著者
石渡 哲哉 榊原 航也
出版者
芝浦工業大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

複素平面上で定義される複素数値関数の解析学である複素解析学は、数学のみならず工学等における応用でもよく活用されている数学の理論の1つです。本研究では、その離散的対応物である離散複素解析学の基盤を作ることです。このような研究は20世紀前半より進められてきましたが、複素平面の離散化の形状に制限がありました。これは、複素関数論で重要となる正則性の離散版の定義に起因します。本研究では、この離散正則性の定義をコーシーの積分定理を基礎に見直し、複素平面の離散化に対する制限を完全に取り払い、任意の平面分割上での離散複素解析学の構築のための基礎を確立します。
著者
石渡 哲
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.p80-113, 1988-06

研究ノート一 はじめに二 ZPO五二八条三項の問題点三 ZPO五二八条三項の合憲性 (一) 平等条項(GG三条一項)との関係 (二) 審問請求権(GG一〇三条一項)との関係 (三) 権利保護請求権・法治国家の原理(Anspruch auf Rechtsschutz, Rechtsstaatsprinzip : GG二〇条三項)との関係 (四) 司法行為請求権(Jutizgewährungsanspruch GG一四条・二条)との関係 (五) 法律の規定の合憲・違憲性とその解釈四 第一審における失権の回避策 (一) 試験的提出および許容を条件とする提出 (二) 控訴への逃避 (三) 欠席への逃避 (四) 反訴等への逃避五 控訴審における再提出と新提出の取扱いの同一化を試みる解釈論 (一) 失権の可能性の拡大による同一化 (二) 失権の可能性の縮小による同一化六 その他の問題点七 まとめと私見 (一) ZPO五二八条三項の解釈上の問題に関する私見 (二) 更新権制限に関する立法政策論
著者
山田 雅博 石渡 哲哉 愛木 豊彦 竹内 茂 米田 力生 下村 哲
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究では,テプリッツ作用素の有界性に関する研究を行った。特に,${\bf R}^{n}$の上半平面で定義された調和バーグマン空間におけるテープリッツ作用素の有界性に関連したカールソン不等式の解析を行った。テープリッツ作用素の可逆性に関する研究に関連して,調和ベルグマン空間における接導関数と非接導関数との関連性に関する研究を行い,それらの関数のノルムが同値となることを示した。また,カールソン不等式と呼ばれる積分不等式の性質の解析を行い,申請者が過去に行った研究結果を含んだより一般的な結果を得た。ここでは,考えるベルグマン空間も調和関数によって作られるバナッハ空間とし,そこにおける$(A_{p})$条件に相当する新しい概念を導入した。具体的には,$n-$次元ユークリッド空間の上半平面で$P-$乗可積分な調和ベルグマン空間を考える。一方の測度の任意の調和関数の$p-$乗積分が他方の測度の調和関数の$p-$乗積分で上から押さえられるための必要十分条件を,他方の測度が$(A_{p})_{\partial}$条件を満足するときに特徴付けた。$\alpha$--ベルグマン空間という新たな概念が提示され,通常のベルグマン空間を放物型作用素の解空間の一種と見なし,より統一的にベルグマン空間を研究するという方向が示された。これに関連して$\alpha$--ベルグマン空間上のカールソン不等式を考察し,カールソン不等式が成立するための特徴付けを行った。この特徴付けは,ある種の微分方程式の基本解をもとに構成した再生核を用いて行った。また,その際に必要十分条件を記述するため,$\alpha$--カールソンボックスという概念を導入し,再生核の境界挙動や評価を行い,その性質を明らかにした。