著者
橋本 幸士 富谷 昭夫 野尻 美保子 大槻 東巳 田中 章詞 樺島 祥介 福嶋 健二 今田 正俊 永井 佑紀
出版者
京都大学
雑誌
学術変革領域研究(A)
巻号頁・発行日
2022-06-16

従来、実験と理論の両輪により進展してきた物理学において、理論的な原理や数理の探索と技術の発展による実験の発展が、宇宙と物質の新しい姿を明らかにしてきた。この両方に寄与してきた計算科学では近年、機械学習という技術革新が社会的変革をもたらしている。そこで我々は「学習物理学」領域を創成し、機械学習やそれを含むデータ科学の手法、緩和数理やネットワーク科学等を物理学の理論的手法群と統合し、基礎物理学の根本課題である新法則の発見、新物質の開拓を行う。素粒子・物性・重力・計算物理学のそれぞれと機械学習の融合を、数理・統計・位相幾何の観点から統合的に遂行し、新領域「学習物理学」を勃興させる。
著者
野尻 美保子 兼村 晋哉 阿部 智広
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

[1]LHC 実験の新粒子探索では、大きなバックグラウンドとなるQCD 相互作用が問題になるが、その QCDの特性を研究し新粒子を探索する新しい方法を多数提案した。[2]宇宙に存在することが明らかな暗黒物質を含む模型について総合的に検討を行い、LHCでの模型の検証可能性を明らかにした。[3]ヒッグス粒子の発見に伴いRandall-Sundrum 模型, 超対称模型等についてHiggs の性質の測定で新物理を詳細を明らかにできることを示した。電弱対称性の破れの背後の物理や標準理論で説明できない諸現象(暗黒物質、バリオン数生成、ニュートリノ質量)とヒッグス物理の関係を研究した。
著者
野尻 美保子
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.795-797, 2018-11-05 (Released:2019-05-24)

学術会議だより学術会議の最近の動向および物理学委員会の活動報告
著者
野尻 美保子 清水 康弘 CHEN Chuan-ren SHU Jing
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

LHC におけるハードプロセスに伴うジェットや、重い粒子の崩壊からくるジェットの内部構造など、 QCD プロセスに関わる性質に着目し、 LHC での新粒子の発見を確実にする方法を提案した。 特に縮退した新粒子を LHC で発見するために 制動放出を利用する方法や、ジェットの部分構造を利用して,トップの偏極を測定する方法を開発した。またこの方法をもちいて、スカラートップの混合の測定や、暗黒物質の探索可能性について解析をおこなった。