著者
徳永 朋祥 浅井 和見 中田 智浩 谷口 真人 嶋田 純 三枝 博光
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.279-287, 2001-11-30
被引用文献数
2 3

沿岸海底下からの地下水採取技術の開発を行った.ここでは.潜水作業を行うことができるダイバーによって調査が可能な水深(約30から40m)程度までの領域において.海水との混合を防ぎ.かつ大量の地下水採取を可能にすることを目的とした.具体的には.海底下に長さ60cm程度の採水用針を刺し.複数の三方コックとプラスチックシリンジ.マイラーバッグを組み合わせることにより.1回の作業で1リットル以上(最大2リットル程度)の採水を行うことを可能にした.この手法を.黒部川扇状地沖合の淡水湧水地点において適用した.その結果.本手法では.海水との混合をすることなく淡水の地下水を採取することが可能であることを確認した.また.今回の採水では.採水地点(2個所)から各々約1リットルの地下水を採水することができた.採取された地下水の主成分組成および安定同位体の値は.今までに黒部川扇状地の陸域で報告されている値と調和的であった.
著者
徳永 朋祥 片山 浩之 知花 武佳 福士 謙介 多部田 茂 原口 強 浅井 和見 松岡 達郎 井上 誠 秋山 知宏 茂木 勝郎 端 昭彦 甲斐荘 秀生 LUN SAMBO 後藤 宏樹 本宮 佑規
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

カンボジア王国のシエムリアップ市、バッタンバン市周辺を対象とし、地下水環境並びに地表水環境、地表水と地下水の関連について検討を行った。シエムリアップ市では、地下水と表流水との交流が比較的活発であり、また、地下水の利用も相対的に容易である一方、バッタンバン市周辺においては、表流水と地下水との交流は活発ではなく、地下水利用も一部の地域を除いてそれほど容易でない状況が見られた。このような違いは、両都市の地質学・地理学的位置づけに依存していることが考えられた。また、トンレサップ湖の堆積物を用いた古環境解析や水中に存在するウイルスの定量化に関する検討も実施し、成果を得た。