著者
ニャタンガ フォセナ 松田 敏信
出版者
農業生産技術管理学会
雑誌
農業生産技術管理学会誌 (ISSN:13410156)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.41-51, 2011
参考文献数
20

本稿の目的は,わが国の主要都市におけるたばこ需要について空間的な類似性がみられるか,すなわち都市間の距離が近ければたばこ消費のパターンに類似性がみられるか,という仮説を統計データの分析により検証することである.まず,需要と支出の他に人口統計学的変数や政策変数などを含む49都市の月別時系列データに対して,単位根検定と共和分検定を実行した.次に,両検定結果に基づき,誤差修正モデルによる各都市のエンゲル曲線を推定した.そして,エンゲル曲線の推定結果に基づき,様々なパラメータの組み合わせによるクラスター分析を行い都市の分類を試みた結果,わが国のたばこ需要に空間的な類似性はほとんどみられないことが示された.
著者
Fernandez Cristhian 松田 敏信 古塚 秀夫
出版者
地域農林経済学会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.27-32, 2009

2005年に公布された米国エネルギー政策法において,バイオエタノールの使用が義務づけられた.その後のバイオエタノール・ブームにより原料のトウモロコシの価格が高騰し,さらにトウモロコシへ作付け転換された大豆の価格もまた高騰している.こうした背景を踏まえ,本稿では需要体系モデルにより,トウモロコシと大豆それぞれについて,2005年エネルギ-政策法公布前後の国際需要パターンの変化を分析した.具体的には,それぞれの穀物について,主要産地であるアルゼンチン,ブラジル,および米国産の間の代替・補完関係の変化に注目した.分析の結果,トウモロコシでは,アルゼンチン産が奢侈財としての性格を強め,米国産が奢侈財から必需財へ変化していることが明らかになった.一方,大豆では,ブラジル産が必需財としての性格を強め,米国産が奢侈財としての性格を若干強めていることが明らかになった.
著者
山口 三十四 堀内 久太郎 加賀爪 優 福井 清一 鈴木 宣弘 松田 敏信 藤本 高志 衣笠 智子
出版者
尾道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本科研の研究では人口減少下の農業と食料についての研究成果を行っている。具体的には、「世界のWTO・FTAの潮流」と「農業の新たな構図」の展望、FTA交渉から見えてくるASEANとの「東アジア経済統合」への道、人口減少を含む「人口変化が産業構造に与える影響」、文明転換期にある「人口減少と食料や農業のあるべき姿」、「豪州の食料貿易政策」、「中国農業の全要素生産性」等の計測、地域間の「収束性」の分析、「中国や台湾の人的資本とその経済や社会への影響」、「飼料自給・糞尿循環利用・水田保全」に及ぼす影響、「食料消費の理論的実証的研究」等を行っている。この3年間で、8人の論文が74本、著書が12冊、学会発表は52回にも至っている。
著者
松田 敏信 永木 正和 長谷部 正 草苅 仁 鈴木 宣弘 伊藤 房雄 茂野 隆一 趙 来勲 山口 三十四
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は,少子高齢化と食の安全性をキーワードとして,消費者需要を中心に生産や国際貿易などフードシステム全般のメカニズムを経済分析により明らかにすることである.主な研究成果として,代表者の独自モデルLA/QUAIDSによって,都市別・月別の疑似パネルデータを推定し,少子高齢化が食料需要に与える影響を明らかにした.また,需要システムの新たな独自モデルを複数提案し,さらに食料生産の計量経済分析や国際貿易の応用ミクロ経済分析等を実施した