著者
熱田 淳 渡邉 恵介 藤原 亜紀 篠原 こずえ 川口 昌彦 橋爪 圭司
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.529-533, 2016 (Released:2016-11-04)
参考文献数
5

脳脊髄液漏出症の診断において,CT myelography(CTM)の硬膜外造影剤貯留像は精度が高く有用であるが,漏出点を特定することはできない.今回,dynamic myelography(DM)を用いてCTMを行い,漏出点の検出を試みた.脳脊髄液漏出症疑いの4症例に対し,計5回のDMを用いたCTMを行った結果,5回のDMのうち3回では,造影剤がくも膜下腔から硬膜外腔に流出し始める部位を確認することができ,漏出点を特定しえた.他の2回では漏出点は特定できなかったが,漏出点の範囲を限定することが可能であった.脳脊髄液漏出症の漏出点検出にdynamic myelographyが有用である可能性がある.
著者
橋爪 圭司 渡邉 恵介 藤原 亜紀 佐々岡 紀之 古家 仁
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.141-149, 2011 (Released:2011-03-11)
参考文献数
12
被引用文献数
1

髄膜が破れて髄液が漏れると低髄液圧性頭痛が発症する.代表的なものに硬膜穿刺後頭痛がある.特発性低髄液圧性頭痛(特発性脳脊髄液減少症)は頚・胸椎からの特発性漏出が原因で,造影脳MRI,RI脳槽造影,CT脊髄造影などで診断される.自験ではCT脊髄造影での硬膜外貯留が最も確実であった.むちうち症が髄液漏出であるとの意見があり(外傷性脳脊髄液減少症),RI脳槽造影における腰椎集積が漏出と診断される.われわれはRI脳槽造影とCT脊髄造影を43症例で比較したが,腰椎集積はCT脊髄造影では正常神経根鞘であった.CT脊髄造影を診断根拠とした291症例では,1症例の外傷性脳脊髄液減少症も発見できなかった.
著者
橋爪 圭司 渡邉 恵介 藤原 亜紀 佐々岡 紀之 古家 仁
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 = The Journal of Japan Society for Clinical Anesthesia (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.141-149, 2011-01-14
参考文献数
12

  髄膜が破れて髄液が漏れると低髄液圧性頭痛が発症する.代表的なものに硬膜穿刺後頭痛がある.特発性低髄液圧性頭痛(特発性脳脊髄液減少症)は頚・胸椎からの特発性漏出が原因で,造影脳MRI,RI脳槽造影,CT脊髄造影などで診断される.自験ではCT脊髄造影での硬膜外貯留が最も確実であった.むちうち症が髄液漏出であるとの意見があり(外傷性脳脊髄液減少症),RI脳槽造影における腰椎集積が漏出と診断される.われわれはRI脳槽造影とCT脊髄造影を43症例で比較したが,腰椎集積はCT脊髄造影では正常神経根鞘であった.CT脊髄造影を診断根拠とした291症例では,1症例の外傷性脳脊髄液減少症も発見できなかった.
著者
木下 真佐子 橋爪 圭司 渡邉 恵介 林 浩伸 古家 仁
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.475-481, 2012 (Released:2012-11-16)
参考文献数
22
被引用文献数
1

【目的】髄液漏出の検出にRI脳槽造影やCT脊髄造影が用いられるが,両者の直接比較はない.国際頭痛分類基準を満たす特発性低髄液圧性頭痛18症例で両検査の所見を比較した.【方法】対象は男/女=8/10,平均年齢41.7歳,特に誘因なく典型的な起立性頭痛を発症し,造影脳MRIにて全周性硬膜増強を認め,硬膜外自家血パッチで治癒し,特発性低髄液圧性頭痛と診断された.RI脳槽造影は腰椎穿刺してインジウム111を投与し経時的にカウントし,CT脊髄造影はイオヘキソール10 mlを髄腔内注入し全脊椎CTを撮影した.【結果】RI脳槽造影で間接所見(早期膀胱集積,上行遅延)は全症例でみられたが,直接所見(傍脊椎集積)は12症例(検出率67%)であった.CT脊髄造影では,傍脊椎集積を認めなかった6症例を含め全症例で造影剤の硬膜外貯留を認め,その部位は主に頸・胸椎であった.RI脳槽造影は,腰・仙椎の正常神経根鞘を検出した場合があった.【結論】CT脊髄造影による硬膜外貯留の証明は,現に今,漏出している髄液瘻の存在を意味する.典型的な髄液漏出の診断には,RI脳槽造影よりもCT脊髄造影が鋭敏であった.
著者
森山 雄介 渡邉 恵介 新海 正晴 後藤 秀人 石ヶ坪 良明 金子 猛
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.755-759, 2013 (Released:2013-12-26)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

背景.Garcin症候群とは,主に頭蓋底部の腫瘍性疾患などにより,一側性多発性に脳神経が侵され,四肢麻痺及び頭蓋内圧亢進症状を認めないものとされている.Garcin症候群による症状を契機に発見された肺癌症例は2例のみ報告されているが,いずれも神経症状の改善は得られていない.症例.61歳の女性.嗄声,嚥下障害を主訴に当院を紹介受診した.左側IX~XIIの脳神経障害を認め,頭部CTにて左側後頭蓋窩に単発の腫瘤を認めた.また,胸部CTで右肺S2内側に腫瘤及び縦隔リンパ節腫大を認めた.頭蓋骨の腫瘍生検を施行し,肺小細胞癌,頭蓋骨転移及び片側性多発脳神経障害(Garcin症候群)の併発と診断した.カルボプラチン(carboplatin)+エトポシド(etoposide)にて化学療法を開始したところ,神経症状の改善及び腫瘍の縮小を得た.結論.片側性多発脳神経障害を認めた際,頭蓋底部の腫瘍性疾患を念頭に置く必要があると考えられた.また,肺癌の頭蓋底転移による腫瘍の縮小が認められると神経症状が改善する可能性が示唆された.