著者
田中 法博 禹 在勇 住田 融 更科 友啓 平野 真菜実
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.182, 2008 (Released:2008-06-16)

本稿では,日本刀表面の表面粗さや反射モデルパラメータなどの反射特性を精密に推定するための手法を提案する.日本刀表面の反射特性を推定するために,日本刀表面の光反射を計測するシステムを開発する.このシステムは,光源システム,回転アーム,カメラシステムから構成されている.日本刀表面の反射特性を知ることは,反射光分布と反射モデルとのフィッティング問題に帰着する.つまり,反射光の計測データから光反射モデルの未知パラメータを推定することにより日本刀の反射特性を定量化する.
著者
田中 法博 望月 宏祐 禹 在勇
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.311-321, 2010 (Released:2016-11-30)
参考文献数
20
被引用文献数
2

The present paper proposes a real-time rendering method based on object surface properties and multi-spectral reflection model. An RGB image is device-dependent and valid for only the fixed conditions of illumination and viewing. On the other hand, spectral reflectance information of an object surface is more useful than RGB information because we can create realistic images of the object under arbitrary illumination and viewing conditions. Firstly, we develop a 3D reflection model based on Nayer model, Torrance-Sparrow model, Fresnel model and multi-spectral information for precise description of object surface reflectance. Secondly, we develop a rendering algorithm of the object under ambient light source distribution. And also, we implement the reflection model to Graphics Processing Unit(GPU) for improving rendering performance. Finally, we render some objects by using multi-spectral reflection model. The overall feasibility of our method is confirmed based on computer graphics images created by using the estimated parameters.
著者
松田 宗 田中 法博 市川 拓磨 望月 宏祐 室屋 泰三 北村 仁美
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2014-CG-155, no.1, pp.1-7, 2014-06-21

分光的な光反射モデルに基づいた工芸作品の CG 再現手法を提案する.本研究では東京国立近代美術館に所蔵されている 「十二の鷹」 を対象とした.この工芸作品は明治期に鈴木長吉によって制作された金工作品である.最初に 「十二の鷹」 の一つの頭部をレーザレンジファインダで形状計測する.このとき欠損部分は複数のレンジ画像から合成して補完する.2 番目に金工作品の各材質をレンダリングするために分光的な光反射モデルを構築する.このモデルは金属,合金,不均質誘電体の反射を記述することができる.本稿では,合金として朧銀の反射特性をこのモデルで記述した.3 番目に RGB カメラ出力から分光反射率を推定するアルゴリズムを提案する.そして,工芸作品の材質はこの分光反射率に基づいて判別される.最後に推定した材質の情報で工芸作品の CG を生成した.
著者
田中 法博
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.347-353, 2009
参考文献数
2
被引用文献数
1

本稿ではデジタルカメラによって撮影された物体や景色などの画像の色を解析したり、その画像を視覚刺激として用いたりする場合の撮影・画像加工技術について述べる。撮影において対象の色を極力忠実に再現するためのカメラ設定の留意点といった「入力」の問題から、撮影後のデジタル画像におけるカラー補正や画像再現手法など「編集」作業について基礎的なスキルについて解説する。ここではデジタル画像の獲得手段としてデジタルカメラを主に取り上げる。その上で、そこから得られたデジタル画像を色彩実験にどのように応用するのかを一つの視点から取り上げる。
著者
田中 法博 梶本 めぐみ 富永 昌治
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.92-101, 2001-06-01
被引用文献数
8

本論文では、自然環境下における光源の全方位分布をカラーカメラがら推定する方法を提案する。全方位計測系として、鏡面の金属球を用いて、それに写りこんだ画像を解析することにより光源の方向と輝度を求める。鏡面球の使用は、いくつかの全方位計測方式の中では一度に計測できる視野範囲が最も広いという利点がある。鏡面球のほぼ全周囲360度の範囲に存在する光源の空間分布を知ることが可能である。光源推定のおおよその原理は以下のようである。光源からのビームが太陽光のように平行と仮定すると、カメラから鏡面球への視線方向ベクトルが球表面で正反射する方向がわかれば、球への入射光ビームの色度、輝度、方向を推定できる。これを画像として観測できる球面全体について調べれば、全方位の光源分布がわかる。光源の空間分布を表示する画像として、我々は2種類の画像を求める。まず、球中心から全周囲を観測した画像で、光源の空間分布は球中心を原点とする極座標系として求める。次に、人間が見る写真と同様な画像として、画像の射影方式を平行投影法で変換する。最後に、自然環境下で実験を行い、提案手法の妥当性を示す。