著者
園田 潤 渡邉 学 金澤 靖 米澤 千夏
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

東日本大震災のような大規模自然災害における行方不明者の工学的捜索手法を開発した。本研究では,上空からの航空機搭載レーダと地上での父中レーダにより広域の行方不明者捜索手法を提案し,実証実験として名取市閖上における東日本大震災の行方不明者捜索に適用した。この結果,数多くの物体を地中から検出し,本手法の有効性を明らかにした。
著者
園田 潤
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

落雷により生じる電磁界の伝搬を,高速かつ実際の地形や構造物を考慮した高精度モデルで解析するために,本研究では電磁界解析で広く使用されているFDTD法を拡張したWM-FDTD法の3次元かつCPUやGPUで並列計算するプログラムを開発した。実際に地形モデルだけではなく,ビルや住宅等の構造物をモデル化した実際の問題に近いモデルの解析として,仙台市のモデルを考え,山間部で生じた落雷による電磁界が都市部の都市構造で大きく変化することを解析で明らかにし,実際の問題により近い問題で雷放電電磁界を解析できることを示した。
著者
園田 潤 木本 智幸 金澤 靖 山本 佳士
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近年、地震や豪雨などの自然災害、また道路や橋梁など社会インフラ老朽化による被害が増加しており、内部の異常箇所を迅速・高精度に検出することが求められている。数百M~数GHz帯の電波を用いる電磁波レーダは、内部の物体の有無程度は検出できるが、材質・大きさ・形状などの高度な推定や可視化はできていなかった。本研究では、近年急速に発展している人工知能技術を用いて、レーダ画像から内部構造を逆推定し、空洞や亀裂のような異常箇所を3次元可視化する新しい電磁波レーダを開発する。本研究により、地中やコンクリート内部の3次元マップを作成でき、内部物体の材質や大きさとその位置を3次元的かつ高精度に把握可能となる。
著者
脇山 俊一郎 藤原 和彦 矢島 邦昭
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

エリア放送を地域情報発信基盤として活用する場合の2つの課題、現実的な視聴エリアの把握と、視聴者ニーズに沿った放送コンテンツ制作を低コストに実現する手法を提案し実装した。視聴エリアの把握は、既存のテレビ受信アンテナの方向を考慮した受信電波強度のシミュレーションを行い、それを可視化するツールを開発した。また公的機関等がWeb等で公開している二次利用可能な情報を取得し、それらを組み合わせることで住民が必要としている地域情報をタイムリーに自動生成して放送する地域情報発信基盤システムを開発した。
著者
山内 誠
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、平成24年度奨励研究「電気自転車とリヤカーを利用した災害時用支援ミニステーションの構築」(課題番号24918019)で開発した電動補助リヤカーの問題点を改良し、災害時の救援物資運搬や要救助者搬送に有効な改良型アシスト付電動補助リヤカーの再開発を行った。また、避難後の支援装備として人力発電とソーラー発電装置の開発を行い装備品としてシステムへの組み込みを行った。これらをセットとし、電源供給や照明設備等を兼ね揃えた電動補助リヤカーを母体とした、災害時用支援ミニステーションの再構築を実現させるため、以下の研究活動を行った。研究実施計画に沿って報告する。1. 災害時用の電動補助付リヤカーの改良、及び設計・製作駆動システムの検討を行い、マイコンにて駆動2輪の電流によるトルク制御を実現した。リヤカーの車体は、コンセプトを活かしつつ構造を見直し、軽量且つ強度のある構造とした。2. 人力による電気自転車用発電装置とソーラー発電装置の開発とミニステーションヘの組み込み避難後の照明・携帯電話充電等の電源確保は重要であることから、発電装置の開発を行った。電気自転車を利用した人力発電装置とソーラー発電装置の開発を行い、実用性を確認した。3. 発電装置の性能と発電効率の評価人力・ソーラー両発電装置の発電性能を評価し、発電性能と発電効率の改善を試みた。電源は100V, 24V, 12Vを利用でき、複数のUSBコンセントでの使用と、持ち運びも可能なものとした。4. 電動補助付リヤカーを母体とした発電装置を有する災害時のためのミニステーションの再構築電動補助付リヤカーの周辺設備に必要と考えられる電源・USBコンセント、防災用品、照明装置、及び発電装置等の組み込みを行い、災害時のための支援ミニステーションの再構築を行った。5. 実用性の評価と商品化の検討、研究取りまとめ電動補助リヤカーを母体とした災害時支援ミニステーションの完成度を確認。今後も更なる改良を行う。本研究の開発コンセプト・成果を各種研究発表会にて紹介し、防災・減災について啓蒙活動を行いたい。
著者
竹島 久志 金森 克浩
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、障害児・者を含めた多様な運動・知的特性を有する学習者が利用できる学習ソフトを増やすことを目的に、スキャン入力等のアクセシビリティ機能を容易に学習ソフトに組み込むための「アクセシビリティ機能ライブラリの開発」と、学習ソフトが備えるべき「アクセシビリティ適用指針の検討」を実施した。開発したアクセシビリティ機能ライブラリには、多様な入力方式および多様な視覚・聴覚フォーカスを備えることができた。本ライブラリをWebで公開すると共に、サンプル学習ソフトの制作、利用講習会を実施しその有用性が確認した。加えて、アクセシビリティ適用指針の案を提案した。
著者
山内 誠
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

本研究は、これまで研究者らのグループが行ってきた、簡易電気自転車開発、競技用簡易電気自動車開発の技術と研究成果を基に、アシスト付電動補助リヤカーを母体とした電源供給や照明設備等を兼ね揃えた災害時支援ミニステーションの構築実現を目的として、以下の研究活動を行った。研究実施計画に沿って報告する。1.災害時用の電動補助付リヤカーの設計・製作駆動システムの試作検討を行い、電流センサを用いたマイコンにての左右二輪トルク制御の駆動システムとダイレクトドライブを用意し、安定した駆動性能と信頼性を実現した。2.双方向型降圧チョッパ回路を利用した人力による電気自転車用発電回路の設計・製作当該回路の発電性能を評価し、発電効率の改善を試みた。データロガーを使用して、システムの完成度と改良点を確認した。3.自作発電システムと市販発電装置の性能比較と安全性の検討実用性と安全性を重視し、リヤカーに搭載する発電装置の比較・検討を行った。今回の製作したリヤカーには、市販の発電装置を搭載し、自作発電システムは引き続き改良と開発を行う。4.電動補助付リヤカーを母体とした発電装置を有した災害時のためのミニステーションの設計・製作リヤカーの駆動輪は荷台の下に配置し、車輪半径分のスペースは、防災用品等を収納可能な二段構造とした。駆動用回路・バッテリーの他、予備バッテリー、LED照明装置、ラジオ・ヘルメット等の防災グッツを収納。荷台サイズは要救助者搬送も考え、1000×2000mm。長イスに変形できる救助用担架も製作、平時は搭載する。5.実用性の評価と商品化の検討、研究取りまとめ駆動方法の検討、発電・蓄電装置の性能と問題点を確認した。設計・製作においては、被災経験から震災時に必要と考えられるコンセプトを最大限に取り入れたことから、やや重量超過の感が認められるも、実用性は十分である。今後は搭載したコンセプトを提示して、必要なものを選択し製作できる、震災用簡易リヤカーの設計・製作に向けて研究活動を行っていきたいと考えている。
著者
羽賀 浩一
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本装置は太陽光追尾可能なパラボラ反射板で太陽光を蒸発容器に集光し,蒸発容器内壁に霧状の微細水滴を噴霧して瞬時に蒸発させる高効率な単蒸留法を用いて淡水が得られる。使用した微細水滴は,スリットが形成された回転円盤への海水の導入により得られた。加熱した蒸発容器から黒体輻射による多大な熱輻射損失が発生するが,熱輻射損失を防ぐ選択吸収素材を導入し,淡水化効率40%を達成した。
著者
菅原 浩弥
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

【研究目的】本校で行っている社会人向け組込みシステム技術者研修では、基礎的な開発技術修得に加え、地域企業の新分野開拓のきっかけとなることを期待し、様々な研修課題を提案している。この新分野開拓のきっかけとなる研修課題のひとつとして、脳波によってコントロール可能な小型ロボット教材の開発を行った。【研究方法】1.脳波測定システムの特性調査脳波の測定にはEmotiv社のEmotiv EPOC SDK Education Editionを使用した。これは、脳波測定用のヘッドセットとソフトウェア開発キットのセットである。測定用アプリケーションの開発にはMicrosoft Visual C# 2010 Expressを使用した。数名に協力してもらい、平常状態、歯噛み状態、まばたき状態で、脳波にどのような変化があるか測定を行った。2.状態判別と通信プログラムの作成測定した脳波信号から、現在の状態(平常、歯噛み、まばたき)を判別する機能を測定用アプリケーションに追加した。状態の判別は、取得した脳波信号に対して128点FFTを行い、平常時と歯噛み時で大きくスペクトルが変化する周波数のスペクトルが、ある閾値を超えた場合に歯噛みを行ったと判断した。まばたきの検出も同様の方法で行った。小型ロボットとの通信にはZigBeeを用い、状態に応じたシリアル信号("1"など)を送信するようにした。3.小型ロボットのプログラミング小型ロボットには株式会社北斗電子のDONKEYを使用した。DONKEYはMPUとCPLDを搭載し、DCモータによる走行が可能となっている。DONKEYが信号"1"を受信した場合"前進または停止"、"2"を受信した場合"旋回または停止"を行うようにした。【研究成果】「状態の検出」、「制御信号の送信」、「制御信号を受信して動作」という基礎となる部分の開発が終了し、研修で自由課題のひとつとして本教材を紹介した。この時は課題として採用するグループは無かったが、多くの受講生に脳波を使った組込みシステムというものに興味を持ってもらうことが出来た。
著者
大泉 哲哉
出版者
仙台高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

本研究は、CO2削減のために電動車普及を図る準備として行っている。本研究での検討結果、ならびに研究成果を、H22年度研究計画の各項目ごとに以下に記す。(1)実試用システムの改修:昨年度設置した充電スタンドシステムは、当研究機関においてすら設置の賛否が紛糾し、設置した場所から撤去しなければならなくなった。したがって、研究計画を大幅に変更して、再設置場所の獲得のための検討と、実試用システムの合理化ならびに整備を研究として行なった。(2)需要調査、設置許可の可能性調査:この項目は、昨年に引き続き掲げた計画である。充電スタンドの趣旨には賛同してはもらえるが、太陽光パネル盗難の心配と、また実試用システムの外観の設置環境に対する違和感から、設置許可は得られなかった。今後、設置可能性を高めるためには、充電スタンドの高価な部品の存在が見えないこと、太陽光パネルが容易に取り外せそうにないような外観、また充電スタンド全体が環境に馴染むようなデザインである必要がある。(3)実試用システムの評価:この項目も昨年に引き続き掲げた計画である。充電スタンドの再設置が年度末になったため、年間データ収集は行なえなかった。しかし、短期間であるが、悪天候による発電量低下にあっても、充電回路への出力電圧変動が許容できる範囲にとどまることを実地試験によって確認できた。(4)研究とりまとめ、報告:研究成果を日本機械学会東北支部講演会、電気関係学会講演会ならびに計測自動制御学会講演会で発表した。なお、充電スタンドは、東日本大地震で停電が続くあいだ、地域の軽電源として、携帯電話の充電やポータブル家電の電源に24時間有効活用され、本充電スタンドのような設備が各地に設置されているべきであることを確認した。