著者
阿部 仁美 百名 伸之 中西 浩一 浜田 聡 屋冝 孟 屋良 朝太郎 上原 朋子 屋良 朝雄 玉城 昭彦 佐辺 直也 新垣 京子
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.168-172, 2020

<p>症例は生来健康な1歳男児.主訴は咳嗽,発熱,多呼吸.レントゲン所見から横隔膜ヘルニアが疑われ紹介となり,血液検査および画像検査にて感染を合併したCPAMと診断された.抗菌薬投与により症状は改善したが,その後症状が再燃したため肺部分切除術を施行した.病理検査で胸膜肺芽腫の診断に至り,切除断端は陰性であった.腫瘍細胞の遺伝子解析でDICER1遺伝子にホモ変異が検出されたが,生殖細胞変異は認めなかった.術後化学療法(IVADo療法)を施行し,終了後9か月時点で寛解生存中である.胸膜肺芽腫は稀な予後不良の悪性腫瘍であり,一部では様々な悪性疾患に関連するDICER1遺伝子変異を有する.本症例より嚢胞性肺病変の鑑別診断として,胸膜肺芽腫を念頭に置くべきである.また今後再発や遠隔転移の可能性も含め,長期的なフォローを要する.</p>
著者
酒井 昭嘉 若杉 友貴 浜田 聡 鈴木 敏行
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.354-359, 2016-05-25 (Released:2016-07-10)
参考文献数
3

臨床検査は診断効率をあげるうえで有用であり,医療を行っていくうえでは必要不可欠な存在である。しかし臨床検査室を取り巻く環境は厳しさを増しており,検査項目の包括化が進んでいる。このような状況の中,包括検査や同時併用による制限を考慮せず臨床検査が行われている。当院では電子カルテからの臨床検査オーダー時に同一日の複数回チェック,同時オーダー不可チェック,関連項目の上限チェックを行ってきた。今回,検査項目ごとの期間チェック機能を追加し,設定期間内であればワーニングを表示するシステムへ変更を行った。この機能の導入により過剰検査の抑制を行うことができた。