著者
杉山 純一 臼井 支朗
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.367-374, 1990-04-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

Acoustic impulse response of muskmelons was studied to evaluate their quality. First, linearity and the effects of supporting conditions on the acoustic signals were examined. Secondly we obtained acoustic signals at points which divide the equator of the sample into 24 equal parts. These signals were displayed in a three-dimensional diagram with axes of time, location and sound intensity, and in a two-dimensional map with a gradation of 257 colors. For a more complete visual comprehension, an animation display which shows time changes of the distribution of sound intensity was presented. As a result of these analyses, it became evident that the impulse waveform of acoustic signals induced by impact was transmitted along the surface of the equator with uniform velocity. This transmission velocity became lower as the muskmelon ripened. The lower transmission velocity in the time domain agreed with the lower peak frequency in the frequency domain, both theoretically and practically. Because the wave equation suggests that the transmission velocity depends on the tensile force of the sample, the nondestructive evaluation provides a more direct index of the quality of muskmelons.
著者
柴田 真理朗 杉山 純一 蔦 瑞樹 藤田 かおり 杉山 武裕 粉川 美踏 荒木 徹也 鍋谷 浩志 相良 泰行
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.296-303, 2010-07-15 (Released:2010-09-01)
参考文献数
10
被引用文献数
3 1

すだち(気泡構造)からパンの食感を推定するために,粘弾性と気泡計測パラメータを計測し,それらの関係の定量化を行った.(1) すだちの構造把握に十分な数の気泡を含む大きさを持ち,合わせて試料間にバラツキが確保されるようにサンプリングするために,試料サイズの最適値を決定した.気泡パラメータの変動および実際の計測の安定性を考慮した結果,試料サイズの最適値は1辺20mmの立方体とした.(2) クリープ試験により得られた時間-歪曲線に4要素フォークト粘弾性モデルを適用し,4つの粘弾性係数(瞬間弾性,遅延弾性,遅延粘性および永久粘性)を得た.一方,イメージスキャナにより撮像したデータに,画像処理を利用した既往の研究8) の気泡検出法を適用し,平均気泡面積,平均気泡周囲長,単位面積当たりの気泡数,および気泡面積割合の4つの気泡パラメータを算出した.粘弾性係数および気泡パラメータの変動係数は7.5~49.2%であり,パン試料断面の部位によって不均一であることが明らかになった.(3) 粘弾性係数および気泡パラメータに相関分析を適用した結果,瞬間弾性,遅延弾性および永久粘性と気泡面積割合(画像全体に占める気泡面積の割合)に有意な相関がみられた(r>0.6, p<0.05).本実験で用いた試料においては計測した咀嚼面の気泡面積割合が大きいほど,「かたく」感じられることが示唆された.また,既往の研究と異なる方向の画像解析においても食感を推測できる可能を示せた.
著者
北村 豊 杉山 純一 佐竹 隆顕
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.91-98, 2007 (Released:2007-10-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

Webベースで登録された農産物・加工食品の生産情報およびレシピ情報をインターネット接続したパソコン(ICタグ端末)に転送・閲覧できる情報開示システムを構築した.ICタグ端末は,ICタグを封入した農産物や加工食品,レシピカードを付設のリーダーにかざすことにより,ICタグの固有番号にリンクされる情報を画面上に表示する.ICタグ端末をつくばみらい市のモデル住宅の台所に設置して,500名弱の男女からその試用体験に関するアンケート調査を実施した.回答結果の解析により,情報開示システムの利用可能性や情報の有用性,ICタグ端末の設置場所およびその利用形態の考え方など,今後の改良および用途開発のための基礎資料が得られた.
著者
杉山 純一
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.1151-1162, 2006 (Released:2011-03-05)
著者
杉山 純一 蔦 瑞樹
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.457-465, 2013-09-15
参考文献数
16
被引用文献数
5

光の指紋の説明をする前に,まず既存の蛍光という現象を説明する。通常,蛍光とは,図1(左)に示すように,ある特定波長成分だけからなる光(励起光)を試料に照射し,それによって生じる様々な波長の光(蛍光スペクトル)のことを指す。日常では,蛍光灯の白色光は,蛍光管の内側から目に見えない短波長の光が蛍光管内側に塗られた蛍光体に照射され,白色光を生じる蛍光現象である。また,よく遊園地のお化け屋敷などの暗闇で,ブラックライトという,これも目に見えない光が白いYシャツにあたると,青白く光ってみえるのも,洗剤やシャツ等に含まれるリン(p)による蛍光現象である。そして,このような蛍光現象を利用して,さまざまな化学成分の判別・定量を行うのが蛍光分析法である。しかし,この場合は,刺激(特定の励起波長)が1種類,それに対する応答(蛍光スペクトル)が1本というひと組の刺激と応答の情報を解析することになる。しかしながら,情報は多ければ多いほど,その中に含まれる有用な情報が抽出できる可能性が高い。そこで,情報量を多くすることを考える。それには,刺激を複数にし(つまり,複数の励起波長を順次走査して照射),それに対する応答(蛍光スペクトル)も複数本,得られれば,図1(右)のような3次元の膨大な情報が得られる。この3次元データを上から見れば,等高線図のようなパターンが観察される。このパターンは,その試料特有の蛍光特性が全て表現されたものと考えられ,蛍光指紋(Fluorescence Fingerprint),または励起蛍光マトリクス(Excitation Emission Matrix)と呼ばれ,本稿が主題とする「光の指紋」である。
著者
蔦 瑞樹 杉山 純一 相良 泰行
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.73-80, 2011-03-15 (Released:2011-04-21)
参考文献数
25
被引用文献数
3

A NIR spectral imaging apparatus was developed to obtain information on spectrally discriminated images and the location of material to be measured. The apparatus consisted mainly of a CCD camera, a liquid crystal tunable filter and a spectral illuminator, which consisted of a xenon lump as well as a grating spectrometer. The sample surface image could be captured at any wavelength from 400nm to 1100nm. To investigate the performance of the apparatus, it was employed in the measurement of sugar content distribution at the surface of a fresh green melon cut in half and in the detection of foreign materials among blueberries. The absorbance at 676nm was found to be highly correlated with the sugar content in fresh green melons. Next, the intensity of each pixel of the images was converted into sugar content. By assigning the sugar content to a linear color scale, the sugar distribution of the melon was visualized. The plant organs could be detected by the second derivative absorbance image at 680nm, which is an absorption band of chlorophyll. The second derivative absorbances for blueberries and plant organs were determined in the image. The positions of pixels judged as plant organs in the detection image were in good agreement with the actual locations where plant organs had been placed. The apparatus demonstrated that plant organs contaminating the raw blueberry materials could be detected using the proposed methodologies.
著者
堀内 久弥 杉山 純一
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.242-249, 1999-04-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
11
被引用文献数
1

米飯粒間の粘着性と空隙との関係を検討するために,空隙の観察が容易な二次元粒状体モデルとして,硬い材質のポリエチレン(PE),および柔らかい材質のシリコンゴム(SR),フォームラバー(FR)各円柱集積体に対する2軸圧縮曲線と空隙量の変化を測定した.一定の側方荷重で支持した10×10cmの樹脂製の枠に,直径0.5および0.7cmの円柱を約350本を積み上げて上方から十分に遅い一定速度で圧縮した.同時に枠の後方からの光で円柱間の空隙を観察し,画像解析装置で経時的に空隙比を求めた.PEの最密充填集積体はV字形のずり割れ破壊面が表れた.ポリプロピレンストロー(PPS)で適宜,空隙を増した場合は,ストローが空隙を吸収しPE最密充填時の約2倍のひずみで破坏した.SRはPEの場合のような明確なV字形破坏は見られなかった.SRにストローを挿入した時にはPE+PPSの圧縮一変形曲線を拡大したような挙動が表れた.炊飯粒よりなお硬いと考えられるFRは集積体中央部が圧縮されて両側に空隙層が表れた.モール・クーロンの応力円の解析により供試材料の強度定数,摩擦角φと粘着性cを求めた.いずれの材料も集積体の間隙量が増えれば摩擦係数が低下することを示し,この論旨は米飯にも適用されると考えた.
著者
島川 悠太 杉山 純一 中嶋 和成 高木 順子 宇田 渉
出版者
Japanese Society of Agricultural Informatics
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.119-125, 2008
被引用文献数
2

SEICAカタログ番号を含んだ商品バーコード・SEICA商品バーコードで売上を管理するPOSシステム[POS支援システム]を利用して,直売所において農産物の生産情報を効率的に活用する仕組みを開発した.既存のPOS端末と情報開示端末に改良を加え,レジ打ちの際にバーコードで読み取ったSEICAカタログ番号をPOS端末から生産情報開示端末に転送することによってインターネットから最新の生産情報を取得して表示する機能を実現した.これにより,レジ打ちの際に,精算待ちをしている消費者に対して生産情報を発信できるようになった.また,商品バーコードと共に,情報開示用のQRコードを印字できる商品バーコードラベル印刷プログラムを開発し,商品バーコードラベルを通じても生産情報を容易に開示できるようにした.更に,価格マスタの変更を伴うSEICAバーコードラベルの印刷管理を安全かつ容易に行えるよう,商品バーコードラベル印刷プログラムに指紋認証技術を採用した.これらの仕組みにより,既存のPOSシステムでは実現できなかった効率的な生産情報開示と販売管理の両立が可能になった.<br>
著者
蔦 瑞樹 杉山 純一
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.285-292, 2015-03-20 (Released:2016-04-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

近年のセンサ技術とコンピュータの進展は,これまで不可能であったことを可能にする.古くから食品の品質を数値化する試みは数多くなされてきたが,「蛍光指紋」を用いることにより,従来は困難とされてきた品質を,迅速かつ簡易に計測することが可能になってきた.蛍光指紋はさまざまな励起・蛍光波長条件下で蛍光強度を計測して得られる等高線状のデータで,感度が高く情報量が多いという特徴をもつ.本稿では,まず蛍光指紋とその計測・解析方法を概説する.後半では,応用事例としてサトイモの産地判別,パン生地中のグルテンとデンプン分布の可視化などを紹介する.
著者
柴田 真理朗 杉山 純一 蔡 佳瓴 蔦 瑞樹 藤田 かおり 粉川 美踏 荒木 徹也
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.196-201, 2011-05-15 (Released:2011-06-30)
参考文献数
12
被引用文献数
6 3 6

糊化させた米のパンの品質への影響を評価するため,小麦粉パン,米粉パンに加え,糊化させた米粉を添加したパン(糊化米粉パン),お粥を加えたパン(お粥パン)を調製し,それぞれの形状,粘弾性係数,および気泡パラメータを計測した.(1) お粥パンが最も膨張し,糊化米粉パンも小麦粉と同等に膨張したことから,糊化処理した米の添加によってパンの膨張が促進されることが分かった.(2) 糊化させた米を添加したパンは,小麦粉,米粉パンより粘弾性が低い,つまり柔らかいことがわかった.(3) 4種類のパン試料の気泡構造は同一であったことから,粘弾性の差は気泡壁(固相)の違いに依るものと推察された.以上より,糊化処理をした米粉または米の配合が15%の場合,グルテンなどの品質改良剤や,特別な前処理なしで従来の小麦粉100%のパン,または米粉パンより膨張性が良く,柔らかい食感を持つパンを調製することが可能であることが確認された.