著者
稲垣 俊介 和田 裕一 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.089-092, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
8

対人依存欲求が高校生のインターネット(以下,ネット)利用の性差に及ぼす影響ついて検討した.ネット利用に関する項目として,ネットの利用時間やその利用内容,例えばLINE のトーク数やグループ数,Twitter のツイート数やアカウント数,ゲームの利用時間,さらにネット依存傾向の高低を調査対象とし,それらと対人依存欲求との関連を検討した.その結果,女子はネット利用と対人依存欲求に関連がみられたが,男子は特にその関連がみられなかった.これらの知見から,ネットでコミュニケーションを取る相手への態度や向き合い方に男女間で質的な違いがみられることが,高校生のネット利用やネット依存傾向の性差につながっている可能性が示唆された.
著者
稲垣 俊介
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.599, 2023-10-15

高等学校の情報教育は1970年代に専門教育において情報処理教育が行われるようになったことに端を発し,1989年には複数の教科で情報に関する内容が取り入れられ,1999年には「情報A」「情報B」「情報C」が新設され,2009年に「社会と情報」「情報の科学」へ再編された.そして,2018年には「情報I」が共通必履修と示され,全高校生が共通の科目を学ぶことになった.令和7年度大学入学共通テストに「情報I」が導入されることで情報の位置づけが大きく変わった.これは情報教育の大きな進展の契機となるが,受験科目となる前の「生徒が興味を持つような授業」の重要性を忘れてはならない.受験のためだけでなく,興味から情報を学ぶ授業作りが望まれる.
著者
辰己 丈夫 稲垣 俊介 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 高橋 尚子 中野 由章 和田 勉
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.261-268, 2023-08-11

筆者らは、情報処理学会情報入試委員会の委員として、情報入試の問題案や、過去に出題された情報関係基礎の問題の解説などを掲載する情報処理学会会誌note 「教科「情報」の入学試験問題って?」に関わってきた。この連載を通して、筆者らは、情報科の入試問題について、経験的な知見などを得た。過去に出題された「情報関係基礎」の問題、大学入試センターから発表されている試作問題等、その他の各問題について述べ、また、学習と試験の観点、情報科の内容との関係、問題の評価観点との関係、他教科・他科目における状況、他国における状況を議論した。入試で問うべき観点は、「思考力・判断力・表現力」を重視すべきであり、学習指導要領の範囲であっても、範囲外であっても、知っていると簡単に正解を得ることができるような問題は好ましくない、との結論を得た。
著者
辰己 丈夫 稲垣 俊介 角田 博保 久野 靖 佐久間 拓也 高橋 尚子 中野 由章 和田 勉
巻号頁・発行日
vol.2023, pp.262-269, 2023-08-11

筆者らは、情報処理学会情報入試委員会の委員として、情報入試の問題案や、過去に出題された情報関係基礎の問題の解説などを掲載する情報処理学会会誌note 「教科「情報」の入学試験問題って?」に関わってきた。この連載を通して、筆者らは、情報科の入試問題について、経験的な知見などを得た。過去に出題された「情報関係基礎」の問題、大学入試センターから発表されている試作問題等、その他の各問題について述べ、また、学習と試験の観点、情報科の内容との関係、問題の評価観点との関係、他教科・他科目における状況、他国における状況を議論した。入試で問うべき観点は、「思考力・判断力・表現力」を重視すべきであり、学習指導要領の範囲であっても、範囲外であっても、知っていると簡単に正解を得ることができるような問題は好ましくない、との結論を得た。
著者
稲垣 俊介
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.512-517, 2022-08-15

情報Iの「データの活用」における「問題解決」の実践である.高校生がインターネットの利用時間などのデータを分析し,レポートを作成し,その発表をした.この実践から,インターネット依存に対する問題に対し,生徒自身が当事者意識をもって解決を図る実践である.生徒のレポートには,問題を当事者意識として解決を図る記述が確認でき,さらに,実践の前後で比較するとSNSの利用時間の減少といった効果が見られた.