著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.925-927, 1983-12-15 (Released:2011-11-04)

最近, サワープレットという少々酸味のあるパンをよくみかける。その昔, 日本酒造りに使われた翫, 水翫のつくり方と “ソックリさん” がパンづくりに生かされているのである。そこで, 筆者と老舗の製パン業者と会話を交えながら, 伝来の水翫とパンの個性化について記述いただいた。微生物利用は無限の可能性を秘めている。何かのヒントにでもなればと願うしだいである。
著者
秋山 裕一 田中 利雄 熊谷 知栄子 岡崎 直人
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.352-360, 1982-06-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
24

自然界における物質輪回・ロがみ酒の歴史を現代の科学で眺め, 追求し, 新しい醸酒法の確立に迫ろうとする技術を紹介していただいた。その進め方が清酒を目標とするか新しい酒類を目標とするかと著者も問いかけている。真の理は常に漸近線の上にあリ, これからの発展が期待される。
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.731-735, 1990-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
28

日本の酒造りは中国大陸から伝来したとされている。両者とも, デンプンの糖化にカビを利用するという共通点はある。しかし, 日本では蒸した粒のままの米に黄麹菌を, 中国では生のままの粉にした麦にリゾープス菌を生やして麹を造るという点で大きき異なる。歴史的にみても, 古代日本で中国式麹が造られたという報告はないという。永年, 酒造りの研究に携わってこられた著者が,「生米麹と石臼」からこの謎がとけるのではないかと指摘されている。二千年のロマンに思いを寄せて-読されたい。
著者
斎藤 和夫 蓮尾 徹夫 蓼沼 誠 秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.69-72, 1983-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

インド北東部のキネマー及びタイのトウァ・ナァーと呼ばれる大豆を原料とする発酵食品と日本の市販ナットウについて, 主として成分面からの比較を行うとともに, 日本のミソとの相違を明らかにした。キネマー及びトウァ・ナァーは食塩の含量, アミノ酸組成, 顕微鏡による微生物相の観察結果より, 日本のナットウに類似する発酵食品であると考えた。
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.146-150, 1981

省エネルギーが醸造業界にとって切実な問題であることはいうをまたない。トップバッターとして多年この問題に深い関心を持たれ, 生米醸造などユニークな技術を開発しておられる秋山醸造試験所長に, まずお考えを述べていただいた。
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.542-547, 1999

吟醸酒は, 日本酒の中でも醸造技術を極めた酒であるといっても過言ではない。その中には造り手の吟醸酒に対する思い入れや文化なども伝わってくる。吟醸酒の発展には少なからず, 品評会や鑑評会の果たしてきた役割が大きいと思われる。<BR>本稿では吟醸酒の変遷について, その技術的な進展とともに二回にわたって解脱していただいた。その歴史的価値も極めて大きい。
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.542-547, 1999-07-15 (Released:2011-09-20)

吟醸酒は, 日本酒の中でも醸造技術を極めた酒であるといっても過言ではない。その中には造り手の吟醸酒に対する思い入れや文化なども伝わってくる。吟醸酒の発展には少なからず, 品評会や鑑評会の果たしてきた役割が大きいと思われる。本稿では吟醸酒の変遷について, その技術的な進展とともに二回にわたって解脱していただいた。その歴史的価値も極めて大きい。
著者
秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.381-386, 1975-06-15 (Released:2011-11-04)

生翫系酒母育成には極めて巧妙な自然淘汰の原理が潜んでいる。その原理をふまえて速醸酒母その他の酒母が生まれ, 遂には酵母仕込みにまで及んでいる。その何れを採るかはさておいて, 生翫の抱えている神秘性は未だ十分にべールがはがれていない。科学的に十分なメスを入れることなく幻の酒母としてしまうわけにはいかないであろう。
著者
大内 弘造 佐藤 和幸 宮島 紀芳 荒木 敏明 秋山 裕一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.843-847, 1981

<I>i</I>BuOH及びiAmOHの高生産株を得る目的で, 清酒酵母協会701号に紫外線照射を行って突然変異を誘発し, NV及びNL含有培地で集殖することによって, NV, NL耐性株を分離した。<BR>代表的耐性株NLV90-6は親-株と同じ発酵力を持ち, NV, NL各20mM含有培地でも非含有培地における親株の増殖速度と同じ増殖能を示した。<BR>親株の<I>i</I>BuOH及び<I>i</I>AmOH生合成能はNV, NLの添加によって減少したが, 耐性株には減少しないものがあった。ただし, それらも<I>i</I>BuOH, <I>i</I>ArnOHの高生産株ではなかった。<BR>清酒もろみの発酵では親株より<I>i</I>BuOHは幾分多く, また<I>i</I>AmOHは幾分少なく生成し, A/B比には明らかな差が生じた。<BR>製成酒の官能評価では親株と同等であったが, 親株にくらべてアミノ酸度が多いことが特徴であった。<BR>清酒もろみ, 麦芽汁及びブドウ果汁の発酵中のアミノ酸消長からみて, アルギニン等の例外を除きアミノ酸の取り込みが親株よりも遅いことが推察された。<BR>NV及びNLの消費量を調べた結果, 親株の半分以下であった。また, <SUP>14</SUP>C-ラベルを使用し, バリン, ロイシン及びリジンの取り込み速度を調べた結果, 親株の1/2以下であった。<BR>以上の結果, 得られた耐性株は窒素源の膜透過性異常変異株と結論された。<BR>最後に麦芽の提供と麦芽汁の調製に御協力いただいたニッカウヰスキー株式会社辻謙二氏に感謝する。