著者
地挽 雅人 浅田 洸一 豊田 長隆 菊地 健太郎 荒井 智彦 平下 光輝 野上 喜史 石橋 克禮 小林 馨
出版者
一般社団法人 日本顎関節学会
雑誌
日本顎関節学会雑誌 (ISSN:09153004)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.60-71, 1997-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
17
被引用文献数
2

MR画像におけるjoint effusion (以下effusion) と臨床症状との関連, 特に経時的変化について検討した。対象は1993年10月から96年4月までに撮影したMR画像のうちeffusionを認めた33例で, その臨床診断は顎関節症29例, リウマチ性顎関節炎1例, 陳旧性脱臼1例, synovial osteochondromatosis 1例, 下顎骨周囲炎に後遺する下顎頭萎縮1例であった。男性5例, 女性28例, 年齢は14-65歳, 平均38.9歳であった。effusionは矢状面SE法MR撮像T2画像で上または下関節腔に, 高信号を示し, かつT1画像で低信号を示すものとした。臨床症状, X線写真所見, 円板動態との関連と, このうち16例20関節は2か月から1年9か月後に経時的変化について検討した。その結果, 初回MR所見でeffusionを認めた部位は上関節腔37, 下関節腔2関節で, 溝口らの分類によると帯状17, 太線状7, 線状7, 点状8関節であった。主訴は顎関節部の疼痛が多かった。また復位を伴わない円板前方転位例に多く, 特に帯状の例にその傾向が強かった。開口度は16-54mm, 平均37.3mmであった。X線写真所見で骨変形を認めた例にやや多いが, 約半数の関節では骨構成体に変化はなかった。経時的にはeffusionが消失したもの7関節, 大きさが縮小したもの5関節, 変化のないもの7関節, 性状が変化しているもの1関節であった。この像は下顎頭が, 滑膜表面に大きな応力が加わることによって, 滑膜や関節構成組織より, 組織液や何らかの融解産物が滑液中に浸出した結果と考えられた。
著者
佐藤 徹 石橋 克禮 成瀬 裕久 永盛 孝 山近 重生 浅田 洸一
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.95-100, 1994-08-25 (Released:2010-05-31)
参考文献数
14
被引用文献数
1

根尖病巣より発生したと思われる下顎骨中心性癌の1例を報告する。症例は48歳の日本人女性で, 左下唇の知覚異常を主訴に紹介来科した。左下顎小臼歯部から大臼歯部歯肉頬移行部に硬い腫瘤を触知するも, 口腔粘膜に異常は認めない。X線写真では5の根尖を中心に境界不明瞭な透過像を認める。紹介医にて撮影された6年4か月と3年4か月前のオルソパントモX線写真では, 同歯に根尖病巣と思われる境界明瞭な小透過像を認める。生検により扁平上皮癌の診断を得た。全身精査の結果, 他に原発巣が見あたらないため, 左下顎骨区域切除と全頸部郭清術を施行した。術後1年3か月で再発や転移の兆候はない。切除物の病理検索にて, 腫瘍は5の根尖周囲から頬側皮質骨を破壊して頬部軟組織に及んでいた。しかし粘膜上皮はまったく正常で, 深部の腫瘍と接している部分も認めなかった。組織学的には歯根嚢胞が存在した証拠は得られず, リンパ節転移はなかった。
著者
神谷 洋子 浅田 洸一 栃原 しほみ 山近 重生 石橋 克禮
出版者
一般社団法人 日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.32-35, 2003-04-01 (Released:2010-06-08)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Recently, the use of angiotensin converting enzyme (ACE) inhibitors has increased and so angioedema as a side effect of ACE inhibitor administration is probably increasing. However, angioedema induced by ACE inhibitors has rarely been reported. We reported a case of angioedema (Quincke's edema) of the face that recurred following the administration of a double dose of ACE inhibitor.
著者
山近 重生 中川 洋一 寺田 知加 川口 浩司 瀬戸 〓一 石橋 克禮
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.527-531, 2006-10-20
被引用文献数
2 2

Glandular odontogenic cyst (GOC), first described in 1988 by Gardner <I>et. al</I>, is a comparatively rare jawbone cyst of odontogenic origin, which shares some features with both botryroid odontogenic cysts and mucous-producing salivary gland tumors. Although GOC has a high rate of recurrence, cases of recurrence have not been reported in the Japanese literature.<BR>This paper describes a case of GOC arising in the mandible of a 58-year-old man. The cyst recurred 12 years after primary treatment. Diagnosis and treatment of the lesion are discussed.
著者
山近 重生 中川 洋一 寺田 知加 川口 浩司 瀬戸 皖一 石橋 克禮
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.527-531, 2006-10-20 (Released:2011-04-22)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

Glandular odontogenic cyst (GOC), first described in 1988 by Gardner et. al, is a comparatively rare jawbone cyst of odontogenic origin, which shares some features with both botryroid odontogenic cysts and mucous-producing salivary gland tumors. Although GOC has a high rate of recurrence, cases of recurrence have not been reported in the Japanese literature.This paper describes a case of GOC arising in the mandible of a 58-year-old man. The cyst recurred 12 years after primary treatment. Diagnosis and treatment of the lesion are discussed.