著者
石原 孝 亀崎 直樹 松沢 慶将 石崎 明日香
出版者
「野生生物と社会」学会
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.23-35, 2014-12-01 (Released:2017-06-16)
被引用文献数
3

A nationwide interview survey was conducted from 2009 to 2013 to evaluate the state of sea turtle bycatch in Japanese coastal fisheries. A total of 1,074 fishermen and other industry representatives were interviewed at 175 sites, and 2,087 responses regarding the various fishing methods used were collated. Bycatch frequency of more than 5-10 sea turtles annually per operation was reported in large and small pound net, gill net, bottom trawl, boat seine, surround net, rod and line, and trawl fisheries. The highest bycatch frequency was reported from large pound net fisheries, especially in the Pacific coast of Shikoku, followed by the East coast of Ki-i Peninsula. However, bycatch frequency among large pound net fisheries varied widely by operation. Bycatch mortality rate in large pound nets were also divided, with 30 of 40 valid respondents reporting low or nearly 0% mortality rate, while 5 respondents reported high or nearly 100% mortality rate. Small pound nets also demonstrated a relatively high bycatch frequency, although lower than large pound nets. The findings of this study suggest that the priority for addressing sea turtle bycatch in Japan should be placed on individual large pound nets with high sea turtle mortality. However, mitigation measures for coastal fisheries bycatch should be developed to ensure fish landings, especially since sea turtle nesting activities in Japan are increasing and exhibiting recovery from past trends.
著者
松野 浩之 石崎 明
出版者
同志社女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

未分化間葉系細胞は、再生医療に置いて多種多様な可能性を秘めている。分化誘導を制御する因子は、PPARγなど見いだされているが細胞間隙を構築する因子について明確な関わりを示したものはない。本研究では、細胞間隙(Collagen, Vitronectinなど)やタンパク質を溶解する因子として生体内の恒常的に発現しているPlasminogenに注目し研究計画を立案した。その結果、本研究機関にいくつかの点か解明された。1:細胞レベルでの線溶系因子の関与病態における線溶系因子の活性化は、細胞表面にアンカーされている生理活性物質を瞬時に切り離すことで生理学的、生化学的反応を遂行することが見いだされた。2:サイトカインの制御機構の可能性分化誘導・増殖という過程においてサイトカインは重要な機構を担っている。TGF-β、TNF-α、VEGFなどの急激な反応について細胞表面からの切り出しに関与している事が見いだされた。3:α2-antiplasminの機能線溶系の中心であるplasminは、生体内で特的阻害因子であるα2-antiplasminによって瞬時に非活性化される。遺伝的にα2-antiplasminの欠損状態を形成したマウスでは、これらの作用が消失しサイトカインなどの誘導が増幅される事が確認された。4:uPARの特異性本研究期間において、最終的に結論に至らなかった大きなテーマにuPARが挙げられる。脂肪細胞の分化誘導に深く関与し、その生理学的特異性が注目される。すなわち、可溶性受容体であり細胞膜アンカー型で膜貫通生を持たずplasminによって切り離された部分はリガンドとして機能する可能性を示している。これらについて継続的な研究が、19年度の文部省科学研究費基盤研究C(脂肪細胞の分化・誘導における線溶系因子の機能解明と治療戦略的ストラテジーの確立)として承認された。本研究成果を元に、さらに発展していくものと考えられる。
著者
吉田 重光 石崎 明 土門 卓文 足利 雄一 井上 貴一朗 黒嶋 伸一郎 沢 禎彦
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

今回の研究では、口腔内および口腔以外のリンパ管を介した免疫機構を明らかにするため、免疫で重要な役割を果たす複数のタンパク質の研究を行いました。その結果、口腔内では部位によりリンパ管の果たす役割が異なる可能性を、また口腔以外では、いくつかのタンパク質が相互連携していることを明らかにしました。以上から、全身のリンパ管は、物質輸送だけではなく免疫機構にも関与することが分かりました。
著者
田村 正人 梨本 正之 石崎 明
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,未分化な筋芽細胞株であるC2C12細胞にcanonicalなWntとして知られるWnt3aならびにnon-canonicalなWntであるWnt5aを過剰発現させた細胞株を作製した.C2C12細胞では,骨基質タンパク質の一つであるMEPEを産生していないが,Wnt3a-C2C12細胞ではBMP-2によってMEPEやMMP-13の発現が大幅に誘導された.これらの結果から,骨芽細胞の分化においてWntとBMP-2の2つのシグナルが協調して特異的に骨基質タンパク質やMMPの発現を調節していることが明らかになった.次に,骨芽細胞分化においてWntとBMP-2の2つのシグナルの間でどのように調節しているのか検討した.canonical WntシグナルがBMP-2の誘導するId1 mRNAの発現を調節することを見出した.また,BMP-2はC2C12細胞の筋管形成を抑制するが,Wnt3a-C2C12細胞ではこのBMP-2の筋分化抑制作用が低下していた.すなわち,WntとBMP-2の2つのシグナルの間にクロストークがあることがわかった.さらに,Wnt3aによりOPG濃度は著しく増大した.一方,RANKLの発現はWnt/β-catenin及びBMP-2いずれによっても抑制された.活性型β-catenin応答領域を特定するために-253までの領域の4つのLef/Tcf1認識候補部位の変異レポーターコンストラクトを作製した.転写活性の検討ならびにクロマチンIP法を用いた結合因子の同定を行った.以上の研究からWnt/β-cateninシグナルの標的遺伝子としてOPGを同定し,転写活性化機構の詳細を明らかにした.骨芽細胞においてWnt/β-cateninシグナルとBMPシグナルが協調してOPGを介した破骨細胞の分化と機能を調節している可能性が示された.