著者
田中 由紀 高槻 成紀 高柳 敦
出版者
京都大学大学院農学研究科附属演習林
雑誌
森林研究 = Forest research, Kyoto (ISSN:13444174)
巻号頁・発行日
no.77, pp.13-23, 2008-12 (Released:2011-03-05)

ニホンジカ(Cervus nippon)の採食による植生変化が近年目立つようになった京都大学芦生研究林において、2002年から2003年にかけて、ニホンジカの採食とササ群落の衰退の関係を調査した。糞分析を行い、ニホンジカの餌資源としてのササの重要性を調べた。また、シカによる葉の被食、稈の枯死の程度を調べ、地形条件との関係を調べた。さらに、積雪期に踏査を行い、ササの衰退と積雪分布の関係を調べた。シカの糞内容物に占めるササの割合は年間を通じて20〜50%であり、特に冬期に高かった(54.12±16.73%)。ササの葉の被食と稈の枯死は、緩傾斜、高標高、尾根部において多かった。また、積雪が少なく融雪が早い地点でササ群落の衰退が進み、積雪が多く融雪の遅い地点で衰退の程度が小さい傾向が見られた。以上より、シカの採食によるササ群落の衰退地の分布は地形条件と積雪分布に強く影響を受けることが示唆された。その背景には、シカが緩傾斜の尾根部のような採食行動をとりやすい地形条件を選択してササ群落を採食すること、特にシカにとってササが重要である積雪期には、積雪の少ない地点を集中的に採食することが考えられた。
著者
深川 美帆 ブシマキナ アナスタシア 田中 由紀子 河内 由紀子 Fukagawa Miho Anastasia Bushimakina Tanaka Yukiko Kawachi Yukiko
出版者
金沢大学留学生センター
雑誌
金沢大学留学生センター紀要 (ISSN:13496255)
巻号頁・発行日
no.20, pp.21-38, 2017-03

漢字・語彙クラスの学習内容に準拠した漢字eラーニング教材を開発した。この教材は本学のLMS (moodle)上で利用でき,初級から中級までに学ぶ漠字(総漢字数1041字)について,漢字の読み方,意味・用法を解説したリストと,漢字語彙の練習 ができるクイズから成る。漢字 ・語彙クラスを履修している学生が利用するコースの他,自習用コ ースにも同じ教材が配置されている。利用した学生への調査結果から,どのクラスにおいても学生が教材をよく利用しており,ほとんどの学習者から「役に立つ」という回答があったことから,この教材の有用性が確認できた。 一方,教材ヘのアクセスの簡略化や,より漠字学習への興味 ・ 意欲を喚起する教材を求める声も学生から寄せられた。 今後はこれらの結果をもとに,さらに教材開発を続けていくつもりである。
著者
田中 善正 田中 由紀子
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.13, no.7, pp.623-627, 1964-07-05 (Released:2009-06-30)

陽イオン分析表の簡易化を目的として,新しい系統的分析法を考案した.すなわち,陽イオンを少数の分類試薬によって5個のグループに分類し,各グループ内のイオンはさらに細分することなしに,すべて試験紙を用いた各個反応によって検出した.試験紙は安定で長期間保存しても鋭敏度の低下しないものを用い,また試験紙が特異的に働く条件を工夫して検出反応に用いた.また検出反応の鋭敏度および試験紙の保存性を調べた.本分析法によれば,従来の系統分析表に比べて分析が非常に簡易化され,分析所要時間も短く,反応の鋭敏度も向上し,実用分析に用いてすぐれていることがわかった.
著者
田中 由紀 高槻 成紀 高柳 敦
出版者
京都大学大学院農学研究科附属演習林
雑誌
森林研究 (ISSN:13444174)
巻号頁・発行日
no.77, pp.13-23, 2008-12
被引用文献数
9

ニホンジカ(Cervus nippon)の採食による植生変化が近年目立つようになった京都大学芦生研究林において、2002年から2003年にかけて、ニホンジカの採食とササ群落の衰退の関係を調査した。糞分析を行い、ニホンジカの餌資源としてのササの重要性を調べた。また、シカによる葉の被食、稈の枯死の程度を調べ、地形条件との関係を調べた。さらに、積雪期に踏査を行い、ササの衰退と積雪分布の関係を調べた。シカの糞内容物に占めるササの割合は年間を通じて20〜50%であり、特に冬期に高かった(54.12±16.73%)。ササの葉の被食と稈の枯死は、緩傾斜、高標高、尾根部において多かった。また、積雪が少なく融雪が早い地点でササ群落の衰退が進み、積雪が多く融雪の遅い地点で衰退の程度が小さい傾向が見られた。以上より、シカの採食によるササ群落の衰退地の分布は地形条件と積雪分布に強く影響を受けることが示唆された。その背景には、シカが緩傾斜の尾根部のような採食行動をとりやすい地形条件を選択してササ群落を採食すること、特にシカにとってササが重要である積雪期には、積雪の少ない地点を集中的に採食することが考えられた。
著者
田中 由紀 高槻 成紀 高柳 敦
出版者
京都大学大学院農学研究科附属演習林
雑誌
森林研究 (ISSN:13444174)
巻号頁・発行日
no.77, pp.13-23, 2008-12
被引用文献数
9

ニホンジカ(Cervus nippon)の採食による植生変化が近年目立つようになった京都大学芦生研究林において、2002年から2003年にかけて、ニホンジカの採食とササ群落の衰退の関係を調査した。糞分析を行い、ニホンジカの餌資源としてのササの重要性を調べた。また、シカによる葉の被食、稈の枯死の程度を調べ、地形条件との関係を調べた。さらに、積雪期に踏査を行い、ササの衰退と積雪分布の関係を調べた。シカの糞内容物に占めるササの割合は年間を通じて20〜50%であり、特に冬期に高かった(54.12±16.73%)。ササの葉の被食と稈の枯死は、緩傾斜、高標高、尾根部において多かった。また、積雪が少なく融雪が早い地点でササ群落の衰退が進み、積雪が多く融雪の遅い地点で衰退の程度が小さい傾向が見られた。以上より、シカの採食によるササ群落の衰退地の分布は地形条件と積雪分布に強く影響を受けることが示唆された。その背景には、シカが緩傾斜の尾根部のような採食行動をとりやすい地形条件を選択してササ群落を採食すること、特にシカにとってササが重要である積雪期には、積雪の少ない地点を集中的に採食することが考えられた。
著者
上之園 佳子 田中 由紀子 中村 幸子 堀 崇樹 アン スンヒ 鴨澤 小織 菅野 衣美
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009-04-01

介護従事者の腰痛予防の調査(n=495)では、腰痛経験率は88.4%と高い。腰痛予防は,労働安全衛生での組織的取組みや介護機器の普及は低い割合であった。予防教育は、職場では有効だが、養成教育では充実が課題であった。養成機関の聞取り調査(n=11)では、健康教育や腰痛予防、介護機器教育の適切な教材がなく、内容が多岐の科目に分散した学習であった。そのため健康や腰痛予防の体系的教育プログラムにより、健康意識の向上、労働安全衛生の知識、主体的な職場環境の改善、介護機器活用のアセスメント技術の習得が重要である。それは介護人材の定着・確保だけでなく、利用者の安全で自立した支援の社会的介護の基本となる。
著者
田中 由紀子
出版者
京都女子大学・京都女子大学短期大学部
雑誌
京都女子大学生活福祉学科紀要 (ISSN:13495984)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.51-55, 2005-01-10

本稿の目的は,現在の訪問介護(ホームヘルプサービス)施策における「生活援助」のサービス提供内容を明らかにし,今後のあり方について示唆を得ることにある。ホームヘルプサービスの援助内容は援助対象を異にしてはいたが,1956年長野県上田市で開始以来,「家事援助」「身体介護」「相談助言」の3区分のいずれかを担ってきた。 2000年の介護保険制度の創設,サービスの開始に至って介護支援専門員(ケアマネージャー)が,訪問介議員の提供する介護サービスについて「相談助言」を行い,アプランを作成することになり,訪問介護の内容は「家事型」「介護型」と両方が混在した「複合型」の3区分で進められるようになった。 2003年の介護報酬の見直しにあたり訪問介護の適正なアセスメントを図る観点から,「複合型」を廃止,「家事援助」は,自立支援,在宅生活支援の観点から「生活援助」に名称を改めることになった。介護保険制度は個人を対象としており,サービスは時間と内容により細分化され報酬は単位化されている。「家事援助」も調理,掃除,洗濯等行為を算定基準としている。本稿では生活の主体者の基本的欲求を充足し生活を活性化する自立支援の実現を図るための「生活援助」のあり方について考察する。