著者
玉岡 晃
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.9, pp.2469-2475, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
55
著者
村田 雄哉 猪股 伸一 山口 哲人 渡辺 雅彦 玉岡 晃 田中 誠
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.50-53, 2015 (Released:2015-03-07)
参考文献数
8

患者は生来健康な26歳,女性.職業はキャビンアテンダント.勤務中に乗客の重い荷物を全身の力で頭上の棚に持ち上げ,その夜より強い頭痛と嘔気が生じた.頭痛や嘔気は立位や夕方に増強し,臥位で改善した.computed tomography(CT)脊髄造影で髄液漏出が認められ,脳脊髄液減少症と診断された.治療として硬膜外生理食塩液持続注入を行い,症状・activities of daily living(ADL)ともに改善がみられた.合併症が多いと考えられる硬膜外自家血注入を行わず,安全かつ効果的に治療することができた.また,非外傷性の脳脊髄液減少症は発症契機が不明なことが多いが,本症例では重い荷物を頭上に持ち上げるようなストレッチ運動が契機となった可能性が高いと考えられた.
著者
村田 雄哉 猪股 伸一 山口 哲人 渡辺 雅彦 玉岡 晃 田中 誠
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
pp.14-0020, (Released:2014-12-26)
参考文献数
8

患者は生来健康な26歳,女性.職業はキャビンアテンダント.勤務中に乗客の重い荷物を全身の力で頭上の棚に持ち上げ,その夜より強い頭痛と嘔気が生じた.頭痛や嘔気は立位や夕方に増強し,臥位で改善した.computed tomography(CT)脊髄造影で髄液漏出が認められ,脳脊髄液減少症と診断された.治療として硬膜外生理食塩液持続注入を行い,症状・activities of daily living(ADL)ともに改善がみられた.合併症が多いと考えられる硬膜外自家血注入を行わず,安全かつ効果的に治療することができた.また,非外傷性の脳脊髄液減少症は発症契機が不明なことが多いが,本症例では重い荷物を頭上に持ち上げるようなストレッチ運動が契機となった可能性が高いと考えられた.
著者
寺田 真 中馬越 清隆 玉岡 晃
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.1160-1166, 2015-06-10 (Released:2016-06-10)
参考文献数
10
被引用文献数
1

片麻痺,意識障害,痙攣を来たした17歳,男性.頭部MRI T2WIで両側前頭葉皮質,大脳基底核に多発する高信号域,脳血管造影で両側ACA近位部に分節性の血管狭窄がみられた.RCVSとの鑑別に苦慮したが,髄液異常があり,発症3カ月後でも血管狭窄が残存したことからPACNSと診断した.両側性,複数の血管支配域におよぶ若年性脳梗塞ではPACNSを鑑別に挙げ,髄液検査と脳血管造影を施行する必要がある.
著者
玉岡 晃
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.329, 2016-04-10

●神経内科の臨床に携わるすべての医師必読の書 2015年11月末に開催された第33回日本神経治療学会総会(会長:祖父江元・名古屋大学教授)において,「症例から学ぶ」というユニークなセッション(座長:鈴木正彦・東京慈恵会医科大学准教授)に参加した.「神経内科診療のピットフォール:誤診症例から学ぶ」という副題がついており,春日井市総合保健医療センターの平山幹生先生(以下,著者)が演者であった. 臨床医学のみならず基礎医学にも通じた該博な知識の持ち主でいらっしゃる著者が,どのような症例提示をされるか,興味津々であったが,予想に違わず,その内容は大変示唆に富む教育的なものであった.自ら経験された診断エラーや診断遅延の症例を紹介し,その要因を分析し,対策についても述べられた.講演の最後に紹介されたのが,この『見逃し症例から学ぶ神経症状の“診”極めかた』であり,講演で提示された症例も含めた,教訓に富む症例の集大成らしい,ということで,早速入手し,じっくりと味わうように通読した.
著者
玉岡 晃
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.252, 2016-03-01

2015(平成27)年11月末に開催された第33回日本神経治療学会総会(会長:祖父江元・名古屋大学教授)において,「症例から学ぶ」というユニークなセッション(座長:鈴木正彦・東京慈恵会医科大学准教授)に参加した。「神経内科診療のピットフォール:誤診症例から学ぶ」という副題がついており,春日井市総合保健医療センターの平山幹生先生(以下,著者)が演者であった。 臨床医学のみならず基礎医学にも通じた該博な知識の持ち主でいらっしゃる著者が,どのような症例提示をされるか,興味津々であったが,予想に違わず,その内容は大変示唆に富む教育的なものであった。自ら経験された診断エラーや診断遅延の症例を紹介し,その要因を分析し,対策についても述べられた。講演の最後に紹介されたのが,この『見逃し症例から学ぶ 神経症状の“診”極めかた』であり,講演で提示された症例も含めた,教訓に富む症例の集大成らしい,ということで,早速入手し,じっくりと味わうように通読した。
著者
辻 浩史 望月 昭英 保坂 愛 吉澤 利弘 玉岡 晃
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.328-332, 2008
被引用文献数
3

症例は62歳女性で意識障害のため入院した.入院後,意識はすみやかに改善したが,血液検査で炎症所見,髄液蛋白高値をみとめた.頭部MRI上,拡散強調画像,T<sub>2</sub>強調画像にて脳梗塞様高信号域が散在していた.抗生剤,抗ウィルス薬を投与したが炎症反応は改善せず退院した.退院後,亜急性に異常行動が出現し,しだいに活動性が低下したため,再入院した.炎症反応の増悪と,頭部MRIにて脳梗塞様高信号域の増大をみとめた.脳生検にて,intravascular lymphomatosis(IVL)と診断し,rituximab併用多剤化学療法にて寛解しえた.RituximabはIVL治療において重要な追加薬剤となる可能性がある.<br>
著者
野原 誠太郎 石井 亜紀子 上田 篤志 関 昇子 小國 英一 木野 弘善 石川 栄一 玉岡 晃
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.820-827, 2017-04-10 (Released:2018-04-10)
参考文献数
9

Alzheimer型認知症で加療されていた67歳,女性.痙攣,意識障害で入院し,頭部単純MRI上,大脳白質に広汎なT2WI高信号域および大脳皮質に多数の微小出血を認めた.脳生検にて,大脳皮質内の血管壁にアミロイドβ蛋白(Aβ)の沈着があり,脳アミロイドアンギオパチー関連炎症(cerebral amyloid angiopathy-related inflammation:CAA-I)と診断した.ステロイド加療により検査所見や臨床症状は改善した.本症はステロイドなどによる免疫療法が有効であり,治療可能な認知症の鑑別疾患として重要である.
著者
辻 浩史 望月 昭英 保坂 愛 吉澤 利弘 玉岡 晃
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.328-332, 2008 (Released:2008-05-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2 3

症例は62歳女性で意識障害のため入院した.入院後,意識はすみやかに改善したが,血液検査で炎症所見,髄液蛋白高値をみとめた.頭部MRI上,拡散強調画像,T2強調画像にて脳梗塞様高信号域が散在していた.抗生剤,抗ウィルス薬を投与したが炎症反応は改善せず退院した.退院後,亜急性に異常行動が出現し,しだいに活動性が低下したため,再入院した.炎症反応の増悪と,頭部MRIにて脳梗塞様高信号域の増大をみとめた.脳生検にて,intravascular lymphomatosis(IVL)と診断し,rituximab併用多剤化学療法にて寛解しえた.RituximabはIVL治療において重要な追加薬剤となる可能性がある.
著者
石井 一弘 玉岡 晃
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.5-18, 2015-01-01

2003年に茨城県神栖市で飲用井戸水の汚染が原因で発生したジフェニルアルシン酸(DPAA)中毒の10年間の経過を報告した。症状は小脳-脳幹症状と側頭葉-後頭葉症状であり,同脳部位に一致した脳血流や糖代謝の低下が数年にわたり認められた。DPAAは低毒性ではあるが,中枢神経から排泄されにくく,長期間中枢神経に影響を与えた。発癌促進因子や老化促進因子の可能性も示されており,今後の長期経過観察は重要である。