著者
畑江 敬子 香西 みどり 古川 英 熊谷 美智世 伊藤 純子 十河 桜子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.250, 2003

【目的】近年、家庭用調理機器においては従来のガスコンロに代わり、電気の誘導加熱を利用した電磁調理器(IH)の普及が進んでいる。そこで本研究では、現状の調理内容に即したエネルギー使用データを収集し、ガスコンロとIHの違いを把握することを目的としている。【方法】 春夏秋冬それぞれ1日の朝食、昼食、夕食の献立を、女子栄養大出版部「栄養と料理」献立カレンダーより選定し、さらに一部をアンケート結果による人気メニューに置きかえることにより、季節、栄養、カロリー、調理方法、人気を考慮した現代版メニューを作成した。年代と調理経験の異なる3人の調理者により、作成メニューについてガスコンロ、IHそれぞれに対し同じ調理を行い、熱量および使用時間を測定した。実験では大きさを揃えた両調理器で適した鍋を用い、同一メニュー内では食材および量を統一した。【結果】IHの方が多くの一次エネルギーを消費した。四季別において冬メニューでは夏の2倍以上のエネルギーを消費し、調理別においては湯沸かし茹で、煮るでエネルギー消費量全体の6割以上を占め、これらはガスコンロ、IHで同じ傾向を示した。火力別の効率と使用割合から一次エネルギーでの総合効率を求めると、ガスコンロで50.0%、IHで27.7%となった。ランニングコストは四季別、調理別のどちらにおいても電気代の方がガス代に比べ高くなった。両調理器の10年間の使用を含めた製造から廃棄までの総エネルギー消費量は、IHではガスコンロの約1.3倍となった。
著者
畑江 敬子 香西 みどり 古川 英 熊谷 美智世 伊藤 純子 十河 桜子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.250, 2003 (Released:2004-05-25)

【目的】近年、家庭用調理機器においては従来のガスコンロに代わり、電気の誘導加熱を利用した電磁調理器(IH)の普及が進んでいる。そこで本研究では、現状の調理内容に即したエネルギー使用データを収集し、ガスコンロとIHの違いを把握することを目的としている。【方法】 春夏秋冬それぞれ1日の朝食、昼食、夕食の献立を、女子栄養大出版部「栄養と料理」献立カレンダーより選定し、さらに一部をアンケート結果による人気メニューに置きかえることにより、季節、栄養、カロリー、調理方法、人気を考慮した現代版メニューを作成した。年代と調理経験の異なる3人の調理者により、作成メニューについてガスコンロ、IHそれぞれに対し同じ調理を行い、熱量および使用時間を測定した。実験では大きさを揃えた両調理器で適した鍋を用い、同一メニュー内では食材および量を統一した。【結果】IHの方が多くの一次エネルギーを消費した。四季別において冬メニューでは夏の2倍以上のエネルギーを消費し、調理別においては湯沸かし茹で、煮るでエネルギー消費量全体の6割以上を占め、これらはガスコンロ、IHで同じ傾向を示した。火力別の効率と使用割合から一次エネルギーでの総合効率を求めると、ガスコンロで50.0%、IHで27.7%となった。ランニングコストは四季別、調理別のどちらにおいても電気代の方がガス代に比べ高くなった。両調理器の10年間の使用を含めた製造から廃棄までの総エネルギー消費量は、IHではガスコンロの約1.3倍となった。
著者
栗田 敬 熊谷 一郎 市原 美恵 小川 歩実 熊谷 美智世 永田 裕作 香西 みどり
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

Karinto is one of the typical traditional sweets, which is classified as a puffed confectionery. When we examine the cross section of karinto we can recognize amazing resemblance to the texture of vesiculated pyroclastic materials. This gives us an idea that the formation mechanism of karinto seems collateral to that of pumice and scoria in volcanic process and it would help deep understanding of magmatic vesiculation process. This is the starting point of our research on karinto.Here we report experimental investigation on the formation of karinto,cooking process. Particularly we focus on the sound generation during the cooking to characterize vesiculation process. The basic material of the starting dough is flour,baking soda,sugar and water. Baking soda and water determine volatility of the sample. Heating induces vaporization of water and thermal decomposition of baking soda, which result in volume-expansion and create a peculiar vesiculated texture. To see the control of this we tested following 4 sets of the composition;Sample A:flour 50g,baking soda 2g,sugar 10g,water 25gSample B:flour 50g,baking soda 0g,sugar 0g,water 25gSample C:flour 50g,baking soda 2g,sugar 0g,water 25gSample E:flour 50g,baking soda 0g,sugar 0g,water 30gSample A is based on the standard recipe of karinto. Sample C and E seem interesting to see the effect of volatile components.In the cooking experiment we put the dough of 50mm in length x 10mm in width x 6mm in thickness into hot oil at 180-170C. Soon after start of deep frying familiar cooking sound becomes audible. We recorded this and took movie by high speed camera to inspect size and location of bubbles which emanate from the dough. Common to all the composition the sound changes systematically; in the first several minutes continuous sound with flat spectrum to 25KHz emanates while after this high frequency component gradually decreases and prominent peaks in the spectrum appear in several hundreds Hz, which sound as "chant d'Oiseau". Associated with this transition size of bubbles which appear on the surface of dough changes from broad distribution to homogeneous. Also the vesiculation points become localized. All these observations are consistently interpreted that after 4-5minutes steady paths of the gas emission from the inside have been set up. The talented experienced patissier could discriminate the difference of the sound to inspect maturity.Only in the case of Sample E destructive explosions were observed at about 2 minutes from the start. During heating two competing processes are working inside the dough:solidification which proceeds from the outside and gas formation. Both are driven by higher temperature. When the solidification advances ahead hard shell is formed to impede escape of gas, which results in accumulation of high vapour pressure inside. This is the cause of the explosion. The standard recipe smartly avoids this route by arranging combination of the ingredients but in our experiments we seek the condition for explosion.In the presentation we report progressive evolution of the spectrum of cooking sound with textural evolution in relation with magmatic process.
著者
杉山 智美 斉藤 真理子 市川 智美 内山 けい子 熊谷 美智世 松葉佐 智子 工藤 裕子 小西 雅子 稲垣 順一 伊藤 隆 渋川 祥子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.155, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】近年、土鍋に対する関心が高まっている。その一方で、炊飯や冬期における鍋物のみといった限定的な活用をする消費者も少なくない。土鍋と一般的に使用されている金属鍋では材質や形状が異なり、土鍋独自の特性を有することが予測される。そこで、土鍋のさらなる活用を目的とし、煮物・蒸し物調理における土鍋の加熱調理特性について検討を行った。 【方法】市販されている一般的な土鍋と金属鍋を用い、加熱条件(火力および加熱時間)を同じとし、煮物・蒸し物調理における加熱過程および調理物の仕上がりの比較を行なった。加熱過程は、耐熱内視鏡カメラによる鍋内の煮汁等の観察、サーマルカメラによる遠赤外線量の測定および鍋内部・食材中心部の温度計測を行なった。調理物の仕上がりについては、テクスチャー(煮くずれ、硬さ)および味(調味液の浸透度合い、グルタミン酸量)を機器測定するとともに、官能評価を実施した。 【結果】加熱過程において、金属鍋では煮汁中に不規則に大きな泡が発生したが、土鍋では鍋表面の突起等が沸騰のきっかけとなる規則正しい細かい泡が観察された。加熱時の遠赤外線量は、土鍋のほうが多く、本体および蓋からの放出が見られた。食材の中心部温度は、土鍋では金属鍋に比べ温度上昇が遅く、酵素活性が高い温度帯をゆっくり通過した。金属鍋では消火直後から鍋内部温度が低下したが、土鍋では一定時間温度上昇が継続し高温を維持した。その後の温度低下も緩やかだった。調理物の仕上がりについては、土鍋では煮くずれが少なく、硬さは軟らかい傾向が見られた。また、調味液の浸透度合いが高く、グルタミン酸量も多かった。以上の結果から、煮物・蒸し物調理における土鍋の優位性が示唆された。
著者
石川 由花 市川 智美 内山 けい子 熊谷 美智世 工藤 裕子 小西 雅子 峯木 真知子 茂木 美智子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成23年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.81, 2011 (Released:2011-08-30)

【目的】近年、料理は食味、エネルギーともに軽いものが好まれる傾向にある。料理店格付けで高い評価を得ている天ぷら専門店の食味の軽さは、衣調製方法と加熱温度管理が主因であろうとの仮説で検討を行った。天ぷらの技術情報は、教育機関のテキスト、一般料理書、メディア情報を含め記述幅に大きな差はないが、衣調製方法や加熱温度管理の細部情報はない。本報告では、特に衣の配合、卵水の攪拌方法、衣付着方法、加熱温度について、熟練者(職人)と非熟練者(一般情報を得てきた人)を比較解析し、好ましい食味の天ぷらを再現性高く作ることができる調理技術情報としたい。 【方法】工程解析は、熟練者として「てんぷら近藤」店主 近藤文夫氏と、非熟練者3名の計4名から得た。材料、揚げ油、油量、鍋の材質と形状は熟練者の方法に統一した。調理工程及び所要時間、加熱中の油温度の変化、加熱開始から引き上げ後の揚げ種内部の温度変化を測定した。天ぷら試料のテクスチャー特性・重量変化率・衣試料の吸油量を測定、食味判定はプロファイル法により官能評価を行い、衣の性状は組織観察を行った。 【結果】熟練者の衣は(水+卵):薄力粉が容積比換算で(10+1):11の配合であった。卵水の卵の割合が低く、攪拌方法に特徴があり、また衣付着前に揚げ種に薄力粉をまぶした。熟練者は天ぷら試料投入による低下を加味して、油温をほぼ一定に保持する火力調節を行った。非熟練者は油温低下による火力調節の結果、油温の変動幅が大きかった。熟練者の加熱時間には、繰り越し余熱を計算にいれた終点決定がみられた。以上、熟練者の技術解析から、組織観察、官能評価も総合し、天ぷら技術の要点情報が示唆された。