著者
関谷 直正 山下 正隆 田中 勝夫
出版者
日本茶業技術協会(農林省茶業試験場内)
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.66, pp.41-59, 1987
被引用文献数
4

年間の摘採回数,整枝時期および整枝強度が次年度収量に及ぼす影響を明らかにするため,やぶきた8年生園を用い,これらを組合せて処理を行い,以後5年間毎年同一処理を行って,これらの影響について検討を加えた。<BR>1.一番茶収量に及ぼす影響については,刈番を含めた合計収量では処理間にかなり大きな差異がみられたが,本茶収量では差異は比較的小さかった。<BR>2.摘採回数が収量に及ぼす影響については,一番茶本茶収量は,1cmの高さで整枝した場合は差異はみられないが,3cmの高さで整枝した場合は,三茶区は四茶区に比べてやや多い傾向がみられた。二,三番茶収量は,秋整枝を行った場合は摘採回数の影響はみられないが,春整枝を行った場合は,三茶区は四茶区に比べてわずかに多い傾向を示した。<BR>3.整枝時期が収量に及ぼす影響については,一番茶本茶収量は,春整枝区は秋整枝区に比べていずれの場合においても劣る傾向がみられたが,刈番を含めた収量で比べるとほぼ同等であった。二,三番茶収量は,春整枝区は秋整枝区に比べてわずかに多い傾向がみられた。<BR>4.整枝強度が収量に及ぼす影響については,一番茶本茶収量は,三番茶まで摘採を行い秋整枝を行った場合は中間整枝の3cm整枝区が最も多かったが,春整枝を行った場合は浅整枝ほど多かった。<BR>四番茶まで摘採を行った場合は1cm整枝区が3cm整枝区に比べて多かった。刈番を含めた収量で比べると,いずれの場合も浅整枝ほど多い傾向がみられた。二,三番茶収量については,いずれの場合も浅整枝ほど多い傾向がみられた。<BR>5.新芽数に及ぼす影響については,一番茶期においては摘採回数の多いほど多く,秋整枝は春整枝に比べて多く,整枝強度では,深整枝は浅整枝に比べて多い傾向がみられ,二番茶期においては,これらの差異は小さくなったが一番茶期とほぼ同傾向であった。三番茶期では,摘採回数および整枝時期による差異はなくなり,整枝強度では,一番茶期とは逆に深整枝区は最も少なくなる傾向がみられた。<BR>6.百芽重に及ぼす影響については,一番茶期においては摘採回数の多いほど軽く,秋整枝は春整枝に比べて軽く,深整枝は浅整枝に比べて軽い傾向がみられ,二番茶期もほぼ同傾向であったが,摘採回数については一定の傾向はみられなくなった。三番茶期では差異は小さくなり,整枝強度では,一番茶期とは逆に深整枝区は最も重くなる傾向がみられた。<BR>7.一番茶の摘採期に及ぼす影響については,処理間にかなりの早晩がみられ,摘採期の最も早い処理区と最もおそい処理区の間には6日~10日間の幅がみられた。<BR>8.一番茶期の摘採期の早晩に対しては,整枝強度の影響は大きく,秋整枝を行った場合は深整枝ほど早く,かつ処理間の早晩の幅は毎年3~4日とほぼ一定であったが,春整枝を行った場合は一定の傾向はみられず,また年次変動も大きかった。
著者
田中 勝久 児玉 真史 熊谷 香 藤本 尚仲
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.163-172, 2004-03-05
被引用文献数
10

筑後川河口域において濁度とクロロフィル蛍光の連続観測をノリ施業期の2002年9月から2003年4月初旬まで約半年間にわたって実施し,潮汐変動との関連を調査研究した。クロロフィル蛍光強度は高濁度の大潮干潮時に増大し,濁度と対応した大きな短期的増減を示した。しかし,濁度の低下する満潮時のデータで比較するとクロロフィル蛍光強度から推定される植物プランクトン現存量は,日射量が極端に低下した2002年12月後半および小潮時に塩分が低下した2003年2月を除くと,小潮時から中潮にかけて増大するが大潮時以降には安定または減少する傾向が認められた.小潮時には,表層塩分の低下(弱混合化・成層化)が進み,表層へ高栄養塩濃度の河川水が影響するとともに透明度の上昇による光条件の好転などにより表層での植物プランクトンの増殖が促進されたものと考えられる。一方,強混合となる大潮時は淫祀の巻き上がりにより透明度が低下し,植物プランクトンは光量不足や物理的分散作用(鉛直混合および沖合水との混合),さらに淫祀による凝集作用により現存量の増大が抑えられると考えられる。
著者
田中 勝
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

まちづくりの出発点は住民参加であり、学校や家庭、地域社会などのあらゆる場で適切なまちづくり教育が行われていく必要がある。本研究は、まちづくり教育の先進国である英国を日本のモデルに位置づけ、(1)都市・住宅事情史とその社会的背景、(2)小中学校におけるまちづくり教育の実践と評価の2点について日英比較を行った。研究成果を要約すると、以下の如くである。1.英国のまちづくり教育は自然環境保護に出発し、社会改善運動の歴史の中で都市環境教育をも含めた環境教育の一分野として確率した。特に産業革命後の急速な都市化に対する都市計画の中で、初等教育や社会教育におけるまちづくり教育の意義(プル-デンレポート、スケフィントンレポート)を常に確認していた点が日本とは決定的に異なる。2.英国独自の教育体系とカリキュラムの中でまちづくり教育に関する多様な提案や実験が行われている。レディング大学では環境教育の指導者育成と情報交換を行い、ロンドンのア-バンスタディセンターではコミュニティにおける都市環境教育の拠点として最新の情報提供や教材作成(ア-バントレイル)を行っている。アイアンブリッジに代表されるエコミュージアム手法を用いたまちづくり教育は、小中学生に都市の時間的な変容と空間体験をしてもらう意味で極めて有効であり、わが国でも既存の凍結的博物館施設をエコミュージアムとして再生していくことが望まれる。3.英国に比べて日本の都市・住宅事情は戦後にドラステックな変貌を遂げ、その多様な内容が教育現場で適切に把握されていない状況にある。まちづくり教育は環境教育の中では全く新しい概念であり、現実の都市計画と連動していない点にも問題がある。4.豊田市のまちづくり副読本を作成するために市内小中学校の校歌を収集し、その中から市民の環境イメージとしての都市景観要素(猿投山や矢作川、逢妻川)を抽出した。
著者
中谷 利雄 脇田 崇弘 大田 陸夫 田中 勝久 若杉 隆
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.111, no.1290, pp.137-141, 2003-02-01
被引用文献数
8

Powders in the CeO_2-ZrO_2-MO_x system were prepared by coprecipitation method. Influence of adding a third components MO_x of transition metal oxides and rare earth metal oxides on the specific surface area (SA) and oxygen storage capacity (OSC) were investigated. It was found that transition metal oxides decrease drastically both SA and OSC values at 1000℃. On the other hand, rare earth metal oxides slightly decreased OSC values. The OSC values of the 20CeO_2- (80-y) ZrO_2-yMO_x powders with y=0-20 mol% LaO_1.5, showed a maximum at around 6 mol% LaO_1.5. In the CeO_2-ZrO_2-MO_x system, 20CeO_2・74ZrO_2・6LaO_1.5 (mol%) powders exhibited the most efficient performance with a high thermal stability up to 1000℃.