著者
井上 亮 糸原 良子 矢島 邦昭 海野 啓明
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.151-158, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
9
被引用文献数
4 7

4次元折り紙では,4次元空間において立体を折り面で折る.4次元空間とは,この3次元空間とそれに直交する第4軸により張られた空間である.4次元折り紙のCG画像は3次元スクリーンで描くのが合理的なので,本論では4次元CG画像を4次元ペインタアルゴリズムとステレオグラムを用いて生成する.最初に,4次元空間における立体の折りたたみについて説明する.この立体の表裏を定義すると,折り紙の山折りと谷折りが決まる.それら用いて「4次元のし」を折り,ステレオ画像を生成する.次に,正4面体を稜角2等分折りにより折りたたみ,それを利用して二重4面体から4次元鶴を折る.最後に,この4次元鶴が翼を開いたところのCGステレオ画像を数種類生成し,本手法の有効性を示す.
著者
海野 啓明 矢島 邦昭 佐藤 大輔
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.89(2001-CG-104), pp.77-82, 2001-09-13

普通の折り紙を3次元折り紙とすると,4次元折り紙は立体を4次元空間で折ることになる.4次元空間における物体のイメージを得るには,4次元折り紙を折り,その過程を表現することが良い.既に折られたものとして4次元熨斗や4次元鶴の基本形がある.本論では,4次元折り紙の幾何学の基本の「4面体の内心の定理」を4面体の折りたたみにより動画で説明する.4次元折り鶴は正8面体から,3次元折り鶴と同様の過程を経て折る.まず,正8面体から4次元鶴の基本形を折り,次に基本形から4次元折り鶴を折る.これらの過程を動画で表現することで4次元空間についてある程度のイメージを得ることができる.
著者
海野 啓明 Walle Loick
出版者
独立行政法人国立高等専門学校機構 仙台高等専門学校
雑誌
仙台高等専門学校広瀬キャンパス 教育研究紀要 (ISSN:24239364)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.1-6, 2014 (Released:2019-03-20)
参考文献数
7

Using a spherical model of an apple-peel fold-out, we derive a formula that, for a given cut width, describes the corresponding S-shaped spiral with Archimedes spirals on both ends. From numerical calculation of the formula when the cut width becomes finer, we obtain that, rescaling a sequence of spirals by making them a unit length, the shape of these spirals tends to a well-defined limits, called lituus. From intrinsic equation of an apple peel curve, we show that the curve consists of Euler spiral from around the equator of the sphere and Archimedes spirals around the ends.
著者
園田 潤 丹治 紀彦 海野 啓明 佐藤 源之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J102-C, no.5, pp.146-152, 2019-05-01

近年,フラクタル構造中の電磁波伝搬散乱解析が行われており,フラクタル構造は周期構造に比べ透過・共振特性がマルチバンドになり,Q値も大きくなることが理論的に明らかにされている.しかしながら,3次元構造は製作や測定が困難になる問題があった.そこで我々は,製作が比較的容易な一次元のフラクタルであるカントール構造に着目し,分割幅を変えることによる最小透過係数・最大共振係数やQ値の制御方法を提案している.本論文では,分割幅可変カントール構造を石膏ボードを用いた多層板構造により実現し,GHz帯マイクロ波実験で透過特性を測定しFDTD法による理論計算と比較することで,カントール構造の分割幅を可変することにより最小透過係数や最大共振係数及びQ値を制御できることを明らかにする.
著者
千葉 則茂 海野 啓明 和田 誓一 村岡 一信 CHIBA Norishige KAINO Keimei WADA Seiichi MURAOKA Kazunobu
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D-2 情報・システム (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.73, no.10, pp.p1742-1750, 1990-10
被引用文献数
8

泥のようなものを乾かしてできるひび割れは,粘着性の度合により乾いた地表面のひび割れからガラスのそれをも含むいろいろな形状を示す.もし,このようなひび割れ形状を生成できるような行動モデルが開発できれば理論的にもCGへの応用上も興味深い.本論文では,まずこれらの粘着性の違うひび割れ形状の特徴を解析し,ひび割れの行動モデルの構築のためのいくつかの仮定を示す.次に,これに基づいて粘着性の強さをパラメータとするひび割れの行動モデルを提案し,シミュレーション例によりその有効性を示す.更に,ひび割れの形状のコンピュータグラフィックスへの応用例,すなわちひび割れ形状による大理石模様や陶磁器のうわ薬のひび割れの表現例を示す.最後に,ひび割れの行動モデルを任意曲面上で動作できるように拡張するための今後の課題について言及する.
著者
小沢 一文 海野 啓明
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.24(1989-HPC-032), pp.1-8, 1990-03-17

多倍長浮動小数点数の高速な除算法を提案する。この計算法を用いると乗算と同じ速さで除算が実行できる。ここで提案するのは、O(n^2)(nは桁数)のアルゴリズムであり、我々が紙と鉛筆によって行なう方法(divide-and-correct法)を用いている。divide-and-correct法では、(単精度数)×(多倍長数)という演算がn回行なわれるが、ここではこの計算過程を省力化することによって高速化を達成している。時間計算量の解析を行なった結果、本アルゴリズムはニュートン法を用いる方法の3倍高速であることが判明した。また誤差解析の結果、本アルゴリズムの相対誤差はmachineεのオーダであることが判明した。