著者
児玉 匡 阪 龍太 井深 奏司 黒田 征加 今福 紀章 細木 瑞穂 白河 伸介 山下 定儀 山本 暖
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.700-706, 2021-04-20 (Released:2021-04-20)
参考文献数
39

腟内異物はあらゆる年齢で起こりえるが,小児ではまれである.われわれは2例の腟内異物を経験したので報告する.症例1は11歳女児.10か月前から悪臭を伴う帯下を認めていた.右下腹部痛を訴えて前医を受診,CTで腟内異物を疑われ当院紹介となった.腹部超音波検査(US),MRI検査から子宮頸部の絞扼が疑われ緊急手術を行った.全身麻酔下に異物摘出を行ったところ,子宮頸部は円筒状の異物に嵌頓していたが,異物除去により色調は改善した.術後,症状は速やかに改善した.虐待対策委員会により性的虐待の可能性は低いと判断され,小児心療内科医の介入を行い退院となった.異物挿入の経緯については不明であった.症例2は13歳女児.自分で鉛筆を挿入したが,キャップが遺残したため来院.特に症状はなし.USとCTで腟内異物を確認し全身麻酔下に摘出を行った.
著者
井上 建 小坂 浩隆 岡崎 玲子 飯田 直子 磯部 昌憲 稲田 修士 岡田 あゆみ 岡本 百合 香山 雪彦 河合 啓介 河野 次郎 菊地 裕絵 木村 大 越野 由紀 小林 聡幸 清水 真理子 庄司 保子 髙倉 修 高宮 静男 竹林 淳和 林田 麻衣子 樋口 文宏 細木 瑞穂 水田 桂子 米良 貴嗣 山内 常生 山崎 允宏 和田 良久 北島 翼 大谷 良子 永田 利彦 作田 亮一
出版者
日本摂食障害学会
雑誌
日本摂食障害学会雑誌 (ISSN:24360139)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-12, 2023-10-05 (Released:2023-10-05)
参考文献数
19

COVID-19パンデミック下,摂⾷障害患者における社会からの孤立,受診控え,症状の悪化,さらに新規患者の増加などが報告された。そこで我々は,2019,2020,2021年の神経性やせ症(Anorexia Nervosa: AN)および回避/制限性食物摂取障害(Avoidant/Restrictive Food Intake Disorder: ARFID)の新規患者数,入院患者数,性別,年齢層,COVID-19の影響の有無について,国内で摂食障害を専門的に診療している医療機関に対して調査を依頼した。すべての項目に回答のあった28施設の結果について集計・解析した。ANの新規・入院患者数はそれぞれ,2019年は400人,266人,2020年は480人,300人,2021年は610人,309人であった。一方,ARFIDの新規・入院患者数はそれぞれ,2019年は70人,15人,2020年は97人,22人,2021年は112人,17人であった。AN,ARFIDともに2019年と比較して2020年,2021年は新規患者数,入院患者数ともに増加し,これは10代でより顕著であった。さらにANにおいては20代の患者も増加していた。COVID-19 パンデミック下にARFID 患者数の増加が示されたことは重要な知見であると考えた。