- 著者
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正木 星
渋沢 進
小林 守
米倉 達広
- 出版者
- 情報処理学会
- 雑誌
- 研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21862583)
- 巻号頁・発行日
- vol.2011, no.29, pp.1-8, 2011-02-28
徘徊性のある認知症高齢者は,無断外出して事故を起こすことや,行方がわからなくなることがある.本研究では,認知症者の徘徊行動に着目し,携帯電話に搭載されている加速度センサの機能を用いた高齢者の移動状態の推定を行う.高齢者の移動は基本的に歩行であることから,本稿では携帯電話を用いて歩行状態についての推定を行い,また怪我などによる不安定な歩行状態ついての推定を行い,評価を行った.その結果,高齢者の歩行の推定では,合成加速度やスペクトルを用いて推定を行ったところ,停止の判定率が100%であり歩行の判定率が91%であった.次に不安定な歩行状態の推定では,転倒を基準とし,転倒前と転倒後のスペクトルを比較することで推定を行ったところ,判定率は95%であった.このため,歩行と不安定な歩行状態の推定は携帯電話に搭載した加速度センサを用いてほぼ推定することができる.Elderlies with wandered dementia who go out without permission sometimes meet accidents or get lost. This paper presents the presumption of elderly's movement using the function of acceleration sensor installed in mobile phone. This paper also introduces elderly's unstable movement which is causced by injury or accident, and presents the presumption of elderly's unstable movement and its evaluation. From experiments, elderly's movement was presumed about 91% using acceleration values and their spectra. By comparing acceleration spectra before and after falldown, elderly's unstable movement was presumed about 95%.