著者
中野 聡子 奥野 純子 深作 貴子 堀田 和司 藪下 典子 根本 みゆき 田中 喜代次 柳 久子
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.511-518, 2015-10-20 (Released:2015-10-20)
参考文献数
36
被引用文献数
7

【目的】介護予防教室参加者の運動継続にかかわる要因を明らかにし,効果的に支援する方法を示すこと。【方法】介護予防教室に参加した65 歳以上の高齢者309 名を対象とし,基本属性,身体機能,社会参加,心理的要因の質問紙調査と,5 m 歩行等の身体機能を測定した。統計学的検討は運動状況別に3 群に分類し比較した。さらに運動継続の有無を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】運動状況による3 群間の比較では社会参加等で有意差が見られた。運動継続には運動の生活パターンへの組みこみ(OR: 10.04, 95% CI: 3.36–30.03),何回か休んでも再開する自信(以下,Re-SE)(OR: 2.36, 95% CI: 1.26–4.42)等が関連していた。【結論】介護予防教室参加者が運動を継続するためには,運動を生活パターンに組みこむような行動プランの提示と,Re-SE を高めることが重要であることが明らかとなった。
著者
金井 美惠子 安谷屋 倭子 深作 貴子 大迫 早苗
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2019年度大会(一社)日本調理科学
巻号頁・発行日
pp.160, 2019 (Released:2019-08-26)

【目的】乳製品,食肉加工食品,魚肉練り製品の安全を踏まえた品質管理法は既に確立されているが,真空調理の安全性についての科学的な報告は少ない。多分,真空調理を開発した当初のシェフの興味は,食品の味覚等にあったと推察される。真空調理食品は食中毒細菌であるボツリヌス菌やウエルシュ菌の増殖があると厳しい結果をもたらす可能性があるので,ウエルシュ菌等を用いて微生物学的な検討を行った。【方法】真空調理の適切な加熱温度を明らかにするために,次の検討を行った。第1:ウエルシュ菌を魚すり身に接種・混和し,種々の温度で湯煎加熱した。第2:生の鶏肉および加熱調理後の微生物汚染について検討した。第3:ホテルレストランで提供されている牛肉ステーキ,カキの真空調理食品,ついて実験し,残存菌をどのようにコントロールするかを考察した。【結果および考察】1)生活型ウエルシュ菌は一般的な真空調理温度である60℃の加熱で検出されなくなった。2)ウエルシュ菌芽胞は80℃,60分の加熱後も残存した。3)0℃のチルド冷蔵庫に7日間保存後の残存芽胞数の変化はなく,二次加熱による菌数変化もみられなかった。4)真空調理した鶏肉からは,大腸菌,大腸菌群,低温細菌は検出されなかった。5)食肉の焼き色と風味づけのための事前加熱は汚染菌を減らすのに効果的であった。6)ホテルレストランにおけるビーフステーキ,カキの調理食品および調理過程での実験成績も同様の傾向であった。7)低温真空調理食品はチルド保存をすることが望ましい。8)真空調理過程における香辛料の利用はウエルシュ菌など,芽胞形成菌の汚染をもたらすと考えられた。