著者
渡井 有 渡邉 理江 深澤 基児 宇津木 忠仁 加納 宣康 杉山 彰英
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.758-764, 2003
被引用文献数
5

今回我々はロタウイルス腸炎罹患中に十二指腸潰瘍穿孔を合併した2幼児例を経験した.症例は1歳7ヵ月と2歳10ヵ月の男児で両例ともに腸炎罹患数日後,急激に消化管穿孔をきたし,緊急手術を施行された.1例では開腹術施行前に,全身麻酔下腹腔鏡検索を施行したが,球部後壁の穿孔であったため開腹術へ移行した.両症例ともに十二指腸潰瘍穿孔であり,大綱充填術と肝鎌状靭帯の被覆術を施行した.Helicobacter pylori抗体は陰性であった.術後経過は良好で,胃粘膜保護剤も中止したが発育成長に問題を認めていない.
著者
原 彰良 渡邉 理翔 古川 正紘 前田 太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.210-217, 2022-09-30 (Released:2022-09-30)
参考文献数
19

In previous studies, GVS has achieved vestibular sensory presentation by applying a penetrating current to the vestibular organs in the direction in which vestibular sensation is desired to be presented. However, currents in the head have taken only limited current pathways due to impedance gradients, and as a result, the direction of vestibular sensation presentation has been limited. In this paper, we propose a new method of presenting vestibular sensory based on current pathways, which is time-division multiplexing of multiple basis vectors. The method extends the direction of vestibular sensory presentation, which has been limited by current pathways. By using the method, simultaneous energization of multiple current sources and current pathways can be avoided, and it is expected that mutual interference between them can be avoided. In addition, we succeeded in separating anisotropy of body sway and of vestibular sensitivity to GVS, which have not been discussed in vestibular sensory presentation display with GVS.
著者
小林 義和 松尾 浩一郎 渡邉 理沙 藤井 航 金森 大輔 永田 千里 角 保徳 水谷 英樹
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.69-78, 2013-09-30 (Released:2013-10-18)
参考文献数
10
被引用文献数
3

近年,周術期口腔機能管理による全身合併症の予防効果が明らかになり,平成 24 年度から周術期口腔機能管理が保険診療報酬としても評価されるようになった。今回われわれは,周術期口腔機能管理(口腔管理)を行った患者における口腔内の特徴と,歯科的介入が肺炎予防に及ぼす影響を明らかにすることを目的に,当院で平成 24 年の 1 年間に口腔管理を行った患者 196 名について後方視的に調査した。原疾患への治療法や実施した歯科処置の内容について調査し,依頼の 82% を占めた上部消化管外科,心臓血管外科・循環器内科,耳鼻咽喉科,血液内科の上位 4 科においては,診療科によって口腔内状況や歯科治療に差があるか統計的に分析した。また,上部消化管外科から口腔管理依頼のあった 35 例(口腔管理群)を対象に,口腔管理を行っていない上部消化管外科手術症例(非口腔管理群)129 名と比較して,術後肺炎発症に差があるか検討した。歯科処置に関しては,どの診療科の患者に対しても歯周処置が多く実施されていた一方で,抜歯,義歯への対応は,耳鼻科,心臓血管外科・循環器内科の患者で有意に高かった。上部消化管手術後の肺炎発症率は,非口腔管理群では 7.8%(10/129 例)であったが,口腔管理群では 5.7%(2/35 例)と統計学的に有意に低かった(p=0.04)。 以上の結果より,周術期口腔機能管理の対象者では,何らかの歯科的介入が必要であり,また,依頼元の診療科ごとに口腔内の問題や対応に特徴が現れることが示唆された。さらに,周術期口腔機能管理が全身合併症の予防に効果的であることが改めて示唆された。