むことは、物語に記述された世界、登場人物が経験する出来事を疑似的に体験することであり、読者の脳の中で行われる現実世界のシミュレーションとも言える (米田, 2010; Mar & Oatley, 2008)。本研究では、小説を読むことによって社会的能力の向上がみられるかどうかを、教育介入前のプレテスト、介入直後のポストテスト、介入一ヵ月後のフォローアップテストを用いて検討した。小説読解トレーニングにおいて、ストレンジストーリー課題で心情理解の成績が向上したのに対し、アニメーション課題では、介入の効果が出なかったことから、近転移のみが見られることが明らかになった。社会的能力は、小説読解をトレーニングをしたときのみ向上することがわかった。本研究から、プレ・ポストデザインを用いた小説読解トレーニングによる社会的能力向上の長期的効果を明らかにした。
著者
米田 英嗣 市村 賢士郎 西山 慧 西口 美穂 渡邊 智也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3D2OS7b02, 2018 (Released:2018-07-30)

物語を読むことは、物語に記述された世界、登場人物が経験する出来事を疑似的に体験することであり、読者の脳の中で行われる現実世界のシミュレーションとも言える (米田, 2010; Mar & Oatley, 2008)。本研究では、小説を読むことによって社会的能力の向上がみられるかどうかを、教育介入前のプレテスト、介入直後のポストテスト、介入一ヵ月後のフォローアップテストを用いて検討した。小説読解トレーニングにおいて、ストレンジストーリー課題で心情理解の成績が向上したのに対し、アニメーション課題では、介入の効果が出なかったことから、近転移のみが見られることが明らかになった。社会的能力は、小説読解をトレーニングをしたときのみ向上することがわかった。本研究から、プレ・ポストデザインを用いた小説読解トレーニングによる社会的能力向上の長期的効果を明らかにした。
著者
吹田 浩 伊藤 淳志 西形 達明 西浦 忠輝 沢田 正昭 仲 政明 渡邊 智山 安室 喜弘
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

古代エジプトの遺跡で典型的な石造文化財であるマスタバ墓の保存状況、劣化の現状、エジプトの管理当局の保全対策をサッカラのイドゥートを事例にエジプト学、建築工学、地盤工学、保存科学、文化財修復技術の観点から、総合的に研究を行い、問題点を整理した。その際、3次元の精密な記録を作成し、情報リテラシーの観点から使いやすいデータベースの技術を開発した。エジプト革命(2011年1月末)後の政情不安のために、現地での調査ができずに、研究が遅れざるを得なかったが、代替のデータを使用するなど、可能な限り当初の目的達成をはかり、データベースの開発を達成した。今後は、各種のデータを入力し、活用していくことになる。
著者
杉崎 幸子 渡邊 智子 土橋 昇
出版者
千葉県立衛生短期大学
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.9-13, 2000

The Hutomakizusi is the local dishes, which is introduced in the Chiba prefecture. The characteristic is to express design in the cut end. Therefore, because there are many frequencies which touch with the hand in case of making, we thought of the adhesion of the microorganism. We made Hutomakizusi from the general treatment and the hygienic treatment in order to get knowledge of the adhesion of the microorganism to Hutomakizusi. As a result, the microorganism has decreased to 10% with the hygienic treatment. Both bacilli and coliform bacilli has been decreased with hygienic treatment. The coliform bacilli has been decrease especially. It has known that the hygienic treatment has been certainly decreased adhesion of the microorganism.
著者
鈴木 亜夕帆 渡邊 智子 渡邊 令子 中路 和子 満田 浩子 井上 小百合 山岡 近子 西牟田 守 宮崎 秀夫
出版者
THE JAPAN ASSOCIATION FOR THE INTEGRATED STUDY OF DIETARY HABITS
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.259-269, 2015

自立した生活をしている81歳の男女58名の3日間の食事秤量調査を行い,食生活の実態について検討した。1) 血液検査値,体位およびBMIは,それぞれ正常範囲内であった。2) 男女とも嗜好飲料類の摂取量が一番多く,次いで,穀類の摂取量であった。穀類摂取量の変動係数は,食品群の中一番低く,藻類および菓子類は,男女で摂取量の個人差の違いが異なる食品群であり,女性は男性に比べ,菓子類の摂取量が多く,そのばらつきも少なかった。3) エネルギー摂取量は,男性2,077kcal,女性1,761kcalで男女とも適正であった。エネルギー産生栄養素比率は,たんぱく質:男性15.4%,女性15.2%,脂質:男性23.9%,女性24.1%,炭水化物:男性56.6%,女性59.9%,アルコール:男性4.1%,女性0.7%であった。4) イコサトリエン酸およびアラキドン酸で男性が女性よりも有意に多く摂取していた。エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸の合計摂取量は,1.1g (男性1.2g,女性1.0g) であった。5) グルタミン酸,次いでアスパラギン酸が多く摂取されていた。6) ショ糖,次いでぶどう糖および果糖が多く摂取されていた。7) 日本人の食事摂取基準2010年版から対象者の個人別必要エネルギーを算出した値と,実摂取量とを比較すると,男女ともに1%以内の相違にすぎなかった。 これらのことから,自立して生活している高齢者のエネルギー摂取量および栄養素別エネルギー摂取比率は食事摂取基準の適正範囲内であったが,食品群別摂取量を見ると男女別に特徴があることがわかった。
著者
渡邊 智子 鈴木 亜夕帆 山下 光雄
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.121-128, 2011-09-30 (Released:2011-10-27)
参考文献数
22
被引用文献数
1 1

The materials to take in iodine properly from diets were created with the use of the Tables 2010. The study proved that a large amount of Iodine is taken in from soup stock made from tangle: iodine of 12,300μg in 150g of one intake of tangle as a guide. Algae as standard food in Japan contains iodine most specifically and animal food does it next to algae except for meat while vegetable food does little except for algae and processed food. Food experts can grasp and analyze the actual condition regarding amount of intake of iodine from food and diets with the tables 1 to 5 made in this study, as a result of which guidance and plan about diets can be carried out easily. These tables are expected to be utilized properly depending on the intended use.
著者
石澤 太市 渡邊 智 谷野 伸吾 油田 正樹 宮本 謙一 尾島 俊之 早坂 信哉
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.227-237, 2012-08-31
参考文献数
30

背景:入浴は、身体を清潔に保つための重要な行為であり、生活習慣の一つである。入浴に対する意識は、疲れを取る、リフレッシュ、健康のため、睡眠をよく取るため等であり、健康維持と捉えることができる。しかし、これまで家庭での入浴習慣と健康状態との関係はほとんど研究されていない。<br>目的:本研究は家庭における日々の入浴と身体的・心理的健康状態との関係を明らかにすることを目的とした。<br>方法:健康成人男女 198 名を対象として調査を行った。入浴習慣の調査項目は、被験者の性別・年齢、浴槽浴頻度、入浴剤使用頻度、浴槽浴時湯温、浴槽浴時間、浴槽浴時水位について調査した。健康状態の調査項目は、気分プロフィール検査である POMS(Profile of Mood States)を用い、主観的健康感および睡眠の質については VAS(Visual Analogue Scale)を用いて評価した。<br>結果:浴槽浴頻度の高い群において、「緊張不安」および「抑うつ・落込み」が有意に低く、主観的健康感が有意に高かった。また、入浴剤使用頻度の高い群では、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。全身浴群においては、「疲労感」が有意に低く、主観的健康感および睡眠の質が有意に高かった。<br>結論:入浴習慣と身体・心理状況との関連が、健康成人男女を対象として行った研究により明らかになった。全身浴による浴槽浴頻度および入浴剤使用頻度が高い入浴習慣は、中壮年の身体的・心理的健康状態を高めたと考えられた。
著者
渡邊 智子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.253-264, 2021-10-01 (Released:2021-11-24)
参考文献数
34

「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(以下,成分表2020)の利活用のために,成分表2020の特徴と活用方法,特にエネルギーについて解説した。成分表2020の特徴は①冊子版とHP版での公表 ②そう菜41食品の調理済み流通食品類への増加 ③エネルギーの算出方法が変更(エネルギー産生栄養素の変更とエネルギー換算係数の変更)されエネルギー値(以下,2020E)が確からしい値に変更 ④アミノ酸成分表,脂肪酸成分表,炭水化物成分表の充実 ⑤成分表2015追補(2016~2019)の検討結果を反映(ナイアシン当量の追加,新しい食物繊維成分分析法の追加,解説の充実,表頭の変更等)である。栄養計算は,2020Eとそれを計算したエネルギー産生成分を用い,炭水化物エネルギー比率は引き算により算出する方法が確からしい値に近似する。この値の算出のためには,成分表2020の編集が必要である。一方,栄養計算では,従来の2015Eとその計算に用いた成分で行う方法や,2020Eと2015Eの算出に用いた成分で行う方法もある。どの方法で行うかは目的に応じて決定し計算結果には,どの方法かを明記する。栄養計算を実摂取栄養量に合わせるために,レシピ重量から調理後の成分値が計算できるように,生 100 gの調理後重量当たりの成分値を計算し登録しておくと便利である。
著者
安井 健 松本 万里 渡邊 智子 安井 明美
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.171-180, 2021 (Released:2021-08-26)
参考文献数
7

日本食品標準成分表2020年版 (八訂) (以下, 2020年版) では, 日本食品標準成分表2015年版 (七訂) (以下, 2015年版) で利用していたエネルギーの計算方法を変更している。本講座では, 2020年版のエネルギー計算方法, 特に, 2020年版で利用している収載値の不確かさの程度によって, 利用可能炭水化物 (単糖当量) あるいは差引き法による利用可能炭水化物のいずれかを用いるかを決定する方法について解説する。次いで, 2020年版に収載している食品のエネルギー値について, 2015年版のエネルギー換算係数とエネルギー計算方法によるエネルギー値とを比較し, 食品群別, 2015年版でエネルギー計算に利用したエネルギー換算係数の由来別および2020年版でエネルギー計算に利用した主なエネルギー産生成分の成分項目の組み合わせ別のエネルギー値の違いを説明する。さらに国民健康・栄養調査の基礎データを用いて, 摂取エネルギーへのエネルギー値の変更の影響を見る。