著者
小川 修三
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.90-94, 1996-02-05
参考文献数
14
著者
小川 修
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

本研究は、還元拡散法による希土類機能性材料として希土類磁石を選び、拡散に関する実験を行なったものである。当初はCo中へのSmの拡散、及びFe中へのNdの拡散の両方を取り上げたが、後者の場合NdはFe中には容易には拡散せず、長時間の熱処理によっても進展が見られなかったので、研究の後半では前者のCo-Sm系に的を絞った。Co中へのSmの拡散は、「研究成果報告書」に詳述した理由から、溶融Sm-Co合金とCoブロックで拡散対を構成したが、拡散が起きる前にCoブロックの表面が不均一に溶け出す現象を抑えることができず、このため拡散層厚が非常に不均一になった。そこで、Coブロックを溶融Sm-Co合金の蒸気と接触させる方法に切り換えたところCoの溶出が抑えられ、かなり均一な厚さの拡散層が得られたので、以後はこの方法によった。最も成長の速い相はSmCo_5で、その内側にSm_2Co_<17>の相がわずかに成長した。最も外側に現れているSm_2Co_7の相は試料断面の研磨中に失われることが多く、層厚の測定ができなかった。結果として1050、1100及び1150℃の各温度で、SmCo_<17>相におけるSmの拡散系数が求められた。本研究で採用した方法をヒントに、Sm_2O_3-Caチップの混合物をCo粉末と直接には触れないようにして還元拡散プロセスを行なわせたところ、カルシウム分による汚染の少ないCo-Sm合金が得られた。これは言わば「還元・揮発・拡散法」と呼ぶべきもので、比較的蒸気圧の高いSm等には有用な方法であろう。また、一旦SmCo_5の層を大きく成長させた後、Sm蒸気の無い条件で1100〜1200℃に保持すると、SmCo_5相をSm源とする拡散が進行してSm_2Co_<17>相が大きく成長することを確認した。この二つの結果は、工業的に未完成な還元拡散法によるSm_2Co_<17>素磁石材料の製造につながる有望なものとして、今後も検討を加える予定である。
著者
真保 良吉 小川 修 清水 秀夫 後藤 佐吉
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
日本鉱業会誌 (ISSN:03694194)
巻号頁・発行日
vol.103, no.1191, pp.325-330, 1987-05-25 (Released:2011-07-13)
参考文献数
6

For the purpose of obtaining fundamental thermodynamic data for the carbothermic reduction of alumina, two types of experiments were carried out. In the first type of experiments, alumina was reduced with graphite powder at 2173K in a graphite crucible in an atmosphere of argon in the presence of iron at 2173K. In the second, a liquid Al-Fe-C ternary alloy was equilibrated with both graphite and Al4C3 in a graphic crucible in an atmosphere of argon at temperatures between 2073 and 2373K.Alumina was reduced fairly fast and the aluminum content in the resultant Al-Fe-C alloy increased with time for at least the first 90min, but the evaporation of aluminum from the alloy and the formation of Al4C3 through the reaction between Al in the alloy and C from the crucible caused the aluminum content to decrease gradually. From the equilibration experiments it has been found that the activity coefficient of Al in the Al-Fe-C alloy and the equilibrium alloy composition can be adequately obtained by applying the regular solution model to the liquid alloy and by using the data of a functions available from literature along with the standard Gibbs energies of formation of the existing chemical species in the system.
著者
小川 修史 藤井 祐次 掛川 淳一 高野 美由紀 森広 浩一郎
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.Suppl., pp.217-220, 2012-12-20 (Released:2016-08-09)
参考文献数
2

筆者らはこれまでに行動要因の分析を目的としたケース会議支援システムを提案している.システムを経験の浅い教師に適用したところ,行動要因に関連した気づきが議論を通して発生する一方で,議論する事前に実施される個別作業の際に,行動要因を客観的に分析することが難しく,これらを支援することでより効率的に気づきが発生すると考えた.そこで,行動要因とストレスの対応関係に注目し,アノテーションをストレスの観点で分析させることで,個別の作業であっても行動要因の客観的な分析が可能となると考えた.この仮説に基づき実装したストレス可視化機能を用いて予備調査を実施した結果,仮説が有効である可能性が示唆された.
著者
梶田 洋一郎 羽渕 友則 賀本 敏行 奥野 博 寺井 章人 筧 善行 寺地 敏郎 小川 修 吉田 修
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.711-714, 2000-10

1)Sheldonらの分類でstage IIIA迄の尿膜管癌の初回手術として,臍・尿膜管全摘除術を加えた膀胱部分切除術にて長期の生存,膀胱温存が得られる可能性が示唆された.2)CEAは患者血清4例中2例,尿膜管癌組織5例中5例で陽性であり,尿膜管癌の腫瘍マーカーとなる可能性が示唆された.3)p53は尿膜管癌組織5例中4例で陽性であったが,stageや予後との相関は認められなかった
著者
大木 典雄 望月 茂喜 伊藤 昭浩 阿部 文昭 小川 修 保坂 陽之助 秋山 稔 持田 泰秀
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.19-22, 1998-10-20 (Released:2017-01-25)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

The seismic isolation retrofit of the main building of the National Museum of Western Art required excavating the foundation ground under the existent building and installing isolation devices beneath the existing footings. Before the installation of isolation devices, it was necessary to construct piles beneath the existing footings in order to support the weight of the building temporarily during excavation process. The piles were made of steel pipe segments, and were driven by oil jacks utilizing the weight of the building for reaction force. During the retrofitting process, the subsidence of the building supported by the piles were monitored and controlled to avoid causing damage to the superstructure.
著者
大木 典雄 望月 茂喜 伊藤 昭浩 阿部 文昭 小川 修 保坂 陽之助 秋山 稔 持田 泰秀
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.19-22, 1998
被引用文献数
2 2

The seismic isolation retrofit of the main building of the National Museum of Western Art required excavating the foundation ground under the existent building and installing isolation devices beneath the existing footings. Before the installation of isolation devices, it was necessary to construct piles beneath the existing footings in order to support the weight of the building temporarily during excavation process. The piles were made of steel pipe segments, and were driven by oil jacks utilizing the weight of the building for reaction force. During the retrofitting process, the subsidence of the building supported by the piles were monitored and controlled to avoid causing damage to the superstructure.
著者
鈴鴨 よしみ 寛 善行 賀本 敏行 荒井 陽一 小川 修 福原 俊一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.659-668, 2002-09-20
参考文献数
11
被引用文献数
7 6

(目的)前立腺癌疾患特異的QOLを測定する尺度「UCLA Prostate Cancer Index(UCLA PCI)」を翻訳し,オリジナルと等価概念を現す日本語版を作成すること(対象と方法)多段階のプロセスを経てオリジナル版の翻訳を行った.さらに,前立腺癌患者6名を対象にパイロットテストを実施し,翻訳上の問題点や実施上の問題点を抽出して改訂し,原作者の了承を得た.(結果)項目分析の結果,無回答者がいた4項目,一つのカテゴリーに片寄る1項目が抽出された.無回答であった項目はその後の質的解析により回答選択肢に問題が見つかり,改訂され解決された.回答に偏りのある項目は,対象が症状の安定した群であったためと考えられた.他の項目は性機能を含め,十分な回答率が得られた.所用回答時間は5.5分と負担のないものであった.(結論)理解しやすく負担のない,且つオリジナル版の持つ概念と等価であると認められたUCLAPCI日本語版version1.2が完成した.また,尺度開発におけるパイロットテストの有用性が示された.
著者
小川 修三 長原 幸雄
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.104-114, 1949-11

上空(&siml;1mH_2O)に於ける宇宙線東西強度の対称性は,地上及び地上より10,000m迄の高度に於ける各緯度で行われた東西強度の非対称性から予測されるproton primary hypothesisに対して困難を興えている. Arleyはこの困難を救うために, negative protonはprimary中に混在するとしている.然しながら彼のいうnegative protonが,π-中間子,μ中間子を経てsoftを興えるという現在容認されている立場から上空の東西効果の問題を如何なる点迄解決しうるかを判りさすために, primary protonとそれによるsoft componentの間の角分布を調べた.
著者
小川 修史 田中 昌史 掛川 淳一 森広 浩一郎
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.3-14, 2012-02-10

継時的な比較による児童の変容把握を目的として,小規模校では長期間にわたり継続して比較的短い文書を児童らに記述させる形式の実践が多く行われている.このような実践においては,教師はある時点の文書と自己の児童に関する記憶を比較することで児童の変容を把握していくが,児童数が少なくても長期間にわたり蓄積されていく文書であるため,教師の負担は大きく,記憶内容を忘却あるいは誤認識してしまう可能性がある.そのため,長期間蓄積された文書の分析を支援する仕組みが有用であると考えられる.そこで,本研究では教師に文書集合の特徴的な表現を提示し,それらの表現を手掛かりに文書を分析していく枠組み,つまりテキストマイニング導入のための検討を行っている.本稿では小規模校における継続的な実践で蓄積された文書集合を学期毎にテキストマイニングし,比較することにより抽出された特徴表現の有用性について検討する.