著者
清水 諭
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.24-35,131, 2001-03-21 (Released:2011-05-30)
参考文献数
28
被引用文献数
4 1

本論文の目的は、この国のサポーターカルチャーズ研究に向けてのパースペクティヴを導き出すことである。まず、英国で行われてきたフーリガニズム研究について、レスター学派、テイラーの研究を批判的にレヴユーしている。そして、1990年代におけるフーリガンの変容をふまえたポピュラーカルチャーズ研究として、ジュリアノッティとレッドヘッドの研究を検討している。本論文では、これらの研究を基盤にしながらも、この国におけるサポーターの現実との往復運動によって研究を進めていくことが重要だと考える。浦和レッズサポーターへのフィールドワークによれば、表象とその記憶に加えて、「男らしさ」、「浦和の場所性」、そして「抵抗の契機」といった要素がそれぞれの歴史的堆積をふまえながら複雑に絡み合って、重層決定されていることがわかる。サポーターのさまざまなポピュラーカルチャーズの要素をふまえながら、その日常で瞬間瞬間にさまざまな要素が紡ぎ合わさって構成される現実を読み解くことが必要である。
著者
清水 諭
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011
著者
清水 諭
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、沖縄の歴史を踏まえ、沖縄に住まう人々が東京オリンピック(1964年)、国民体育大会(1973年・1987年)、そして高校野球を通して、どのように「沖縄人であること」や「日本国民であること」を構築し、生きてきたのかを描き出すことにある。スポーツの文化的事象は、複雑かつ多面的な意味作用を持っているが、本土(東京)における意味づけは沖縄の抱えている現実の諸問題を忘却させる作用があり、それと異なる沖縄固有の意味解釈について、今後もより深い探求が必要である。