著者
伊藤 理絵 本多 薫 渡邊 洋一
出版者
山形大学人文学部
雑誌
山形大学人文学部研究年報 = Faculty of Literature & Social Sciences, Yamagata University annual research report
巻号頁・発行日
vol.8, pp.215-227, 2011-03-23

要旨:攻撃的ユーモアを笑うということを優越感から生まれる快の笑いとは異なる観点から検討した。攻撃的ユーモアを含む4 コマ漫画と非攻撃的ユーモアを含む4 コマ漫画をユーモア刺激とし, 大学生および大学院生142 名を対象に質問紙調査を行った。それぞれのユーモア刺激について, 対象者をユーモア高評価群とユーモア低評価群に分類し, 与えられたユーモア刺激を笑ったり, おもしろいと感じたりする場合の笑いについて比較検討した。その結果, 攻撃的ユーモアを笑うためには, 感覚的不適合とともに論理的不適合も必要である可能性が示唆された。日常生活におけるコミュニケーションの手段として笑いを重視していることがユーモア評価に影響していることも示された。
著者
阿子島 功 坂井 正人 渡邊 洋一 本多 薫 坂井 正人 渡邊 洋一 本多 薫 PAZOS Miguel OLAECHEA Mario
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

ペルー中南部海岸沙漠のナスカ台地とその周辺の地上絵は、B.C.1~A.D.8世紀頃のナスカ期の文化遺産であり、1994年に世界遺産に指定されたが、詳細な測量図が作成されているのは動植物図像が集中しているナスカ台地の一部のみであり、ナスカ台地全域にわたる地上絵の分布の全体像については必ずしも明らかではなかった。地上絵の成り立ちの解明や今後の保全計画の基礎となる資料を整備する目的で、高精度人工衛星画像解析や現地調査によって分布図作成を行い、自然地理学、考古学、認知心理学などの観点から考察した。ナスカ台地全域の地上絵の分布図が作成されたことにより、自然地形との関係や、地上絵が制作された文化的背景、また現在進行している地上絵の破壊状況などを明らかにすることができる。
著者
渡邊 洋一
出版者
歴研
雑誌
歴史研究 (ISSN:02875403)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.72-75, 2019-04
著者
渡邊洋一
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要(人文科学)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, 2002-02-15
著者
橋本 淳也 渡邊 洋一 宮谷 真人 中尾 敬
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.18, pp.127-134, 2019-03-31

Previous studies have reported that positive autobiographical memories are involuntarily retrieved on a daily basis and often accompany mood changes. Previous studies have used subjective report methods to measure the impact of involuntary retrieval on mood. However, subjective report methods are known to be easily distorted by social desirability and demand characteristics. To avoid this problem, we applied the measurement of implicit mood and examined the impact of involuntary positive memory on mood. Sixty-four participants participated in the experiment and 48 participants were included in the analyses. Participants carried out an easy task in which the retrieval cue was presented, to induce an involuntary positive memory. Participants were also asked to rate the mood of nonsense words in order to measure implicit mood before and after the task. The results demonstrated that the involuntary positive memory retrieval increased positive mood in participants who exhibited lower positive implicit mood before the involuntary memory retrieval. We experimentally demonstrated that involuntarily retrieved positive memories can improve implicit mood.
著者
北 潔 原田 繁春 三芳 秀人 渡邊 洋一 網野 比佐子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

我々は回虫などの寄生虫と宿主であるヒトのミトコンドリアを用いて酸素適応機構の解明を目的として研究を進めている。その結果、寄生虫ミトコンドリアにおいて多様な嫌気的呼吸鎖が機能している事が判って来たが、中でも回虫で見い出したNADH-フマル酸還元系は多くの寄生虫に存在し、宿主体内の環境で中心的な役割を果している事が明らかになった。この系は複合体I(NADH-ユビキノン還元酵素)、ロドキノンおよび複合体II(ロドキノール-フマル酸還元酵素:RQFR)の3成分から構成され、NADHから最終電子受容体であるフマル酸への電子伝達を触媒している。その生理的意義は嫌気的グルコース分解系の最終ステップとして、無酸素下でも複合体Iの共役部位を駆動する事によりATPを合成できる点にある。そこで本研究ではNADH-フマル酸還元系の分子構築とその生理機能の特徴を明らかにする目的で研究を行っている。本年度は回虫ミトコンドリアを用い、以下の結果を得た。1)複合体I(NADH-ユビキノン還元酵素)および複合体II(RQFR)の分子構築と電子伝達機能に関しては、複合体Iの精製を目的として可溶化条件とこれに続くカラムクロマトグラフィーの条件を検討し、最適な界面活性剤を見い出した。また複合体IIに関してはその結晶化を試み、再現性の良い結晶化条件を見い出した。この条件で得られた結晶は3Åを切る解像度を与え、その解析からFAD、〓-イオウクラスター、ヘムの補欠分子族の位置関係を決定する事ができた。これらの分子間の距離と配置はそれぞれロドキノールからフマル酸への複合体内での電子伝達を可能にするものであった。2)ロドキノンおよびユビキノンの生合成機構と生理的役割に関しては、水酸化を触媒するCLK-1について調べる目的で組み換えタンパク質を合成し、抗体を作成中である。3)生活環における呼吸酵素群の発現制御機構に関しては、ウサギを用いて感染後の第三期幼虫ミトコンドリアの呼吸鎖の変動を調べる系を確立した。