- 著者
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佐藤 真理子
王 佳琪
青木 識子
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 70回大会
- 巻号頁・発行日
- pp.220, 2018 (Released:2018-07-28)
【目的】近年,多様性社会への取り組みが進む中,性的少数者(LGBT)への理解は深まりつつあるが,制服における画一的な男女差等,衣服分野でLGBTの人々に十分対応できていない現状がある.本研究では,男性用体型補正インナーに着目し,男性同性愛者の体型に関する意識,体型補正インナーに求める要素等を明らかにすると共に,市場の体型補正インナーの快適性・機能性を検討し,LGBTの人々の衣環境における質向上への寄与を目指した.【方法】男性同性愛者26名(26±6才)と異性愛者26名(21±3才)を対象に,体型意識,インナーに求める要素等の調査を行った.また,市販されている体型補正インナーの着用効果と着用快適性を検討するため,三次元計測と官能評価を行った.【結果】アンケート調査の結果,男性同性愛者の体型意識において,自身については異性愛者と差はなかったが,恋愛対象に求める体型は筋肉体型が8割近くを占めた.体型補正インナーの認知度,着用希望共に,同性愛者で高い割合を示した.三次元計測の結果,体型補正インナーは一般インナーに比べ,肩先点下5cmで約105%,チェストラインで約110%周径が増大し,三角筋,大胸筋を模擬した状態が実現できており,官能評価においても,体格がより良く見えるとの申告が得られた.しかし,肌触り,筋肉パッドの擦れ等の評価が低く,着用快適性の改善が今後の課題と考えられる.