著者
福本 雅朗 平岩 明 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.460-470, 1996-02-25
被引用文献数
22

将来の携帯情報環境には,「装着」するタイプの携帯機器が適している. 腕時計や眼鏡のような超小型のコンピュータを常時身につけておくことによって, 日常生活のあらゆる場面において, 欲しい情報に即座にアクセスすることができる. 本報告では, 装着使用を前提とした入出力インタフェースのありかたについて考察し, その一例として, 加速度センサを用いた指輪型キーボードであるFingeRing (フィンガリング) を提案する. FingeRingは, 大腿部や机の上など, あらゆる場所で即座にタイピングが可能であり, 立位若しくは歩行中の入力も可能である. 更に, FingeRingに適用されるシンボル生成方式として, 順序打鍵併用型の和音入力方式を提案し, 打鍵評価実験によって, 使用すべき指の組合せを抽出した. 鍵盤楽器の経験者では, 本方式によって, 200個/分を超える速度で52種のシンボルを入力することが可能である.
著者
池松 香 福本 雅朗 椎尾 一郎
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.3_2-3_19, 2019-07-25 (Released:2019-09-25)

静電容量方式のタッチサーフェス上へ貼り付けるだけの簡単な作業で取り付けられるForce-to-Motion方式の薄型入力機器,Ohmic-Stickerを提案する.プリント基板上へ加圧により抵抗値が変化する感圧センサを設置し,タッチサーフェスの流出電流値を用いて抵抗値変化を計測することで,指先の微細運動による入力を実現する.本論文では,予備調査に基づくOhmic-Stickerの設計要件の検討と,実際に作成した0.5 DoFから6 DoF(以上)の入力を可能とする複数のOhmic-Sticker及びその応用例,性能調査の結果を報告する.
著者
真鍋 宏幸 福本 雅朗
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.1515-1526, 2011-04-15

日常生活への導入を目的として,ヘッドホンを用いたEOG法に基づく視線入力インタフェースを提案する.まず,耳介周辺や外耳道に配置した電極を用いたEOG計測により,顔面を覆うことなく視線検出が可能であることを明らかにする.次に,EOGの振幅減少にともなうドリフトの増大,および水平/垂直成分の重畳に対し,複数の電極ペアから得られる多数のEOGにカルマンフィルタを適用する手法の有効性を示す.そのうえで,電極を組み込んだオーバヘッド型およびインイヤー型のプロトタイプとデモアプリケーションの製作を行った.本手法により,ヘッドホンを装着するだけで,注視したビジュアルタグの読み取りや視線の動きによる音楽プレーヤの操作などが可能になる.A headphone-shaped gaze input interface aimed at the use in daily life is proposed. The paper indicates that EOG can be detected by electrodes attached on / around the ears, and eye-tracking without covering the user's face can be realized. Issues about increasing drift and mixture of horizontal and vertical elements of the gaze are solved by applying Kalman filter to many EOG signals from multiple pairs of electrodes. Two headphone prototypes (overhead-shaped and in-ear-shaped) and demo applications were developed. The users can get the information just by gazing visual tags and control portable music players by eye movements.
著者
福本 雅朗 外村 佳伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.35, pp.33-38, 1998-05-15

PDAの小型化と、その先にあるウェアラブル・コンピュータの実現の為には、常装着を前提としたインタフェースデバイスの開発が求められる。本報告では、各種入出力デバイスの常装着化の可能性について論じ、一例として指輪型キーボードであるFingeRing(フィンガリング)を紹介する。次いで、人体誘導電界を用いたFingeRingのワイヤレス化について述べる。また、5本指キーボードに適した打鍵方式として、順序入力と和音入力の併用を提案する。A new interface device that is specially developed as fulltime wearing use is needed for realizing wearable computer systems. This article discusses possibility of wearing use for many input and output interface devices, and proposes "FingeRing" as example of fulltime wearable keyboard device. A low-power, short-distance wireless communication method that uses human body as an electric wire, and a new symbol cording method for five finger chord keyboard are also proposed.