著者
松尾 宏
出版者
The Association of Japanese Geographers
巻号頁・発行日
pp.107, 2013 (Released:2013-09-04)

明治43年(2010)8月に利根川、荒川などで起った洪水は、関東地方では近代以降最大の被害をもたらしたものであった。しかしながら、その洪水の特色や地域の被災状況については、まとまって整理されたものがなく、水害地や洪水の特色など不明なところが多い。また、明治43年洪水では、近世以降利根川治水史上重要な役割をもっていた堤防である「中条堤」が大きな争論の焦点となり、この洪水を契機に治水計画が変更され変化をみせていった。この大きな災害の理解と社会問題となった明治43年洪水後の中条堤についての究明も研究はなされていない。その中条堤は現在でもその姿を残している。明治43年利根川洪水・水害の大きな要因は、この中条堤の決壊であることが言われてきた。 平成21年(2009)3月皇太子殿下は第5回世界水フォーラム(トルコイスタンブール)において、利根川治水と中条堤についてとりあげられ基調講演をなされた。その講演内容の一部に誤りがあり、資料を提供したと思われる機関、研究者の認識不足でもあり、これまで明治43年洪水と中条堤の歴史的社会問題の研究がなされてこなかったことの原因が指摘できる。本研究はその証明となる研究を含むものであり、中条堤の歴史およびこれまで研究が乏しかった明治43年利根川洪水と中条堤およびその関係、中条堤の変貌についての研究である。
著者
井伊 博行 平田 健正 松尾 宏 田瀬 則雄 西川 雅高
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.594, pp.57-63, 1998-05-22 (Released:2010-08-24)
参考文献数
9
被引用文献数
2

茶畑からの湧水には肥料からの硝酸イオン, 硫酸イオンなどの酸性物質と共にアルミニウムイオン, リンなどが多量に含まれている. 湧水が池に入ると, 光合成, 脱窒, 硫酸還元によって, 中和され, 場合によっては, アルカリ性にもなる. 池内での短期間のpHの大きな変化には, 窒素, リンによる池の富栄養化に伴って起こる光合成が大きく貢献していた. 年間通じての硝酸イオンの池内での消失には, 脱窒が関与していたと考えられる. 池の水が中和されることで, 湧水に含まれていたアルミニウムイオンは水酸化物として沈殿し, 硫酸還元によって硫酸イオンも池から除去されたと考えられる. リンは生物 (有機物) として池内に貯蔵された. 池内で, 有害なアルミニウムイオンや硝酸イオンの濃度が下がるため, 池の存在は重要と考えられる.
著者
松本 敏雄 早川 幸男 村上 浩 松尾 宏 佐藤 紳司 Lange Andrew E. Richards Paul L.
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.121-126, 1989-03

K-9 M-80号機に搭載したサブミリメーター放射計の観測結果について, 特に短波長側に重点をおいて報告する。102μm, 137μm, 262μmの3つの波長帯での表面輝度の空間分布が銀河系内の中性水素の柱密度とよい相関があることが見出された。102μm帯ではこの銀河成分-星間塵の熱放射成分-と惑星間空間塵の熱放射成分によって観測値を説明できる。137μm帯ではこれ以外に一様に広がった放射成分が残るが, その起源については今のところ不明である。