著者
鈴木 仁 高橋 美佐子 瀬戸 隆子 長嶋 真知子 奥本 千代美 安田 一郎
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理 (ISSN:13499041)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.34-42, 2008 (Released:2008-09-12)
参考文献数
8

NMRを用いたラッシュ系薬物の確認方法を確立した。従来の方法では、確認できる薬物は標準品があるものに限定されること、また位置異性体を含む亜硝酸エステル各化合物マススペクトルに大差がないことから、より正確な確認方法が必要であった。そこで、ラッシュ系薬物を溶媒と混和してNMRを測定し、そのスペクトル値から亜硝酸エステルの同定及び確認する方法を開発した。また、標準品のない亜硝酸エステルは合成するとともに、NMR及びGC/MSより確認した。市販製品中から亜硝酸iso-プロピル、亜硝酸iso-ブチル、亜硝酸n-アミル、亜硝酸iso-アミル及び亜硝酸2-メチルブチルの存在を明らかにした。
著者
塩田 寛子 佐藤 かな子 長井 二三子 大久保 智子 瀬戸 隆子 浜野 朋子 上村 尚 加納 いつ
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.203-207, 2003-08-25 (Released:2009-01-21)
参考文献数
5
被引用文献数
7 10

アロエ属植物は,医薬品や民間薬のほか,食品にも用いられている.しかし,アロエ種および部位により,食品として使用することは,禁じられているため,食品の原料として使用されているアロエ種を判別する必要がある.そこで,生育時における外的要因の影響を受けない DNA を分析対象とした random amplified polymorphic DNA (RAPD) 法を種の判別方法として用いた.部位により食品利用が禁止されているAloe vera, A. ferox, A. africana および全葉を食品に利用することが許可されているA. arborescens の4種新鮮葉についての判別を試みた.5種類の10merプライマーを用いたPCRの結果を総合的に解析し,4種を判別できることが明らかになった.本法の加工食品における有用性について報告する.
著者
高野 伊知郎 瀬戸 隆子 安田 一郎 浜野 朋子 高橋 奈穂子 渡辺 四男也
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬学雑誌 (ISSN:00374377)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.70-73, 1993-03-20
被引用文献数
1

牛黄清心九は,鎮痛鎮静,抗けいれんの目的で用いられる中国製漢方製剤(中成薬)である.本剤は宋の「大平恵民和剤局方」を出典とし,29種の生薬末からなり,鉱物性生薬である「朱砂」及び「雄黄」を配合しているといわれる.「朱砂」及び「雄黄」は,いずれも水銀(Hg)及び砒素(As)の硫化物であるが,Hg及びAsの毒性は化学形によって大きく異なることが知られている.我が国では「朱砂」配合製剤は,水銀製剤とされ,現在製造されていない.また,Asについても薬剤としての使用は大半が中止されている.しかし,中国では「朱砂」及び「雄黄」配合製剤は各地で製造され,その使用量も少なくない.また,製剤によってはこれらの配合記載が無いものもあり,その配合量も一定ではない.そこで,中国各地で市販される本剤中のHg及びAsの含有量を明らかにし,その化学形について解析を行った.