- 著者
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田瀬 則雄
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.5, pp.290-296, 2012-10-15 (Released:2016-08-31)
- 参考文献数
- 27
地下水汚染問題は必ずしも新しい問題ではないが,時代とともにその様相を変えてきている.地下水汚染については,これまでも多くの調査研究があるが,本論では地下水汚染のこれまでの経緯,現状,課題などを土壌汚染との関わりも含めとりまとめた.汚染物質としては,病原性微生物,重金属類,揮発性有機化合物,残留性有機汚染物質,油類,硝酸性窒素,医療品・生活関連物質,放射性物質など多種多様で,汚染の経緯,状況は様々である.この30 年はトリクロロエチレンなどの揮発性有機塩素化合物による地下水汚染が中心課題であったが,現在は硝酸性窒素問題に,そして医療品・生活関連物質,さらに放射性物質なども問題となってきている.