著者
田中 謙二
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.185-190, 2018 (Released:2018-07-28)
参考文献数
7

The rhodopsin research has been one of the major topics in the biophysical research field for more than 40 years. The discovery of channelrhodopsin was only the product of the rhodopsin research, but the successful application of channelrhodopsin in neurons in the early 2000s has dramatically changed the strategy in neuroscience research afterwards. As a matter of fact, the new scientific term optogenetics is now widely accepted in the neuroscience and the optogenetic manipulation is an essential tool to develop the field. The author reviews the history of optogenetics.
著者
田中 謙二
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.4, pp.193-197, 2014 (Released:2014-04-10)
参考文献数
16

チャネルロドプシンを神経細胞に発現させ,光照射のオンオフで神経発火を操作する技術論文が2005年に報告されてから10年近くが経過しようとしている.その技術にはオプトジェネティクスという造語が与えられ,2010年にはNature Methods誌によってMethod of the Yearに選ばれた.先端技術は取り入れるのに多少の困難があったとしても,ひとたび取り入れてしまえば強力に研究をサポートする.光操作可能な遺伝子改変マウスの開発は,先端技術の取り込みを加速させた.というのも,遺伝子改変マウスを入手して,交配するだけで実験動物を準備できるからである.この準備を整えたあとは,興味のある細胞に光を照射するだけであり,データを回収するだけである.オプトジェネティクス導入の現実可能性について本稿の内容から考えてもらえれば幸いである.
著者
田中 謙二
出版者
東洋史研究会
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.270-289, 1954-11-20

In the "Yang-ch'un Po-hsueh" (陽春白雪), which is a collection of san-ch'u (散曲), a kind of popular songs of the Yuan dynasty, we find two long pieces composed by Liu Chih, which vividly depicts some aspects of the social unrest of his time. The author of the present article analyses the first of the two to date, and gives some biographical notes of Liu Chih.
著者
三橋 学 金丸 みつ子 田中 謙二 吉川 輝 稲垣 克記 久光 正 砂川 正隆 泉﨑 雅彦
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.483-491, 2019 (Released:2019-12-18)
参考文献数
14

延髄大縫線核のセロトニン(5-hydroxytryptamine, 5-HT)神経は,下行性疼痛抑制系として鎮痛作用を発揮する.一方で,痛みを増強させるという報告もあり,セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬の鎮痛薬としての使用が広まるなか,5-HTの疼痛制御に関する検討が必要である.近年,光遺伝学的手法によって大縫線核の5-HT神経を選択的に刺激することが可能になった.本研究では,5-HT系下行性疼痛抑制系の障害が示唆されている間欠的寒冷ストレス(intermittent cold stress, ICS)モデルのマウスを用い,光遺伝学的手法による大縫線核の5-HT神経の選択的刺激が鎮痛作用を発揮するか検討した.青色光照射で大縫線核の5-HT神経を刺激するため,光感受性チャネルを5-HT神経細胞に発現させた遺伝子改変マウス(Tph2-tTA::tetO-ChR2(C128S))に対し,大縫線核直上に光ファイバーを刺入,留置した.このマウスにICSを与えてICS群とし,青色光照射による大縫線核5-HT神経への刺激が疼痛閾値へ与える効果を行動学的手法で評価した.機械刺激性疼痛試験としてvon Frey test,熱刺激性疼痛試験としてHot plate testを用いた.対照群にはSham ICS処置を行った.ICS群とSham ICS処置によるマウス群を比較検討したところ,ICS処置はvon Frey testによる疼痛閾値を低下させた.しかし,遺伝子改変マウスに青色光照射で刺激をしても,von Frey testによる疼痛閾値の変化は認めなかった.一方, Hot plate testで疼痛閾値を評価すると,Sham ICS処置による疼痛閾値の変化とICS処置による疼痛閾値の変化に有意な差はなかった.しかし,曝露処置(ICS処置か,Sham ICS処置か)と時期(処置前か,処置後か)に関わらず,青色光照射で疼痛閾値が上昇した.つまり,ICS処置は,von Frey testによる疼痛閾値を低下させたが,Hot plate testによる疼痛閾値を変化させなかった.一方,青色光照射による大縫線核5-HT神経への刺激は,Hot plate testによる疼痛閾値を上昇させたが,von Frey testによる疼痛閾値を変化させなかった.以上より,大縫線核の5-HT神経への刺激は,熱刺激性疼痛に対する鎮痛作用を発揮した.一方,ICS処置で機械刺激性疼痛に対する疼痛閾値は低下したが,その機序に大縫線核の5-HT神経の積極的な関与は示唆されなかった.

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著者
田中謙二著
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
1974