著者
大橋 浩一 鈴木 紅 佐々 達郎 宮崎 紀樹 立石 和也 金子 雅一 春成 智彦 黒木 識敬 弓場 隆生 安倍 大輔 岩間 徹
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.1421-1427, 2015 (Released:2016-12-15)
参考文献数
7

手術歴や外傷歴のない27歳男性. 緩徐に増悪する腹痛が出現し, 腰痛, 両側下腿浮腫も出現したため当院救急外来を受診した. 造影CTで肝静脈合流部近位下大静脈~両側腎静脈内, 右第三腰静脈内に血栓像を認め, 両側総腸骨静脈領域までの連続する下大静脈血栓症の診断となった. 内視鏡検査では腸管内に特記すべき病変はなかった. 血液検査で抗核抗体, 凝固因子, プロテインS, プロテインCなどの血栓素因は正常範囲であったが, 血漿ホモシステイン (以下Hcy) 濃度が上昇しており高Hcy血症による血管内皮障害から下大静脈血栓症に至ったと考えられた. 葉酸とビタミンB6を補充しつつ抗凝固療法による保存的加療により症状は軽快し, 画像所見でも血栓は縮小した. 抗凝固療法継続中であり, 静脈血栓症の増悪・再発は認めていない. 高Hcy血症が原因と考えられる広範囲に及ぶ下大静脈血栓症は稀であり, 葉酸・ビタミンB6投与と抗凝固療法で保存的加療にて軽快した症例を経験した.
著者
岡村 寛之 立石 和也 土肥 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.1729-1738, 2006-08-01

本論文ではウイルス増殖の時間的推移を確率過程で表現することにより,ウイルス感染予測を行うための統計モデルの構築を行う.特に,いくつかの仮定のもとでウイルス増殖過程が非同次ポアソン過程(NHPP)でモデル化できることを示す.NHPPによってウイルス増殖過程を記述する利点として,モデルパラメータの推定が容易である点と,ウイルス感染による影響を定量的かつ確率的に評価することが可能である点が挙げられる.具体的に,ここでは3種類のNHPPに基づいたモデルを扱い,それらが実際のウイルス感染データによく適合しており,感染予測に用いられる傾向曲線よりも予測精度の観点で優れていることを示す.