著者
秋永 孝義 山城 嵩陛 田中 宗浩
出版者
日本食品保蔵科学会
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.199-206, 2013 (Released:2014-03-06)

近赤外およびFTIR分光分析法を用いて,沖縄県産泡盛の基本成分の非破壊品質評価モデルの開発を検討した。また,中赤外分光法を用いて泡盛の産地分級の可能性を調べた。泡盛の物性と化学成分測定の結果から,密度と粘度の供試材料間の差は確認されなかった。フーゼル油量,アルデヒド量,メチルアルコール量は微量しか検出されなかった。しかし,酸度は八重山地区の請福,宮之鶴,泡波が他の地区の試料より高かった。請福,宮之鶴,泡波を除いた試料では,酸度とpHの間にr=-0.82の相関が得られた。酸度とアルデヒド量の間にはr=0.52の相関が得られた。フーゼル油量,メチルアルコール量は北部から南部,離島の順に高い値を検出した。近赤外吸光度スペクトルを用いた各成分のPLS回帰分析の結果,すべての項目においてR=0.95以上の測定精度となった。FTIRの結果,フーゼル油量,アルデヒド量,メチルアルコール量,酸度,pHは,それぞれR=0.91,0.74,0.78,0.98,0.80の精度で予測可能であった。また,近赤外吸光度スペクトルを用いたクラスター分析により,泡盛の生産地域が分類可能であることが確認された。
著者
矢部 光保 荘林 幹太郎 田中 宗浩 西澤 栄一郎 林 岳 高橋 義文 陳 廷貴 黄 波 田村 啓二 辻林 英高
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

中国では畜産廃棄物が深刻な水質汚染をもたらしている。そこで、中国江蘇省にある出荷頭数 2.8 万頭の養豚場と近隣農家を対象に、ふん尿由来のメタン発酵消化液を液肥利用する試験を行い、その環境的・経済的効果を評価した。3 年間で液肥利用農地面積は、ゼロから 40ha に拡大し、農家は肥料代を大きく節減できた。また、消化液の投棄が防止され、有機性廃棄物循環、水質環境の改善、温室効果ガス削減に、液肥利用は貢献できることが実証された