著者
香川 勇介 真野 俊樹
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.37-50, 2017-01-10 (Released:2020-03-31)
参考文献数
39

本論文の目的は,医療サービスにおける予防的コミュニケーションの成功要因を整理し,実証分析のための枠組みを作ることである。予防的コミュニケーションに関して関連する理論を渉猟して検討した結果12の仮説が得られた。そのうちの3つの仮説に対して探索的に実験を行った。結果として,①セルフ・エフィカシーを高められるメッセージであればあるほど,予防的コミュニケーションは成功しやすい,②セルフ・エフィカシーを高めるメッセージの場合,ゲイン・フレームより,ロス・フレームのメッセージが有効である,③セルフ・エフィカシーを高めるメッセージの場合,ゲイン・フレームより,ロス・フレームのメッセージの方が,行動変容ステージを促進しやすい,が支持された。医療サービスにおける予防的コミュニケーション成功のためにセルフ・エフィカシーを高めることの有用性が示唆された。
著者
真野 俊樹 小林 慎 井田 浩正 山内 一信
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:13456903)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.329-334, 2003-09-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
16

医療改革についての方向性のひとつは医療機関からの情報公開である。患者と医師間における情報の非対称性の問題は、一般に患者側に発生し、その大きさによって患者が不利益を被る可能性があるが故に問題とされる。一方医療という財においては、例えば年代別、職業別などに、罹患しやすい病気を統計的に知りえても、各個人がいっ、どのような病気にかかるかは予測できないという不確実性がある。平成11年の受療行動調査によると、消費者は入院や外来など医療機関受診の際に「家庭・友人・知人」からの情報を重視しているという。われわれが健常人に行った調査では「友人」による情報を信頼している。ブランドは情報の非対称下でのシグナリング機能を果たし、評判によって無駄な探索を止め、取引費用を削減する効果がある。またブランドは、非排他性、非競合性をもち、外部性も持っために公共財であるという考え方もある。この視点から、医療機関が消費者の選択基準になりえるブランド形成の努力をおこなうことも重要ではないか。
著者
真野 俊樹 小柳 秀彦 山内 一信
出版者
多摩大学経営情報学部
雑誌
経営・情報研究 多摩大学研究紀要 = Tama University Journal of Management and Information Sciences (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.27-34, 2007-03-01

従来は競争が少なかった病院には患者に選ばれる病院になるあるいはなりたい動機は少なかったと思われる。こういった状況下にあったためか、病院におけるマーケティング・コミュニケーションについての研究は少ない。 今回の調査は、日本病院会の会員病院(2621施設)院長とし、調査方法は無記名式郵送質問紙調査、送付は平成13年10月18日、対象は2621病院におこなった。回答者は、病院長(代理を含む)が541名、無記名が16 名であった。 本調査は、病院によるマーケティング・コミュニケーション活動の重要な実態調査といえよう。 In the former days, hospitals were not interested in the marketing communication activities because of shortage of the competition. Then, there are few papers researching about marketing communication activities in Japanese hospitals, This paper has shown some interesting findings
著者
真野 俊樹
出版者
日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
雑誌
アプライド・セラピューティクス (ISSN:18844278)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.67-74, 2019 (Released:2019-04-08)
参考文献数
5

日本に暮らす外国人(在留外国人)、観光やビジネスで日本を訪れる外国人(訪日外国人)は増加の一途を辿り、それに比例するように日本国内の医療機関を受診する外国人患者は増え続けている。この動きは、2020年の東京五輪に向けてさらに今後も加速することが予想される。 そのような社会情勢の中、外国人患者への対応は、薬局も含めどの医療機関にとっても重要な課題の一つとなっている。さらに、観光客以外の流動化の対象には、労働者:コンビニなどで働く人、高度人材:看護師、介護師含む、患者などがあげられる。外国人の増加は一時的な現象ではなさそうで、観光庁によれば訪日外国人の4%が医師を受診する可能性があるともいわれる。 2017年、訪日外国人は2869万人であるので医師受診の可能性は100万人を超え、社会問題となってきている。 この中で、薬局にも外国人対応が求められているといえよう。そしてその中には、世界的に見た薬物療法の標準化も含まれると思われる。
著者
真野俊樹 小柳秀彦 山内一信
出版者
多摩大学
雑誌
経営・情報研究 : 多摩大学研究紀要 (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.27-34, 2007

従来は競争が少なかった病院には患者に選ばれる病院になるあるいはなりたい動機は少なかったと思われる。こういった状況下にあったためか、病院におけるマーケティング・コミュニケーションについての研究は少ない。 今回の調査は、日本病院会の会員病院(2621施設)院長とし,調査方法は無記名式郵送質問紙調査,送付は平成13年10月18日,対象は2621病院におこなった。回答者は,病院長(代理を含む)が541名,無記名が16名であった。 本調査は、病院によるマーケティング・コミュニケーション活動の重要な実態調査といえよう。