- 著者
-
直江 眞一
- 出版者
- 九州大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2013-04-01
本研究は「制限君主制論」あるいは「混合政体論」の基礎を提供する理論として注目されている15世紀イングランドの法律家サー・ジョン・フォーテスキューの国制論の歴史的位置を明らかにする試みである。そのために、フォーテスキューの主要な3作品である『自然法論』、『イングランド法の礼賛について』、『イングランドの統治』の写本および刊本を可能な限り調査した。また、フォーテスキューの蔵書であったと考えられるオクスフォード大学ボドリ図書館蔵のRawlinson, C 398写本も検討した。その結果、「政治権力かつ王権に基づく支配」という概念はフォーテスキューに独自のものである可能性が高いことが判明した。