著者
石原 浩一 泰山 裕
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.105-113, 2020-07-10 (Released:2020-07-10)
参考文献数
19

本研究では,フィードバックと振り返りが学習者の認知欲求に及ぼす影響を明らかにするため に,中学生を実験群と統制群に分け,2群比較を通してその効果を検討した.社会科歴史的分野 の授業を2単元行い,その前後における認知欲求尺度の回答を分析した結果,毎単元末にレポー ト課題に対する評価結果のフィードバックと振り返りを行った群の方が認知欲求が高まる傾向 が確認された.また,実験群の振り返りを分析した結果,振り返りを具体的に記述できていた群 は認知欲求が有意に高まり,抽象的な記述にとどまっていた群は有意な高まりが認められなかっ た.研究を通して,認知活動の評価結果を学習者に返却し,振り返りを具体的に書かせることで 認知欲求が高まる可能性が示唆された.
著者
中島 伸佳 桑木 信輔 石原 浩二 田中 英彦
出版者
岡山県立大学
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.39-48, 2012

植物性食品を中心とした食生活は、生活習慣病の予防や治療に効果があるとされている。乳酸菌や酵母により発酵熟成させた植物発酵エキスは、多種多様な植物性原料を用いて、発酵と糖蔵という伝統的な食品保存技術を応用した発酵食品である。本研究では、植物発酵エキスの有効性(栄養的特性や保健機能)に関する研究を行った。植物発酵エキスには、58.5%の炭水化物、3.7%のタンパク質、1.3%の脂質をはじめ、18種類のタンパク質構成アミノ酸や種々のビタミン類、食物繊維、ファイトケミカル(ポリフェノール、テルペノイド等)が含まれていた。さらに、植物発酵エキスは抗酸化作用、血圧上昇抑制作用、抗菌作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、チロシナーゼ阻害作用を有していることを「in vitro 試験」により明らかにした。
著者
石原 浩
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.819-825, 1989

自動解析によって, 胎児の心拍数パターンを, 活動, 安静, 中間パターンに分類し, 同時に超音波断層法で観察, 記録した胎児呼吸様運動(以下FBMと略)を, この心拍数パターン別に分析し, 妊娠週数との関係を検討した. 対象は妊娠30~41週の単胎妊娠102例で, そのうちハイリスク妊娠は13例であった. その結果, 1) 各心拍数パターンの占める割合は, 5分間区間全595個中, 活動パターン226個(38.0%), 中間パターン158個(26.4%), 安静パターン212個(35.6%)であった. 活動パターンは妊娠32~33週で最も多く(52.7%), 以降は妊娠経過に伴い漸減傾向を示し, 安静パターンは32~33週で最も少なく(25.5%), 以降漸増傾向を示した. 2) 心拍数パターン別FBM陽性率は活動パターン60.6%, 中間パターン42.7%, 安静パターン23.1%であり, 活動パターンでは安静パターンに比して有意に大であった. 妊娠週数別に検討しても同様に活動パターンでは安静パターンに比して有意に大であった. 3) FBM持続時間は3~202秒の範囲にあり, 10~20秒の持続時間が最も多く, 持続時間の長いFBM は, 活動パターンよりも安静パターンで見られる傾向があった. 4) FBM陽性時間率は1.0~92.7%の範囲にあり, 妊娠週数および心拍数パターンとの一定の関連は認められなかった. 5) 心拍数パターン別瞬時FBM数では各週数間に有意差を認めないが, 瞬時FBM数変動は妊娠36週以降活動パターンと安静パターンとの間に有意差を認め, 安静パターンのFBMが活動パターンに比し, より規則的であった. 6) ハイリスク妊娠では安静パターンが52.3%を占め, FBM陽性率は活動パターン60・9%より安静パターン8.7%が有意に小であった.また, FBMの持続時間, 陽性時間率, 規則性と, 心拍数パターンとの間には一定の関連を認めなかった. 以上より, 妊娠36週以降には胎児心拍数パターンとFBMの規則性との関連が大となることが認められた.