著者
山本 英弘 竹中 佳彦 海後 宗男 明石 純一 関 能徳 濱本 真輔 久保 慶明 柳 至 大倉 沙江
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近年、経済的・社会的不平等の拡大への政治的対応が求められている。しかし、政治への参加や政策による応答に格差があるとしたら、かえって不平等を助長するおそれがある。そこで本研究では、政治参加と政策応答という2つの点から政治的不平等の実態を捉え、さらに経済的・社会的不平等と関連付けながら政治的不平等の生成メカニズムを解明する。具体的には、1)大規模質問紙調査に基づく個人と団体の政治参加における不平等の把握、2)個人や団体の政策選好と実際の政策との照合による政策応答における不平等の把握、3)事例研究に基づく具体的な政策争点における参加と応答をつなぐプロセスの把握、という3つの調査研究に取り組む。
著者
海後 宗男
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.47-60, 2004

これまでの研究で、社会的デジタル・デバイドは、新しい情報通信技術へのアクセス能力(media access)の欠如によって形成されていることが検証されてきた。日本の場合、特にメンタルな接続能力の欠如(コンピュータ不安やコンピュータに対する興味の欠落によって生じる心的要因によるデジタル経験の欠如)とスキルの接続能力の欠如(教育環境やインターフェースの問題によって発生するデジタル・スキルの欠如)のふたつが、社会的デジタル・デバイドを構成する要因となっていると推測される。本研究では、2つの調査を行ってメンタルな接続能力とスキルの接続能力の欠如の実態を明らかにした。また本研究では、2つの調査結果を検証するなかで、日本のデジタル・デバイドの現状が本来の語義である「持つ者、持たざる者」に二分されるのみではなく、様々な要素が組合わさって、多層からなる階層が形成されていることに着目し、これを「デジタル階層」と呼ぶことにした。「デジタル階層」は日本の社会的デジタル・デバイドを捉えるために用いた構成概念ではあるが、社会的文化的背景や経済状況が異なる場合にも応用が可能で、各国のデジタル・デバイドの実態を捉えやすくし、系統的にデジタル享受を推進する方略を練る上で有効だと考えられる。
著者
海後 宗男 カイゴ ムネオ Muneo Kaigo
雑誌
国際基督教大学学報. I-A, 教育研究 = Educational Studies
巻号頁・発行日
vol.42, pp.191-227, 2000-03

本研究は、過去に行われたテレビ報道に関する諸研究において、テレビ報道活動から社会的現実構築、話題性や娯楽性の形成というそれぞれ異なる結果が受信側で起こることが指摘されているが、何故テレビ報道の受け手に、このように異なる結果が生起するのかという疑問からスタートした。テレビ報道に関する研究は数多くあり、様々な研究結果が発表されている。これまで報道番組の内容分析、あるいは効果分析が中心であった。しかし、内容分析は特定の報道の番組に限定され、効果分析もいろいろな効果が指摘されてはきたものの特定報道番組に限定されたものが多い。テレビ報道の発信要因と受信要因は相互に関連しているにも拘わらず、その発信要因と受信要因の相互関係により、異なる結果が起きる点についてはこれまでさほど注目されてこなかった。本研究では、全報道番組に基づいてテレビ報道の新しい研究視点を設定することを試み、発信時のテレビ報道のメディア・フレームと受信時の接触行動の志向がテレビ報道を研究する上で重要ではないかと考えた。