著者
櫻井 鉄也
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.308-317, 2003-12-25 (Released:2017-04-08)
参考文献数
14

In this paper, we consider a method for finding certain eigenvalues of generalized eigenvalue problems in a given domain of the complex plane. We also discuss the relation between the presented method and the Lanczos method briefly. The presented method provides a good performance in parallel computations. A numerical example that was obtained on a PC cluster is included.
著者
木原 崇智 多田野 寛人 櫻井 鉄也
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.51-60, 2008-06-26

大規模非エルミート疎行列を持つ線形方程式Ax = bの効率的な解法として,前処理つきKrylov部分空間反復法がある.同反復法は前処理部分に多くの計算時間を要する場合が多い.精度混合型Krylov部分空間反復法は,前処理演算を単精度で行っても最終的に倍精度の解が得られる方法である.多項式前処理を適用した場合には,前処理は行列ベクトル積の繰返しで得られる.一方,Cell Broadband Engineは単精度演算においてきわめて高い演算性能を持つマルチコアプロセッサである.本論文では,Cell Broadband Engine上での単精度行列ベクトル積の実装方法とその高速化手法について示し,精度混合型Krylov部分空間反復法をCell Broadband Engine上で実装する場合の性能を,数値実験により評価する.
著者
趙燕結 櫻井 鉄也 杉浦 洋 鳥居 達生
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.29(1996-NL-118), pp.73-78, 1997-03-21

我々は自然言語処理とプログラミング言語処理の手法に基づいて,形式化された数式の文法,その文法を生成できるメタ言語,及びそれらの解釈系を作成し,数式の多義性を避けて,文脈依存的数式の意味解釈を行なう.
著者
小笠原 匡 多田野 寛人 櫻井 鉄也 伊藤 祥司
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.193-205, 2004
参考文献数
8
被引用文献数
1

We consider a method to solve several shifted linear systems (A+σl)x = b with shift parameter σ. Krylov subspace for shifted linear systems is not depend on the parameter σ, therefore we can solve several shifted linear systems simultaneously without generating Krylov subspace for each parameter cr. In this paper, we show that shifted linear systems appear in an eigensolver using numerical integration. We applied Krylov subspace methods for shifted linear systems in this eigensolver. We have also presented some numerical examples illustrate the efficiency of the method.
著者
伊藤 信貴 奈良 高明 櫻井 鉄也
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.135-153, 2008-03-25

本稿では,複素モーメントに基づく画像の局所的特徴の抽出法を提案する.抽出される特徴は,エッジ,コーナー,円対称点・非円対称点である.我々は,離散画像に対して複素モーメントを精確に計算するためのオペレータを導く.実験により,提案するエッジ抽出法は,(1)Sobel,SUSANオペレータ以上,Cannyオペレータと同等の頑健性を有すること,(2)閾値のSNRに対する依存性が低いことが示される.
著者
櫻井 鉄也
出版者
筑波大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本課題において、以下の研究を実施した。(1) 複数の右辺ベクトルを持つ連立一次方程式に対して開発したBlock Krylov subspace methodに対して、残差行列の直交化による安定性の改善を行い、さらにシフト行列に拡張した。開発した手法を密度汎関数法で現れるバンド図計算に適用し、従来その計算量の多さから実現できていなかった規模の原子数で結果を得ることができた。また、固有ベクトルの相関を利用することで、少ないステップでバンド曲線を描くことが可能になった。(2) 行列トレースのstochasticな推定法を利用した固有値分布の大域的推定により、指定した領域の固有値密度を推定することで、固有値計算で用いる解法の適切なパラメータ自動推定法を開発した。これにより、パラメータの最適化をユーザが行う必要がなくなり、解法の利用性が向上した。(3) 超新星爆発のシミュレーションで現れる大規模な線形方程式を対象として、そこで現れる行列の性質を解析し、前処理のための適切なスケーリング法、およびパラメータの選択をする方法を開発した。また、前処理行列に対して影響の少ない行列要素のカットオフを行い、計算時間の短縮を行った。開発した手法を実装し、超新星爆発シミュレーションで現れる問題に適用して、従来法に対して計算時間が短縮されることを確認した。実問題に対応した規模で計算を行うために、開発した手法の並列化を進めた。
著者
櫻井 鉄也 北川 高嗣 多田野 寛人 佐々木 建昭 長嶋 雲兵 池上 努 立川 仁典
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では, 次世代計算機環境における大規模シミュレーションを実現するために, 特に並列化が困難な内部固有値問題の解法を対象として, 複素周回積分を用いた固有値解法の実用技術を開発した.ここで開発した解法を, マルチコアによる大規模並列環境向けのソフトウェアとして実装した.開発したソフトウェアを複数の応用分野の問題を対象として適用し, 実用性を想定して性能改善を行った.
著者
佐々木 建昭 櫻井 鉄也 加古 富志雄 稲葉 大樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近似イデアルに基づいて近似グレブナー基底の理論を構築し、部分終結式様の理論を作成して厳密用算法を浮動小数で実行する場合の不安定性を解明し、ブッフバーガー算法を安定化して近似グレブナー基底の構成算法を呈示した。微小摂動のため多変数多項式イデアルの次元が減少した系として近似特異系を定義し、次元を元に戻す操作として近似特異系の特異化の算法を考案し、近似特異型の悪条件代数方程式系の良条件化法を与えた。線形制御理論で近似無平方分解・有効浮動小数・近似因数分解の有用性を示した。モデルに基づく開発への利用を念頭に、パラメータ係数の疎な線形方程式系の誤差低減解法と系の特徴抽出法などを提案した。
著者
櫻井 鉄也
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(A)2009-2011
著者
佐藤 三久 朴 泰祐 建部 修見 天笠 俊之 櫻井 鉄也 山本 有作 高橋 大介 北川 博之
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

P2Pグリッドとは、従来、各研究組織にある計算資源を共有することが目的であったグリッド技術を、P2P技術を活用しオフィスおよび個人のPCなどの潜在的な計算資源をグリッドの計算資源として活用するものである。本研究の目的は、期待される大量の計算資源による大容量コンピューティングのためのP2Pグリッド基盤を構築・利用する技術を確立し、その有効性を検証することである。1. P2P環境の潜在的な計算資源をグリッドの計算資源として活用するために、多くのPCで利用されているWindowsにおいてLinuxバイナリを実行するためのシステムBEEとUDPによるファイアウォール越えを用いたP2Pオーバーレイネットワークを開発した。さらに、P2P環境における認証機構として、匿名相互証明書とP2P通信を用いる認証方式AUBReX、他のジョブスケジューラと相互に協調し資源を共有する機構について開発した。2. 大容量コンピューティングのプログラミングモデルとして、RPCモデルから広域ネットワーク上の大容量データを効率的に扱うためのデータレイヤOmniStorageを開発し、それを拡張し、多数のノードに分散配置された大量データに対して、グローバルなデータ並列操作を行うプログラミング環境を提案した。また、大規模スケーラブルP2PにおけるXMLデータ管理について、MLデータの内容による検索に着目し,P2Pネットワーク上でXMLデータのキーワード検索を可能にする手法を考案した。3. P2Pグリッド向きのアルゴリズムとして、複素積分を用いた非線形固有値計算アルゴリズムや前処理手法を開発した。また、P2Pグリッドの有望な高性能な計算資源として、ヘテロジーニアスマルチコアであるCellプロセッサを取り上げ、この資源を利用するための数値計算ソフトウエアを実装した。