著者
石村 雄一 竹内 憲司
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.7-15, 2016 (Released:2016-02-17)
参考文献数
36

本研究は,東日本大震災によって発生した災害廃棄物の広域処理について,受入自治体の特徴をマスコミ報道内容等の調査および統計的手法によって明らかにした。ロジットモデルによる分析の結果,義援金額,ボランティア参加率が災害廃棄物の受け入れに有意な正の影響を与えていることが示された。すなわち,住民による被災地への支援が大きい自治体ほど,災害廃棄物の受け入れに積極的であり,その傾向は東日本の自治体において顕著であることがわかった。また,福島第一原子力発電所からの距離,農業従事者の人口割合が受け入れに有意な負の影響を与えていることがわかった。これらは放射性物質のリスクに対する懸念が,広域処理にとって大きな障害となっていることを示しているものと解釈できる。
著者
本田 智則 田原 聖隆 竹内 憲司 稲葉 敦 西野 成昭
出版者
国立研究開発法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、分散型電源及び既存電源を協調させつつ、長期安定的に稼働可能な電力システムの構築を目指し研究を実施してきた。再生可能エネルギー発電設備についてのLCA(Life Cycle Assessment)を実施し環境負荷の定量化を行った。また、インセンティブ制度設計にあたっては特に省エネが遅れている家庭部門に着目しHEMSデータを活用しライフスタイル別のエネルギー消費実態を特定すると同時に実験経済学の手法によって電力需用者の省エネインセンティブについての知見を得ることができた。仮想電力取引市場設計にあたっては各市場毎のライフスタイル変容が重要な課題であると言う今後の課題を得た。
著者
栗山 浩一 竹内 憲司 庄子 康 柘植 隆宏
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,世界自然遺産知床を対象として,環境政策が自然環境の保全と観光利用とのバランスを取るために有効に機能しているのか,経済学的な視点から分析を行った。2011年から知床五湖で運用が開始された利用調整地区制度が利用動態に及ぼした影響を分析するため,導入前後の利用動向を比較した。これを実験経済学におけるフィールド実験(自然実験)と位置付けることで,利用動態の変化から本制度の経済学的な評価を行った。