著者
橋本 幸士 富谷 昭夫 野尻 美保子 大槻 東巳 田中 章詞 樺島 祥介 福嶋 健二 今田 正俊 永井 佑紀
出版者
京都大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2022-06-16

従来、実験と理論の両輪により進展してきた物理学において、理論的な原理や数理の探索と技術の発展による実験の発展が、宇宙と物質の新しい姿を明らかにしてきた。この両方に寄与してきた計算科学では近年、機械学習という技術革新が社会的変革をもたらしている。そこで我々は「学習物理学」領域を創成し、機械学習やそれを含むデータ科学の手法、緩和数理やネットワーク科学等を物理学の理論的手法群と統合し、基礎物理学の根本課題である新法則の発見、新物質の開拓を行う。素粒子・物性・重力・計算物理学のそれぞれと機械学習の融合を、数理・統計・位相幾何の観点から統合的に遂行し、新領域「学習物理学」を勃興させる。
著者
福嶋 健二
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2019-06-28

磁場をかけると物体が回転する現象はアインシュタイン・ドハース効果と呼ばれ、100年を超える研究の歴史がある。また逆に回転する物体に磁化が生じる現象はバーネット効果と呼ばれ、理論的・実験的に詳しく研究されてきた。これらの効果は、スピンと軌道角運動量が相互作用により混じり合うことで磁化が回転に転換したり、またその逆のプロセスとして理解される。ところが相対論的な物理系では、スピンと軌道角運動量の分解そのものが非自明である。そこで本研究では、これらの効果の理論的な枠組みについて、相対論的な拡張を目指している。
著者
福嶋 健二 船井 正太郎 塩崎 謙 三角 樹弘
出版者
東京大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2022-06-16

学習とは、学習データの入力から出力までのプロセスを多数の学習パラメータで表現し、学習パラメータを変分によって最適化することである。学習のクォリティは大別すると2つの要素で決まっている。すなわち、過学習を避けつつより一般性のある関数空間を扱える表現と、ベクトル空間内で複雑な構造を持った学習データに対する適切な最適化である。本研究では、表現に対するアプローチとしてゲージ場の理論の様々なテクニックを用い、最適化のための入出力データが内在するトポロジカルな特徴に着目することによって、両者に変革的な進歩をもたらすことを目指す。