著者
箕浦 一哉
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.II_267-II_278, 2014
被引用文献数
1

本研究では山梨県北杜市で活動する「八ヶ岳南麓風景街道の会」における市民と行政の協働を事例として,協働の経験を通じて地方自治体職員がどのように認識と行動を変化させたのかを,聞き取り調査に基づき定性的に分析した.その結果,行政職員は市民との協働への参加を通じ,敵対的認識の解消からメリットの認識,主体的な貢献へと進み,業務への活用に至るというプロセスで認識と行動を変容させていた.そこには,協働への参加経験の肯定的評価が参加意識を強化するという正のフィードバックループが存在していた.その評価の要因としては,目的意識に対する共感,知識・経験への尊重,行動に対する尊敬が見いだされた.また,本事例での行政職員への影響には,本会の継続的で固定的な協働形態も要因となっていると考えられた.
著者
箕浦 一哉
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
vol.17, pp.180-190, 2011
著者
平松 幸三 箕浦 一哉 松井 利仁 宮北 隆志 長田 泰公 山本 剛夫
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.8, pp.556-564, 2000-08-01
参考文献数
24
被引用文献数
1

特殊空港周辺で実施されている家屋防音工事が生活実態上どの程度生活環境の改善に寄与しているのかを検討するため, 嘉手納基地周辺において質問紙調査を行い, 家屋防音工事の実施状況, それに対する満足度と効果の有無並びにうるささ, 生活妨害, 環境質に関する回答を分析した。その結果によると, 騒音曝露地区では, 家屋防音工事への満足度が高く, その効果を評価する回答が多かったが, 高度曝露地区ではそれらの回答率が著しく低かった。多重ロジスティック分析を行って生活妨害の反応に関するオッズ比を家屋防音工事実施群と非実施群とで比較したところ, 両群において反応に差が認められなかった。このことから家屋防音工事が生活環境を改善することにはなっていない, と結論された。