著者
北野 菜奈 福本 真一郎 徳山 桂理 池田 恵子 高橋 俊彦
出版者
日本家畜臨床学会
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-6, 2018 (Released:2018-10-02)

プアオン式イベルメクチン製剤は公共牧場において長期間継続的に使用されており,消化管内線虫駆虫に有効である。本研究では,駆虫を行っていない牧場を用いて駆虫計画を立案し,対象農場に適した駆虫のタイミングを模索するために,イベルメクチン製剤による駆虫を実施した。駆虫は試験区にのみ5月,7月,10月に行った。消化管内線虫卵数において試験区が対照区と比較し6月と8月で有意に低値を示し,試験区において7月と比較し8月,10月が有意に低値であったこと,体重において試験区で7月と比較し駆虫後の8月が有意に増体したこと,繁殖成績でも試験区が良好な傾向を示したことは,イベルメクチン製剤による駆虫から得られた効果であると考えられた。イベルメクチン製剤は世界的に牛で薬剤耐性が報告されている。今回のような投与回数を必要最小限に抑えた駆虫プログラムであれば薬剤耐性は容易に起こらないと思われた。
著者
高橋 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.284, pp.25-30, 2010-11-11
参考文献数
14

Ford and Fulkersonのラベリング法(labeling method)はネットワークの最大フローを求める古典的アルゴリズムである.このアルゴリズムは,ネットワークの辺容量がすべて整数(有理数)の場合に停止性が保証されるが,ネットワークが無理数容量の辺を持つ場合,フロー増加パスの選び方によっては終了しないことがある.現在までに,そのようなネットワークの例が幾つか示されているが,いずれも無理数容量の辺の容量は特定の値であった.本報告では,最簡かつ最小であり,さらに無理数の容量の値が任意であるようなネットワークを与える.この例は実数値容量ネットワークの多くがフロー増加の無限系列を持つことを示唆する.
著者
伊藤 千春 岩崎 靖 高橋 俊彦
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.29-37, 2019 (Released:2020-03-25)
参考文献数
47

This study compared behavioral characteristics and job stressors of operators and managers of small and medium-sized enterprises (SMEs), examining the causal relations with factors contributing to mental illness. An anonymous web questionnaire survey was implemented targeting 600 individuals including presidents, directors, and individuals above the position of section chiefs of SMEs. Of them, 370 individuals were targeted for analysis, including 143 male presidents with less than 50 employees under them, 140 male managers, and 87 female managers. The covariance structure analysis results revealed that “malfunctional coping” in male presidents and managers had a positive influence on “job stressors,” and job stressors have a positive correlation with “mental illness.” However, for female managers, the path coefficient for “job stressors” with “malfunctional coping” was not significant and was not positively correlated with mental illness.Thus, male presidents and managers did not seek support from or appeal to others, or tried to do their best without complaining, which heightened job stressors and strengthened vulnerability to mental illness. However, female managers’ coping without seeking support or appealing to others had no influence on job stressors and did not cause any indirect vulnerability to mental illness.
著者
中江 裕里 高橋 俊彦 宮部 雅幸 並木 昭義
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.189-192, 1993-03-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
15

軽度の耳下腺腫脹と著明な血清アミラーゼ値の上昇により術後耳下腺炎と診断された症例を経験した.耳下腺の腫脹は手術後1日目から6日間持続したが,炎症症状を欠き,局部の冷却湿布と通常の上腹部手術術後管理に準じた抗生剤および輸液管理により軽快した.耳下腺腫脹の原因としては手術中のバツキングによる腹圧上昇,気管内チューブによる咽頭反射の亢進による唾液腺の静脈うっ血に起因する耳下腺管の閉塞が考えられた.術後耳下腺炎はまれな合併症であるが,日常の麻酔管理における操作が原因となりうることを常に銘記すべきと思われた.
著者
高橋 俊彦 本城 秀次
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.945-952, 1979-09-15

I.はじめに 病者の身近にいる人物が瓜二つであるがまったく別の人物と入れ替っている,と訴える症例については1923年Capgrasら1)がl’illusion des sosiesとして報告して以後,フランス語圏を中心に症例の報告がなされてきたが,最近日本でも報告がいくつかみられるようになった2〜10)。そして諸家は,その症状の特異さの故にカプグラ症候群(syndro—me de Capgras)として特別の単位の如く扱ったり,あるいは精神病の一症状としてのウエイトしか置かなかったりして,一定しない。 ところで「瓜二つ妄想」の発現はある程度年齢が高くなってからといわれている。従来の報告によれば多くは30歳以上であり,10歳台のものはわれわれの知る限りわずかにTodd11)の報告した17歳の少女とMoskowitz, J. A.12)の12歳の症例ぐらいである。 今回われわれは13歳と15歳に「瓜二つ妄想」を発した男女2症例を経験したので,その若年齢であることに注目して報告し,若干の精神病理学的考察を試みたい。
著者
三徳 和子 高橋 俊彦 星 旦二
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-10, 2006

主観的健康感の関連研究から,主観的健康感は死亡率に対し独立した寄与因子であることが指摘されている.そうであるなら死亡率に与える効果の大きさには,死因や性別,年齢および観察期間によって差異はあるのかという疑問が生じる.この問題は主観的健康感の意義を解釈をしたり保健活動への応用を議論する上で重要と思われる.本研究の目的は,主観的健康感と生命予後との関連性について,これまでの研究成果を整理し,今後の研究の方向と課題を提示することである. 主要な結果は以下のとおりである. (1)主観的健康感の低い者のその後の生存妥当性が低いことは,大多数の研究で確認されたが,そのメカニズムに関する詳細な研究報告は見あたらなかった. (2)主観的健康感と死亡との関連性の強さは,男女間で差がないとする報告と男性により強い関連性がみられたとするとする報告とがあった. (3)年齢は多くの研究で潜在的交絡因子として調整され,死亡率との関連性を年齢別に観察した研究は少なかった.いくつかの報告では関連性は高齢者のみではなく中年や若年者年齢層にもみられること,85歳以上では関連が弱いことが示されている. (4)主観的健康感の良否と死因とに関する追跡研究は,主観的健康感の低い者は高い者に比べて心血管疾患やがんによる死亡危険度が有意に高いことを明らかにしている.また最近では,死亡率に与える効果には,死因によって強弱の差があることも示されている. 以上の結果から,主観的健康感はその後の生存とその予測等に関連していることが明らかとなったが,主観的健康感が生命予後に対する予測効果をなぜ持つのかを明らかにすることが今後の課題である.
著者
高橋 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術
巻号頁・発行日
vol.96, no.201, pp.31-35, 1996-07-26
被引用文献数
16

H. Murata, K. Fujiyoshi, S. Nakatake, and Y. Kajitaniにより,矩形パッキング問題における画期的な許容解の表現力法が提案された.この表現方法はSEQ-PAIRと呼ばれ,効率のよい解の探索を可能にし,アルゴリズムの計算時間を飛躍的に向上させた.本報告では重みつきの順列における最大重み減少列を求める問題に対し,効率的アルゴリズムを提案すると同時に,このアルゴリズムをSEQ-PAIRを用いたパッキングアルゴリズムに採用することで,さらに計算時間を減らすことができることを示した.アルゴリズムの計算量はO(nω)であるが,データ構造を工夫することでO(n log n)となる(ただし,ωは最大重み減少列の長さ).