- 著者
 
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             野島 義照
             
             冲中 健
             
             瀬戸 裕直
             
             倉山 千春
             
             二階堂 稔
             
             高砂 裕之
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 日本緑化工学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.20, no.3, pp.168-176, 1995-01-31 
 
          
          
          
          - 被引用文献数
 
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             14
             
             
             12
             
             
          
        
 
        
        
        建築物の屋上を緑化することによる夏期の建築物および都市の温熱環境の改善効果を把握するために, 1993年夏に計測実験を行った。東京都内の9階建てビルの低層棟(5階建て)の屋上を対象として, カンツバキの植栽地, 舗装面, 机で日陰を作った舗装面の3箇所の温熱環境の違い, 植栽地の葉面からの蒸散速度等の測定を, 8月2日の曇天日と8月12日の晴天日に行った。その結果, 夏の強い日差しを受けた8月12日には, 日射を受ける舗装面では表面温度の上昇も建築物への熱流量も非常に大きく, それぞれの最大値が56.6℃, 507W/m^2に昇った。机で日射から遮蔽された舗装面では表面温度の上昇は相当緩和されて最高が32.6℃にしかならず, 建築物への熱流量は日中でおおむね50W/m^2程度であった。それに対して植栽地では, 植物による日射の遮蔽と葉からの蒸散による潜熱消費により, 地表面温度の上昇が大きく抑えられ, 14時前後に日陰舗装面よりも高くなった以外は日陰舗装面よりも相当低く, 建築物への熱流量も最高で33W/m^2とごくわずかであった。